つねさん |
こないださ、テレビ番組で
結婚して20何年の夫婦がいて。
ダンナがいつも週末いなくなると。
で、たまに無断外泊をすると。
でも、ダンナは何も言わない。
で、奥さんがそれはイヤだから、って、
テレビが入って、捜索するわけよ。 |
ノリスケ |
するなよ〜、って感じだよね(笑)。 |
つねさん |
だから、するなと思うじゃん。
まあ、テレビはテレビで
そのダンナを追いかけてって、
あるホテルの1室に入っていくわけ。
それで奥さんに連絡を入れて。
で、そしたらなんか、結局ダンナが、
ヌード撮影会やってた、うん、女の人の。 |
ノリスケ |
趣味として?(笑) |
つねさん |
そそそそ、写真が趣味で。
で、けっこうその筋では
有名なアマチュア・ヌード・カメラマン
だったりしてたらしいんだけど。
でもそういうのは、べつに奥さんに
言う必要ないから、っていうんで・・・。 |
ノリスケ |
黙って通してきたのにね。 |
つねさん |
言わないことが優しさの筈だったのが、
それをなんか・・・バカよね、テレビで。 |
ジョージ |
この人、私に言いたくないことがあるんだろうな。
で、ほんとうに私にとって必要なことだったらば、
この人は言ってくれるんだろうけど、
べつに私が知らなくてもいいことで
言いたくないことがあるんだったら、
聞かなくていいや、
っていうふうに思うことだよね。 |
つねさん |
うん。それはそうだと思う。 |
ジョージ |
なんか、浮気してるんじゃないかしら?
って思って調査して。・・・
旦那の浮気してる相手が男だったらどうすんの!? |
つねさん |
俺も思ったよ、ほんとうに(笑)。 |
ジョージ |
ほんとにどうするの?
そんときゃ、ほんとにどうすんのよ?
それってさー、それって、女としての、
妻としての自分を裏切られた以前の問題で、
女としての、自分を・・・。 |
つねさん |
だから、種(しゅ)としての自分を。 |
ジョージ |
そう、裏切られたわけでしょう?
そしたら、ホモだった亭主よりも、
ホモと結婚してしまった自分のほうが、
情けないもん。 |
つねさん |
辛いわな、それはね。 |
ノリスケ |
その人生を一気に背負うことになるもんねー。 |
ジョージ |
でしょう? だから、ぜったいにね、
そんなことはね、詮索しちゃダメ! |
つねさん |
そうだよね。 |
ジョージ |
たとえばSMが大好きで、
Sの女王様の下で、縛られてアハァ〜ン
いってるぐらいならいいよ、ぐらいなら、
まだ笑い話になるけど、
ホモだったらどうするの?
しかも、それがさ、たとえば、
35才の亭主が、65才ぐらいのジジイに・・・。 |
つねさん |
抱かれてゴロゴロ? |
ジョージ |
抱かれる抱かれないの問題じゃないよ、
もう、相思相愛で、彼が15才のころ、
つまり65才のジジイが45才のころから、
20年ずっと付き合ってて、
奥さんとのお付合いはたった5年だとしたら、
どうすんのよ?
それは、20年の男の純愛の間に入った、
ただのバカな女じゃない? |
つねさん |
そうだね。 |
ジョージ |
ありうるんだから、そういうのが。 |
つねさん |
現実にはね。 |
ジョージ |
で、そう、現実は、人の予想を上回るほどに、
不可思議、なんだからね。
だから、少々の不思議は、目をつぶんなきゃダメ。 |
つねさん |
だから、開けちゃダメだと思った扉は、
開けない方がいいと。 |
ジョージ |
そ。 |
つねさん |
ま、開けちゃったにしても、
見て見ないふりをすると。 |
ジョージ |
でも、ビックリするだろうなー。 |
つねさん |
バーッと開けたら?(笑) |
ジョージ |
ビックリすると思うよー。
たとえば、もし僕が、気持ちを偽って、
誰かと結婚して、その女が、
なんか外泊だらけで。
ま、外泊だらけっていう段階で、
ホモの僕はシメタと思うんだけどさ(笑)。
で、疑心暗鬼になって調査をしたら、
レズだった、っつったら、
うんっ!めっけっ!! って思うもん。
やったー!って思うけど。思うけど。 |
ノリスケ |
でもさ、そうじゃなくて、
この人は、あんまり色っぽいことは
好きじゃないけど、私はこの人が好きよ、
っていう奥さんだったら、辛いよね(笑)。 |
ジョージ |
辛いと思うよ〜。 |
ノリスケ |
ずっとホモと知らずに自分の方を見ていてくれる
いい奥さんだったら……。 |
ジョージ |
だってさー、そのー、私たち2人は
体のつながりじゃなくて心がつながってるんだ、
っていうのを、唯一の心の拠り所にして、
たぶんその奥さんは付き合ってるわけよ、
一緒にいるわけよ。いるわけなのに、
自分が知らない、もっとすごい心の結びつき、
アンド体の結びつきが
ここにあるんだと思ったらさ。 |
ノリスケ |
そっれはショックだろうな〜。 |
ジョージ |
僕だったら、舌を噛むね。 |
ノリスケ |
(笑)死ぬの? |
ジョージ |
うん、死ぬ。死ぬよ。
ほんっとに!!
