ジョージ |
オシャレでいうとね、
洋服とかカバン、靴、小物系とかは、
ウソじゃなくてハッタリに近いよね。 |
ノリスケ |
お化粧はウソだけど、着るものはハッタリだと。 |
ジョージ |
ね? そういう意味では、そういう意味では、
それによって、人を不快にすることって、
滅多にないじゃない? |
ノリスケ |
ない。 |
ジョージ |
よっぽど汚れて臭い洋服を着ていない限り、
どんな洋服を着ても人は不快にならないけれど、
ある洋服を選ぶことによって、
その人の人生をリセットさせて
下駄を履かせることはできるよね。 |
ノリスケ |
そうだね、ハッタリだね。 |
つねさん |
う〜ん。 |
ノリスケ |
でも、女のお化粧がウソだとしたら、
ホモのさ、着てるものって、
ハッタリになるんじゃないの?
ウソじゃないの?
ラグビーなんかやってないのに、
ラガーシャツ着てるもの(笑)。 |
つねさん |
ま、でも、あれは好きで着てるから・・・。 |
ジョージ |
でも、それ、ある意味ではウソだよ。 |
つねさん |
そうか。 |
ジョージ |
化粧といっしょ。 |
ノリスケ |
化粧だよね、あれはね(笑)。 |
ジョージ |
ホモの化粧って・・・。 |
ノリスケ |
髪形とか? |
つねさん |
やっぱ短パン? |
ジョージ |
ショート・パンツ、髪形。
ホモの髪形は化粧だね。 |
つねさん |
ヒゲ! |
ジョージ |
そう、ヒゲはお化粧よね。 |
ノリスケ |
戦闘服だもんね。 |
ジョージ |
だって、いちばん男らしくない人が
いちばん男らしいと言われている、
短髪にしてヒゲを生やすわけでしょう?
こっれはウソだよねー。ウソだわー。 |
ノリスケ |
いやー、私たちって存在自体がウソなのかしらー。
あんたもあんたも短髪にヒゲ!
まさか、そのちらちら見えてる胸毛も!? |
ジョージ |
これは天然ですっ。
でもヒゲは化粧ね。 |
ノリスケ |
だって、さ、女の人がさ、
今日お化粧ののりが悪いって
言ってたりするのを見ても、
よくわかんないけど、
自分が今日のヒゲちょっと変って
思ってるんだったら、わかるでしょう? |
ジョージ |
あ〜。わかるー。 |
ノリスケ |
朝、出かける前に鏡の前で
「今日のヒゲ、だめ!!」って思うことない?
なぁんで、なにが違うんだろう?
ちょっと伸びてるだけなのに(笑)。 |
ジョージ |
そーれは、かなりガチョンだよ〜。 |
ノリスケ |
なんか、イヤ、みたいに思うんだよね。 |
つねさん |
そう。 |
ジョージ |
あと、昨日までちょっと派手目で
オークル系のファンデーションを塗ってた女が、
今日はちょっとサッパリメイクにしてみましたー、
とかっていうのは、
昨日までフルフェイスだったのを、
今日ゴーティに変えてみました、
っていうのといっしょだよね。 |
ノリスケ |
そそそそ(笑)。
ちなみにヒゲは英語で
《口ひげ》mustache
《あごひげ》beard
《ほおひげ》whiskersなんだけど
フルフェイスはそのぜんぶがつながってるヒゲです。
和製英語だけどね。
ゴーティは、日本ではラウンドっていうけど
口ひげとあごひげがつながってて
口のまわりをぐるっと回ってるパターンね。
GOATEE。山羊。
以上、ヒゲ講座でしたっ。 |
つねさん |
ちょっとずつ変えたりもするのよね。 |
ジョージ |
それは、なんか、自分の中で、
新たなウソをつく決心がついたんだよ、やっぱり。 |
ノリスケ |
そそそそ。 |
つねさん |
そうなの? |
ジョージ |
うん、たいていね。
僕、フルフェイスにする時って、
普通のオジサンになりたい時。 |
ノリスケ |
あ〜。 |
つねさん |
そうだったんだ〜。 |
ジョージ |
キレイにトリミングしなくていいわけじゃん? |
つねさん |
あ〜。それでも、してたけどねぇ。 |
ジョージ |
そのあたりには、ウソが滲み出るっていうやつ?
