ジョージ |
ほんとに何かのブランドが好きだったら、
お願いだから、買わなくていいから、
1回その、どゆの? 芯の部分? まで、
かじって下さい、みたいな感じよね。 |
ノリスケ |
それ知ってて、去年のルイ・ヴィトンの、
グラフィティみたいなのが、かわいいわけだ。 |
ジョージ |
うん、そう。 |
ノリスケ |
それがないと、あれが意味ない。うん。 |
ジョージ |
あのね、あー、そうだ、えーと、
最近けっこう、あの、
着崩しとか流行ってるじゃない?
たとえば、女の子の生足だとか。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
んーと、上がけっこうフォーマルなのに、
足だけサンダルだとか。
流行ってるでしょう。
で、あれって、はっきり言って
エレガントじゃないよね。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
で、ほんとは昔なら
しちゃいけないことだったでしょう?
で、ルイ・ヴィトンのグラフィティのラインだって、
今のあのアップリケのラインだって、
あれははっきり言って、クズよね。
クズっていうか、捨てられる直前のものでしょう? |
ノリスケ |
ボロ。 |
ジョージ |
そう。でもそれがおしゃれになってるじゃない? |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
で、おしゃれの理由は、
みんな、あれ、あたくしこの言葉、
ほんとは嫌いなんですけど、
セレブリティがそういう格好をなさったり… |
ノリスケ |
だから、中田英寿で流行ったよね。
中田がね、もうバリッバリの格好して、
あの体に、ま、どこのブランドかしらないけど、
キメキメの格好に、グラフィティを
こう(かついで)持ってたんだよ。 |
ジョージ |
上から下までプラダを着て、
まるで香港のオカマのような格好をし、
足元にはルイ・ヴィトンを、
靴下を履かないでお召しになり。
グラフィティを肩からしょって。
そんなねー、土方のおじさんじゃないんだから、
そんな大きなカバンを肩からしょうな!
ね? と思うんだけど、
そういう格好って、
セレブリティがしてるから流行るんだよ。 |
つねさん |
あー、そうなんだー。 |
ジョージ |
でさ、セレブリティのする格好って、
素人がしていいと思う? |
ノリスケ |
いいわけない!
だって、こないだルイ・ヴィトンのパーティに
あゆは、ノースリーブの毛皮を着てましたよ。 |
つねさん |
そうなの? |
ジョージ |
そうだよ。 |
ノリスケ |
おそろしい(笑)。すごい格好だったよ! |
ジョージ |
あれね、セレブリティはね、
何をやっても許されるの。
で、しかも、たとえば、
日本には本物のセレブがいないからあれだな… |
つねさん |
アカデミーの授賞式とか、なんか、そうだよねー。 |
ジョージ |
うん、たとえばキャメロン・ディアスが、
上から下までクリスチャン・ディオールを着てね、
足元までクリスチャン・ディオールの
いいハイヒールを履いていたら、
みんなは、あ、お金があって有名な人なんだから、
こんな格好するのは、あたりまえね、
って思うわけじゃない?
そういう人が、なんか知んないけど、
ストッキングを履いてないとするわよね。
あれっ? 履き忘れたんだろうか?
いや、彼女のことだから履き忘れるわけはない。 |
つねさん |
ということは意図的に… |
ジョージ |
あー、意図的にストッキング履いてないんだ。
これって、流行るかもしれないね、
っていうのがね、セレブがする着崩しだと思うの。 |
つねさん |
あと、あれだね… |
ジョージ |
なんだっけ? 知能指数だけ高い女。 |
つねさん |
シャロン・ストーン? |
ジョージ |
それ! シャロン・ストーンが、
あなたが今日着てるそのセーターって、
すごく素敵ですね、って。
ベルサーチですか? って言われて、
何言ってんの、これGAPよ、って、
言う格好良さ?
あ、シャロン・ストーンって、
頭がいいんだ、
やっぱりベルサーチに見えるGAPを選び、
しかもあの人が着たらば、
GAPですらベルサーチに見えるんだー、
って、いう良さがあるわけさ。 |
つねさん |
はい。 |
ジョージ |
な? |
つねさん |
はい。 |
ジョージ |
それを日本人が、そーか、シャロン・ストーンは、
シャネルのスーツの下に、
GAPを着ていいんだ、
おしゃれなんだ…私もユニクロにしよう!
…っていうことをしちゃうと、
松任谷由実になっちゃうわけよ。
なーに勘違いしたんだかね、松任谷由実、
ほんとうに、ユニクロのコマーシャルに出てから
いいことないよね。 |
ノリスケ |
ハハハハハハ。出てからかな? |
ジョージ |
あ、ユニクロのせいじゃありませんでしたっ。
出る前からよね(笑)。そう。そんな感じー。 |
ジョージ |
だから、なんか、今の子たちってね、
着崩す前に、しっかり着なさいよって、ね?
すごいもん。だって、サロン的お店ね、
わたくし最近あの、
サロン的お店が多いんですけど。 |
つねさん |
あの、お食事。 |
ジョージ |
お食事の場所で、サロン的っていうと、
だいたい、20席から30席そこそこで、
オーナーシェフがおやりになってらっしゃって、
ま、ちょとあの、気の強いマダムかなんかが
お立ちになってらっしゃり?
で、座ると、あの、1番高額指定が、
ポーンと座っただけで、みたいな感じの、
ま、レストラン。隠れ家風のね。
隠れ家風というか、隠しておきたいから
隠れちゃってるっていう、感じのお店にね、
ノースリーブで香水つけてねー。
しかも、スリッパみたいな靴履いてね、
やってくるの、女が。
ちょっとねー、間違ってるだろーなーって。
思うのさ、これがー。 |
ノリスケ |
胸毛を抜きながら言わないの(笑)。 |
ジョージ |
ちょっと気になったの、これが。
最近、あの、雑誌とか見てるとね、
いちばん笑えるのが、
読者セレブっていう(笑)あの言葉?
読者セレブよ。 |
ノリスケ |
あり得ない。 |
ジョージ |
なに、それは? って。
で、もうひとつが、
「隠れ家レストランで、あなたも常連」。 |
つねさん |
なんなのそれ(笑)。 |
ジョージ |
これ、組み合わせると、
なんちゃってな読者セレブくらいの人たちが、
ほんとうの美食家が隠しておきたいところに
ズカズカと入って、
常連面をすることをお勧めしているという。 |
ノリスケ |
雑誌がね。 |
ジョージ |
はーっ、だまされてはいけませんっ!
つらいー。つらいー。
なにがつらいと言ってですよ、
その、そういう間違った常連面を
してしまっている人たちが、
思いっきりお店の人たちからバカにされて、
二度と来なくていいわよ、
っていう対応を受けてるところを見る、
ということが、多い! というこのつらさ。
なんで、このつらさを
にこやかに喋るのかしら? あたしー。 |
つねさん |
たとえば、どういうやつ?
|
(ん? つづきます)