ジョージ |
不思議なのはね、二昔前のカンタベリーとかね、
今年の夏、チェックだったんだよ。
それって、ふた昔前のPapasなんだよね。 |
ノリスケ |
ふーん。 |
つねさん |
あー。 |
ジョージ |
で、あそこの洋服のテイスト見てると、
もーのすごいPapasを感じるー。 |
ノリスケ |
Papas、早かったね、そういう意味ではね。 |
ジョージ |
早かったよー。っていうことはね、
日本のね、ゲイはけっこう、
誇りに思っていいかも知れない。
だって、むかし、アメリカに行って、
Papasとか着てると、
みんな、聞いてきてたもんね、
これって、どこの服なんだ? って。 |
ノリスケ |
うん、うん、うん。 |
ジョージ |
それで、アジア中から
日本に買いに来てたでしょう?
Papasとかカール・ヘルムとか。 |
ノリスケ |
かわいい男の子の、大きな洋服ね。 |
ジョージ |
そう。 |
ノリスケ |
ふ〜ん。 |
ジョージ |
そうなんだよね。
ずっとあの、んと、
ガーリーな洋服って、あったじゃない? |
ノリスケ |
あった。 |
ジョージ |
だけど、男の子の着る
ボーイッシュな洋服って
なかったんだよね。 |
ノリスケ |
男の子! っていう感じのね。 |
ジョージ |
やっぱ男の子の洋服を着直してなお、
男っぽさを表現する男=ゲイ、
ということだいなっ。 |
ノリスケ |
だいなっ。 |
ジョージ |
そんな感じ。そんな感じよー。
でも、お洋服は、最近買ってないです。
いま気になるお洋服って、どこですか? |
ノリスケ |
コム デ ギャルソン・シャツ。
最近は、ジュンヤ・ワタナベ・
コム デ ギャルソン・マン、が、だーい好き。 |
ジョージ |
ん、そうやって考えたら、
コム デ ギャルソンって
ライク・ア・ボーイじゃない。 |
ノリスケ |
少年のように。っていう、名前だものね。 |
ジョージ |
たぶんね、たぶん、
Papasとかアバ・クロのボーイがね、
変声した後なんだよ。
だけどコム デ ギャルソンは変声前だよね。 |
つねさん |
ギムナジウムっぽい。 |
ジョージ |
性別がまだなくって。 |
ノリスケ |
うん、そう、色気があるようで、なさそうで。 |
ジョージ |
ユリな感じ。 |
つねさん |
ユリかい。 |
ノリスケ |
つぼみなの(笑)? |
ジョージ |
そう。 |
ノリスケ |
‘トーマの心臓’なのね(笑)。 |
ジョージ |
そー、ユリな感じ。ま、朝顔でも可。
朝、咲く前の朝顔。つぼみな感じね。
ちょっと大人の女でなければ、
ここの会話は厳しかったかもわかりませーん。 |
ノリスケ |
大丈夫です。 |
つねさん |
あーそーお? そーね。 |
ジョージ |
そうよね。許してちょうだーい。
でもね、僕もコム デ ギャルソン、
いくつか持ってるけど、僕が着ると、
みんなすごくいやらしくなるって。 |
ノリスケ |
えっ!? |
ジョージ |
みんなが言う。 |
ノリスケ |
なんでだろう? |
つねさん |
戦闘服になっちゃうわけ? |
ジョージ |
たぶんね。すごいヌメヌメしたエッチな僕を、
エッチじゃないものがくるんでるから、
ちょうどあの、
喪服を着ていやらしい未亡人みたいな感じ。 |
ノリスケ |
うはははははは。 |
ジョージ |
だって、喪服っていうのは、
あれほど色気のないものってないわけ。
だからかえっていやらしいのよ。 |
ノリスケ |
あー、そうだよね。 |
ジョージ |
ね? |
ノリスケ |
今シーズンのジュンヤ・ワタナベ・
コム デ ギャルソン・マン、
テーマがさ、スクールボーイなのよ。 |
ジョージ |
じゃ、僕、それを着たらどうなるの? |
ノリスケ |
えらいことになるでしょうね(笑)。
淫乱な男子中学生みたいになるのかしら?
男性教師を誘惑! みたいな? |
ジョージ |
えーらいことになるかー。
着てみようか? 今度。
えーらいこと。そうよね。そんな感じする。 |
つねさん |
でも、ジュンヤは着てる人、よく見るね、最近ね。 |
ジョージ |
うーん、見るね、見る。 |
つねさん |
ピーコさん? |
ジョージ |
着てた、着てた。 |
ノリスケ |
こぶ平が着てるのを見たわ(笑)。
なんだかつらいわ。 |
つねさん |
小倉久寛着てたよ。 |
ノリスケ |
なんでそういうの出してくるのよ!
香取慎吾くんも着てました! たぶん。 |
ジョージ |
でも、そうやって考えると、
川久保玲も渡辺淳弥も元気だけど、
グッチって最近おもしろくないよね。 |
ノリスケ |
グッチおもしろくない。 |
つねさん |
あー。 |
ノリスケ |
どしちゃったの? トム・フォード。 |
ジョージ |
トム・フォードたぶん、
イブ・サンローラン・リブ・ゴーシュばっかり
やってるからだよ。 |
ノリスケ |
力、入れてるよねー。 |
ジョージ |
あれ、すっごいエッチだもん。
欲しいのよ〜〜。でもね、
なにが悔しいって、
グッチにはまだ僕のサイズがあるんだけど、
リブ・ゴーシュには僕のサイズがないの。 |
ノリスケ |
細身なんだよねー。 |
ジョージ |
ニル・バレットも着たいんだけど、
ないのサイズがー。
どんなに運動しても、
あれが着れるような体にはならないわ。 |
ノリスケ |
くやしいね。 |
ジョージ |
くやしー。 |
ノリスケ |
イブ・サンローランは、
イブ・サンローランの遺産が使えるじゃない。
型紙、ばんばん使える、
それを形を変えてくとかって面白さがあって
面白くてしょうがないんじゃないのかな、
トム。と思って。
宮家に嫁に行ったような
面白さがあるんじゃないのかなー、と思って。 |
ジョージ |
そうそう。グッチはもとのないところに、
自分の世界、勝手に構築しちゃったけど、
イブ・サンローランはねー、
やっぱりプレタ・ポルテよりも、
オート・クチュールの世界で
ずーっと生きてきたんでしょー? |
ノリスケ |
デザイナーとしては、面白いと思うよー。 |
ジョージ |
うん、面白いと思うよー。 |
ノリスケ |
でも着れないんだよね。 |
ジョージ |
着れないですー。ねー。
|
(つづきますよ)