ノリスケ |
それで完全によりが戻ったの?
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ジョージ |
なわけないじゃない。終わったのよ。
ところが、終わったはずが……
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ベス |
そこでいったん終わったんだけど、
向こうは向こうで若い子とできたわけ。
で、それが約2ヶ月から4ヶ月続いて。
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ジョージ |
で、しめしめ、と思ったわけだ。
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ベス |
あ〜、これで楽になったなぁ、って思ったの。
そしたら、若い子とできたのに、
彼のデート・スポットは必ず世田谷の某所なの。
これは、僕の住まいの近所なの。
すーごく未練がましいでしょう!?!?
じゃあ、その新しい彼が可哀想じゃん、
って感じで……。で、その若い子も、
それが分かってきちゃって。
だったら別れましょう、って感じになったのね。
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ジョージ |
ハニー的には、振り向いて欲しいから、
若い子とつきあったわけね。
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ベス |
ぜーんぜん僕は関係ないと
思ってたんだけどなあ……
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つねさん |
いや、最終的にそうだったんだよ。
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ベス |
で、困っちゃって。
これでもう、僕はひとりになったんだと思ってたし
僕には他にもパパがいたし!
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ジョージ |
いったい何年ぐらいつきあってんの?
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つねさん |
けっこう長いよね。
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ベス |
通算5年。
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ジョージ |
5年。聞いていただけますぅ?
ウチのふたりより長いんでございますのよ(笑)。
で、5年のね、最初のころはね、
ほんとにね、姉としてですよ、
心をね、悩ませました。
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ノリスケ |
なぜですか?
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ジョージ |
だって、どういうふうにしようか? ね?
このまんま、あんなハニーなんかとね、
つきあわせておいたら、
この子は不幸せになるんではないかしら?
もっともっといい男はいるわけだし、
なんとか更生させてあげたいぞ、
というふうに思っておったんですけれども。
そのうち、なるほど、と。ね?
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ノリスケ |
不幸こそが、この子の幸せなのかも、って?
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つねさん |
割れ鍋に閉じ蓋ってやつ?
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ジョージ |
ベスはベスなりに、愚痴を言うことまで、
幸せのプログラムの中に含まれているんだと。
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ノリスケ |
なるほどね。
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つねさん |
愚痴を噛みしめちゃうんじゃない?
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ジョージ |
そんな感じ。
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ベス |
愚痴が幸せとは感じなかったよ?
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ジョージ |
でもラブラブでしょう? まだ。
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ベス |
も、ぜんっぜん。
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ジョージ |
ありゃ。
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ベス |
ラブラブではないのよ。
いっしょにいるけれども。
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つねさん |
もう落着いてるの?
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ベス |
彼は彼なりに、今はもう落着いてるの。
ただつながってる、って感じ。
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ジョージ |
そうすると、一生のつきあいになるかも知れないの?
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ベス |
でも僕から見たら、
つながったと思ってないわけ。
いつでも別れる気持ちはある。
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ジョージ |
でも、このまんまいくと
ベスの人生にはもれなく
ハニーがついてくるんでしょう?
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つねさん |
ハッハッハッハ!
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ベス |
それはあり得るかも知れないけど。
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つねさん |
それはつながってるってことじゃんね。
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ジョージ |
ほら。ほ〜ら。
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つねさん |
デフォルト? インストール済み?
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ベス |
とりあえずチンチンが趣味だから、それだけ。
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一同 |
(無言)
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ベス |
・・・なんか言ってよ!
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一同 |
(爆笑)
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ジョージ |
みなさ〜ん、オカマも女もいっしょよ。
不幸になるオカマも不幸になる女も(笑)。
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ノリスケ |
いっしょ。
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ジョージ |
他人が考える、ありとあらゆる不幸も、
当事者にとっては、
幸せのスパイスでしかないということ。
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つねさん |
そうだよねー。
でも、そういう人って多いよね。
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ノリスケ |
多いの?
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ジョージ |
ベスのハニーって、
ウソつき?
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ベス |
(遠い目をして)
ウソ? いっぱい。四六時中。
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ジョージ |
今ね、ベスの心象風景が見えたわ!
思い浮かべて下さい。
あのね、片平なぎさが、白い手袋をして、
細ーいパイプを口にくわえて。
亜麻色の髪の毛をそよ風になびかせながら
斜め上30度を見つめて。
遠ーくに目線を持っていって。
「嘘をつかれたことも、あ〜るわよ〜。
毎日のように」って、
悦に入ってる女がひとり、ここにいます。
ほーんとに、ウソをつかれている
自分に酔ったでしょう?いま。
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ベス |
そ・う・よ……(うっとり)。
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一同 |
ぎゃーっ!
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ベス |
ウソってさー、
言葉に出すウソと、
言葉に出さないウソって、あるじゃない?
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つねさん |
あるある。(ジョージさんを指して)
この人、絶対に出さないもん。
(ジョージさんに叩かれて)痛っ。
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ベス |
でも、絶対、あ、ウソついてるな、
と思って。で、自分の生活は、
向こうは、充実してる、って感じだよ。うん。
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ジョージ |
それって、有り体に言えば、浮気っていうこと?
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ベス |
もちろん。
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つねさん |
でもさー、逆に言ったら、
ノリスケさんって、浮気って許せる?
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ノリスケ |
浮気はしてほしくないよ、僕は。
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ベス |
でも、浮気もさ、浮気で押し通せば。
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ノリスケ |
本気になれば
別れようってことになっちゃうじゃん?
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つねさん |
浮気って本気じゃないから?
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ベス |
浮気は、どこで変わるか、わかんないんだよー?
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ジョージ |
そう、全ては浮気から始まるのよ。
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ベス |
そうだよ!
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つねさん |
じゃあ、本気にならない限りは、許せる?
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ノリスケ |
ってことは、浮気から芽を摘んだほうが(笑)。
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つねさん |
でも、摘めないじゃん。
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ベス |
でも、それ、本人にも責任があるわけだよ?
浮気をするっていうことは。
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つねさん |
そうかなあ?
四六時中、いっしょにいるわけには
いかないでしょ。
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ジョージ |
いろんなウソがあると思うんだけど、
ついてる本人が、
自覚をもってつくウソっていうのは、
まだ、いいほうだと思うんだ。
で、ハニーは、そうなんでしょ?
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ベス |
浮気、僕はいいと思うんだよ?
遊ぶなら遊べばいいじゃん?
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ノリスケ |
でも、相手の相手が
本気になるかもしんないじゃん。
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ベス |
相手の相手が本気になった?
あ、それは、けっこうだわ。
僕以上に彼を愛してるんであれば、
譲りますよ、って感じで。
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つねさん |
俺、譲りたくねぇなー。
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ノリスケ |
僕もぜんぜんダメだな。
譲りたくないって思っちゃうな。
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つねさん |
譲りたくないから、浮気ならば、僕、目つぶる。
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ベス |
だから、僕も目つぶってるよ。
もう何にも言わないもん。
知ってるけど、なんにも言わないもん。
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(つづきます)