死ぬな〜。 |
つねさん |
(笑)。笑っちゃダメだね。 |
ノリスケ |
でも、世の中には、そういう奥さんは
いっぱいいるんだろうな(笑)。実は。 |
ジョージ |
ん〜。 |
つねさん |
ぜんぜん話ちがうけど、
最近ほんとにテレビにゲイものって多いよね。 |
ノリスケ |
多いよー。 |
ジョージ |
あ、この前『バーバー』観たって言ったじゃない?
映画の。それにもね、やっぱりゲイがね、
ものすごい重要なシーンで役どころで出てくるんだよ。 |
ノリスケ |
ほー。 |
ジョージ |
なんでなんだろ? |
ノリスケ |
あれって、アセクシャルの話?
アセクシャルっていうのは、
性を介在しない恋愛のことなんだけど。 |
つねさん |
うん、そうなんだよね。 |
ジョージ |
性がベースにあるんだけど、
肉としての性でなくて、人と人の・・・。 |
つねさん |
繋がりだよね。 |
ジョージ |
そう、関係としての性があるんだよね。 |
ノリスケ |
それのことをアセクシャルって呼ぶって、
最近聞いたことがある。 |
ジョージ |
ほー。 |
ノリスケ |
あの、ホモセクシャル、
バイセクシャルじゃなくて。
恋愛感情もあって、
パートナーシップとして、男と女である、っていう。 |
つねさん |
ん、でも、それとはちょっとだけ違う。 |
ジョージ |
違うよね。出てくるね、
ゲイのオジサンっていうのがね、
べつにゲイでなくてもいい役どころなんだよ。
役どころなんだけれど、んーと、典型なの。
身だしなみに関心を持ってて、
人一倍自分に自信があって。
だけど、人からどういう風に見られているかを
ものすごく気にして? |
つねさん |
で、ちゃんとウソついてて。 |
ジョージ |
そう。ウソついて。えーと、ま、
そのウソが楽しいんだけどね。
ウソをついて、で、んーと、明るくて、
賢明で、だけど・・・。 |
つねさん |
目のつけ所が鋭くって。 |
ジョージ |
そう、鋭くって。ま、感性が優れて、
センスがあって。 |
ノリスケ |
あんた自画自賛してない?
でもまあ、きっちり描かれてるねー。 |
ジョージ |
そう。それで、なにか自分に
後ろめたいことを言われると、激昂するの。 |
つねさん |
そう。 |
ノリスケ |
ハハハハハハ。わかる〜。 |
ジョージ |
常日ごろは、穏やかで明るいんだけど、
ヘソを曲げると、ものすごく強い。 |
つねさん |
ブリブリ左衛門。 |
ジョージ |
人間として、描かれてるんだよ。
素敵だったよね? |
つねさん |
で、でも、昔みたいにステレオタイプな、
オカマみたいなんじゃなくって、
普通にそのへんにいる、よくある、
あ、もしかして? みたいな。 |
ジョージ |
そうだね。 |
つねさん |
メキシカンだって、そうだったもんね? |
ジョージ |
メキシカンもそうだったよね。 |
ノリスケ |
あれはもっと普通っぽかったよ。
ふつうのオッサンだったもん。 |
ジョージ |
普通っぽかったけど・・・。 |
つねさん |
目、見るとキラキラしてるし?(笑) |
ジョージ |
その、目の泳ぎ方と?
あと、ものすごいキレイ好きなところ?
あれはゲイだよね。 |
ノリスケ |
カウンターの男の子と目配せしちゃうんで、
ジュリア・ロバーツにバレちゃうんだよね。 |
ジョージ |
そう。 |
つねさん |
何が感動したって、
あんな短いヒゲなのに
コームで梳くじゃない? |
ジョージ |
そうそうそうそう。
で、そういうのを考えると、
なんか、すごい良い時代に
ゲイとして生まれたな、と思うよね。 |