で、ゴーティにするときは、
も1回、ちょっととんがってみたいな、
っていうときにするよ。
仕事が忙しくって、元気を出したいときは、
キレイにするの。 |
つねさん |
こざっぱりだもんねぇ、ちゃんとねー。 |
ジョージ |
する。 |
ノリスケ |
髪の毛もね。 |
ジョージ |
髪の毛もそうだよね。 |
ノリスケ |
だから、1日、1晩寝て起きたら、
伸びてるわけじゃない?
それがあるとき突然、
「もう切らなくちゃ!」になるの。
イヤになったりするんだよね。 |
つねさん |
うん。 |
ノリスケ |
でもノンケの子や、女の子には、
わからないみたい。
そんなに伸びてないよ、ぜんぜん、
って言われるんだけど、
ぼくには長髪よりイヤ! ってことがあるの。
半端に伸びた短髪は、
よほど自信があって、
無頼な感じ? を演出するならいいけど
まず、だめね。 |
つねさん |
ま、わかるけどね。 |
ノリスケ |
でもさ、普通の男の子や女の子には通じない。
ホモのお化粧は。 |
ジョージ |
ん〜、そうね、あと、ほら、
思いやりに満ちたウソを
ついてくれる人っているじゃない? |
ノリスケ |
たとえば?
浮気をとりつくろうとか、そういうこと? |
ジョージ |
ん、そういうんじゃなくて、
僕がゲイだっていうことを知っている
ウチの会社の男の子の中に、
僕のことを上手なウソでかばってくれる
子がいるの。
「ジョージさんは、無理めで高めのモデル系の、
ゲロゲロの女の子が好きなんですよ。
クラブに行くとオンナにメチャモテなんですよ」
とかっていうのを、
他人に吹聴してくれる子とかっているの。
そういうのって、すっごい・・・。 |
つねさん |
嬉しいよね。
あー、いいウソついてもらってるなー、
とかって思うよね。 |
ノリスケ |
うん。自分で、じゃないんだね? |
ジョージ |
それこそ、温泉旅館に旅行に行って、
男2人がひとつの座敷っていうのは、
いくらでも、奇異な目で観察できるんだけど、
あえて観察しないで、
そこに人がいないような目で見てくれる、
ベテランの女中とかそういうの、
あー、いいなー、この女、
自分の心にウソついてるぞっ、アリガト!
とかって、思うよね。 |
ノリスケ |
いい旅館だねー。
お仕事ですか? とも聞かないのかな? |
ジョージ |
だって、聞けばウソが、
そこから、新たなウソを生むわけじゃん? |
ノリスケ |
そうだね。だから黙っててくれるんだ。 |
ジョージ |
だめな女中はね、似てるから、
ご兄弟ですか? とかって。 |
ノリスケ |
42歳と38歳の兄弟は、旅行しないよねー。 |
ジョージ |
いっしょに行かないよねー。
行かないんだけど、たまにバカみたいに、
ご兄弟ですか? って言うの、いるの。
言われて、うん、って、
こっちもウソをついちゃうんだよね。
兄弟か、でも違うよな、と思ったら、
聞かなければいいの。
そこから先、新たなウソはないんだよ。 |
ノリスケ |
そうだよね。そうだよ。 |
ジョージ |
すごい親密に付き合ってる2人がいて、
片方が、こいつ浮気してるかも
しれないぞーって思ってるとするでしょ?
で、確固たる確信もないのに、
あれこれ詮索してあれこれ考えて、
あんた浮気してるでしょう? って言っちゃうと、
そっから先、相手は絶対ウソをつくんだよね。 |
つねさん |
うん。 |
ジョージ |
浮気してないって言っても、
言われた方が、ウソだ、って思うわけだし、
たとえ浮気してても、浮気してない、
って言ったら、それはウソなわけじゃん。 |
つねさん |
でも、言わなかったら、
そういうウソはつかなくって・・・。 |
ジョージ |
そう。新たなウソを生みそうだったら、
敢えてそんときに気持ちを押さえて、
言わないのが、大事よ。 |
つねさん |
思いやりだよね。 |
ジョージ |
相手に対するねー。 |
ノリスケ |
そうすれば、関係は続くもんね。 |
ジョージ |
そう。 |
ノリスケ |
そのままでいいと思ってる筈だからね。 |
つねさん |
で、変にならないよね。 |
ジョージ |
そう、変にならない。 |
ノリスケ |
壊したいんだったら
言えばいいんだけどね。 |
ジョージ |
壊したいんだったら、言えばいいんだよ。
あ、こいつ、こいつは私にとって
必要がないと思ったら、壊せばいいんだよね。
だけど、必要だと思ってるんだったら、
相手にウソをつかせないような努力をすることって、
いいことなのよ。 |