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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

このごろどうなの? その8
セレブのまねしちゃ、ダメよ。



ジョージ ほんとに何かのブランドが好きだったら、
お願いだから、買わなくていいから、
1回その、どゆの? 芯の部分? まで、
かじって下さい、みたいな感じよね。
ノリスケ それ知ってて、去年のルイ・ヴィトンの、
グラフィティみたいなのが、かわいいわけだ。
ジョージ うん、そう。
ノリスケ それがないと、あれが意味ない。うん。
ジョージ あのね、あー、そうだ、えーと、
最近けっこう、あの、
着崩しとか流行ってるじゃない?
たとえば、女の子の生足だとか。
ノリスケ うん。
ジョージ んーと、上がけっこうフォーマルなのに、
足だけサンダルだとか。
流行ってるでしょう。
で、あれって、はっきり言って
エレガントじゃないよね。
ノリスケ うん。
ジョージ で、ほんとは昔なら
しちゃいけないことだったでしょう?
で、ルイ・ヴィトンのグラフィティのラインだって、
今のあのアップリケのラインだって、
あれははっきり言って、クズよね。
クズっていうか、捨てられる直前のものでしょう?
ノリスケ ボロ。
ジョージ そう。でもそれがおしゃれになってるじゃない?
ノリスケ うん。
ジョージ で、おしゃれの理由は、
みんな、あれ、あたくしこの言葉、
ほんとは嫌いなんですけど、
セレブリティがそういう格好をなさったり…
ノリスケ だから、中田英寿で流行ったよね。
中田がね、もうバリッバリの格好して、
あの体に、ま、どこのブランドかしらないけど、
キメキメの格好に、グラフィティを
こう(かついで)持ってたんだよ。
ジョージ 上から下までプラダを着て、
まるで香港のオカマのような格好をし、
足元にはルイ・ヴィトンを、
靴下を履かないでお召しになり。
グラフィティを肩からしょって。
そんなねー、土方のおじさんじゃないんだから、
そんな大きなカバンを肩からしょうな!
ね? と思うんだけど、
そういう格好って、
セレブリティがしてるから流行るんだよ。
つねさん あー、そうなんだー。
ジョージ でさ、セレブリティのする格好って、
素人がしていいと思う?
ノリスケ いいわけない!
だって、こないだルイ・ヴィトンのパーティに
あゆは、ノースリーブの毛皮を着てましたよ。
つねさん そうなの?
ジョージ そうだよ。
ノリスケ おそろしい(笑)。すごい格好だったよ!
ジョージ あれね、セレブリティはね、
何をやっても許されるの。
で、しかも、たとえば、
日本には本物のセレブがいないからあれだな…
つねさん アカデミーの授賞式とか、なんか、そうだよねー。
ジョージ うん、たとえばキャメロン・ディアスが、
上から下までクリスチャン・ディオールを着てね、
足元までクリスチャン・ディオールの
いいハイヒールを履いていたら、
みんなは、あ、お金があって有名な人なんだから、
こんな格好するのは、あたりまえね、
って思うわけじゃない?
そういう人が、なんか知んないけど、
ストッキングを履いてないとするわよね。
あれっ? 履き忘れたんだろうか?
いや、彼女のことだから履き忘れるわけはない。
つねさん ということは意図的に…
ジョージ あー、意図的にストッキング履いてないんだ。
これって、流行るかもしれないね、
っていうのがね、セレブがする着崩しだと思うの。
つねさん あと、あれだね…
ジョージ なんだっけ? 知能指数だけ高い女。
つねさん シャロン・ストーン?
ジョージ それ! シャロン・ストーンが、
あなたが今日着てるそのセーターって、
すごく素敵ですね、って。
ベルサーチですか? って言われて、
何言ってんの、これGAPよ、って、
言う格好良さ? 
あ、シャロン・ストーンって、
頭がいいんだ、
やっぱりベルサーチに見えるGAPを選び、
しかもあの人が着たらば、
GAPですらベルサーチに見えるんだー、
って、いう良さがあるわけさ。
つねさん はい。
ジョージ な?
つねさん はい。
ジョージ それを日本人が、そーか、シャロン・ストーンは、
シャネルのスーツの下に、
GAPを着ていいんだ、
おしゃれなんだ…私もユニクロにしよう!
…っていうことをしちゃうと、
松任谷由実になっちゃうわけよ。
なーに勘違いしたんだかね、松任谷由実、
ほんとうに、ユニクロのコマーシャルに出てから
いいことないよね。
ノリスケ ハハハハハハ。出てからかな?
ジョージ あ、ユニクロのせいじゃありませんでしたっ。
出る前からよね(笑)。そう。そんな感じー。
ジョージ だから、なんか、今の子たちってね、
着崩す前に、しっかり着なさいよって、ね?
すごいもん。だって、サロン的お店ね、
わたくし最近あの、
サロン的お店が多いんですけど。
つねさん あの、お食事。
ジョージ お食事の場所で、サロン的っていうと、
だいたい、20席から30席そこそこで、
オーナーシェフがおやりになってらっしゃって、
ま、ちょとあの、気の強いマダムかなんかが
お立ちになってらっしゃり?
で、座ると、あの、1番高額指定が、
ポーンと座っただけで、みたいな感じの、
ま、レストラン。隠れ家風のね。
隠れ家風というか、隠しておきたいから
隠れちゃってるっていう、感じのお店にね、
ノースリーブで香水つけてねー。
しかも、スリッパみたいな靴履いてね、
やってくるの、女が。
ちょっとねー、間違ってるだろーなーって。
思うのさ、これがー。
ノリスケ 胸毛を抜きながら言わないの(笑)。
ジョージ ちょっと気になったの、これが。
最近、あの、雑誌とか見てるとね、
いちばん笑えるのが、
読者セレブっていう(笑)あの言葉?
読者セレブよ。
ノリスケ あり得ない。
ジョージ なに、それは? って。
で、もうひとつが、
「隠れ家レストランで、あなたも常連」。
つねさん なんなのそれ(笑)。
ジョージ これ、組み合わせると、
なんちゃってな読者セレブくらいの人たちが、
ほんとうの美食家が隠しておきたいところに
ズカズカと入って、
常連面をすることをお勧めしているという。
ノリスケ 雑誌がね。
ジョージ はーっ、だまされてはいけませんっ!
つらいー。つらいー。
なにがつらいと言ってですよ、
その、そういう間違った常連面を
してしまっている人たちが、
思いっきりお店の人たちからバカにされて、
二度と来なくていいわよ、
っていう対応を受けてるところを見る、
ということが、多い! というこのつらさ。
なんで、このつらさを
にこやかに喋るのかしら? あたしー。
つねさん たとえば、どういうやつ?
(ん? つづきます)

2002-10-04-FRI

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