ノリスケ |
ところでニューヨーク久しぶり? |
ジョージ |
久しぶり。 |
つねさん |
久しぶりだよ。 |
ジョージ |
9・11以降初めて。 |
ノリスケ |
1年半ぶりか。 |
ジョージ |
行って来ました、
グラウンド・ゼロ。ね。 |
つねさん |
あ、行って来た。うん。
何かね、何もないと思ったけど
やっぱ泣いちゃったね。
何も思わないと思ったの。 |
ノリスケ |
圧倒的なんでしょうね。 |
ジョージ |
あのね、行くまではねけっこうね、
アメリカさんがあんだけのこと
やったんだから仕方がないんじゃないの?
って思うけどね。 |
ノリスケ |
評論家みたいに思う。 |
ジョージ |
思うけどね、やっぱりね、
見るとね、
ああなくなったんだあと思うね。
あれをもし東京で、
丸ビル‥‥じゃないな、 |
つねさん |
東京タワー? |
ジョージ |
でもないな。 |
ノリスケ |
もうちょっと身近にさ、
自分たちの友だちが勤めてる
可能性があるようなビルだよね。 |
ジョージ |
新宿伊勢丹。 |
ノリスケ |
あ。 |
ジョージ |
伊勢丹を中心として、その周りががっぽり、
なくなったら? |
ノリスケ |
それは、とってもよく分かるけど、
人にはわからないと思うわ〜。
でもよく分かるわ〜。 |
ジョージ |
伊勢丹が爆破されるの。
しかも時間帯はね、土曜日の夕方のね、
5時半くらい。 |
ノリスケ |
それは自分がいる可能性があるわね。 |
ジョージ |
自分がいる可能性もあるし、
たぶん2丁目のママの
10人や20人くらいは
そこでつぶれて亡くなるだろうし。 |
つねさん |
そうね。 |
ジョージ |
そして、丸ノ内線がなくなるんだよ。 |
ノリスケ |
なくなる。 |
ジョージ |
丸ノ内線で郊外に
出れなくなっちゃうの、悲しいー。 |
ノリスケ |
郊外の子も遊びに来れなくなっちゃう。 |
ジョージ |
コムデギャルソンもなくなるの。 |
ノリスケ |
青山の本店があるわ(笑)。 |
ジョージ |
どうしようーと思うんだよね。 |
ノリスケ |
そうだよねえ。 |
ジョージ |
あそこでお買い物をしていた
日々の思い出とかね、
そういうのもみんななくなるんだと思うとね。 |
ノリスケ |
なくなっちゃうんだよねえ。 |
ジョージ |
まあ、それと
ワールド・トレード・センターを
いっしょくたにしてしまう
私たちは罰当たりかもしれないんだけど。 |
ノリスケ |
ちょっとね。でも例としてすごい分かりやすかった。 |
つねさん |
損失感がね。 |
ジョージ |
ん、だからみなさんの街の一番身近な、
人気のある場所が
一つなくなったと思ってください。
岡山でいうと天満屋とか。 |
ノリスケ |
福岡でいうと岩田屋とか、
仙台でいうと藤崎とか。 |
つねさん |
大阪でいったら…。 |
ジョージ |
ひっかけ橋(笑)?
グリコの看板がワシャーンって。 |
ノリスケ |
あの辺りが1km四方ぐっとえぐられて、
漂流教室みたいになっちゃったりした感じなのね。 |
ジョージ |
そんな感じ。
そいでね、せつないね、
悲しいとかじゃなくてね、
ああほんとになくなったんだあと思いました。
連れてってくれたガイドのおネエさんが
‥‥泣くんだよ。 |
つねさん |
何も言わなかったけどね、
知り合いがほんとに勤めてて、
そこで亡くなったんじゃないかなって思った。 |
ジョージ |
地下全部掘って骨とか全部出してわけくるでしょ?
そうすると正式に発表されなかった
身元知れずの骨とかが
1000人分くらいあるんだって。 |
ノリスケ |
そうでしょうねえ。 |
ジョージ |
不法入国の人たち。 |
ジョージ |
伊勢丹でもそうなると思う。
どこの馬の骨か分かんないような、
男の骨か女の骨か分かんないような。 |
つねさん |
男だったか女だったか分かんないような(笑)。 |
ジョージ |
なんか、久しぶりのニューヨーク。
でもね、何か元気はもらって来たよね。
やっぱりね。 |
ノリスケ |
今年は行こう。 |
ジョージ |
うん。いいと思うよ。 |
つねさん |
あ、今年行くならあれを見に行ってよ。 |
ジョージ |
ヘアスプレーっていうミュージカルと、 |
つねさん |
ラ・ボエム。 |
ジョージ |
ムーラン・ルージュの監督の
バズ・ラーマンが、初めて舞台、
ミュージカルを演出したのよ。 |
ノリスケ |
それおもしろそう。 |
ジョージ |
ムーラン・ルージュの原作が、
ラ・ボエムじゃない。 |
ノリスケ |
はい。 |
ジョージ |
その原作を、そのまんま
ムーラン・ルージュ仕立てで
ミュージカルにしたラ・ボエムっていうのが、
もうかかってます。いいと思います。 |
ノリスケ |
チケットはどうやって取ったの?
日本で取ってったの? |
ジョージ |
日本で。 |
ノリスケ |
旅行代理店とかに頼んでたの? |
ジョージ |
代理店に。
「分かってんでしょうねえ、
いい席じゃなかったら知らないわよ、
来年の仕事」。 |
つねさん |
でもあれ、ネットとかでチケット取れるよ。 |
ノリスケ |
どこに泊まったの? |
つねさん |
W(ダブリュー)。 |
ノリスケ |
あの、新しいW? |
ジョージ |
そう、タイムズ・スクエアの。 |
ノリスケ |
はい。あたらしいところですね。 |
ジョージ |
よかったよー。
すごいよかった。
着いた日がね、
ハロウィンの日だったの。 |
つねさん |
でね、ホテルの人たちが
夕方までは普通のかっこしてたのに
夕方過ぎたらね、 |
ジョージ |
ハロウィンの扮装して!
バーの女の子がミニスカートで
カウボーイのかっこになって、
おっぱいのところが電飾で
チカチカチカチカしてるの。 |
ノリスケ |
ふんふんふんふん。ほどよい。 |
ジョージ |
そうかと思うと、
コンシェルジュの子が
口から血のり吐いてたりするの。
コンシェルジュデスクに座って、
ボコボコボコボコ血のり吐いてたの。 |
ノリスケ |
うはははは。 |
つねさん |
よかったよね、おもしろかった。
すごいおしゃれだった。 |
ノリスケ |
へえ。 |
ジョージ |
でね、グループっていうか、
6人なんて人数でWに泊まったの
初めてだったの。よかったよ。
コンシェルジュの子たちもね、
何がよかったって、
チェックインする時にね、
普通だったら何泊泊まるんですかって
聞くじゃない。そしたらね、まず一番最初に
「お帰りなさい」って言ってくれて、
「今回は何日住むんですか?」って言うの。 |
つねさん |
stayじゃないんだよね。 |
ジョージ |
liveなの。live here。
で、3日って言ったら、
あーん、今度はいつ帰ってくるの?
って聞くの。 |
ノリスケ |
ああ、うまいねえ。 |
ジョージ |
そう、すごいよかった。 |
つねさん |
いやらしくなかったよね、言い方がね。 |
ジョージ |
うん。それで、飛行場に行くのに
コンシェルジュのプチかわいい男の子に、
「あさって帰るんだけど、
JFKまで行くのに何時に出ればいい?」
って言ったら、
あなたはハリウッドスターのように
エレガントに帰りたいのか、
それとも日本のビジネスマンのように
帰りたいのかって言われて。 |
ノリスケ |
また、ファビュラスな。 |
ジョージ |
素敵でしょ?
「僕のこと見て、どういうふうに思うの?」
って聞いたら、うーん、
ハリウッドスターは無理かもしれないけど、
香港の映画スターのように
お帰りになりますかって。 |
ノリスケ |
うはははははは。 |
ジョージ |
んー、そんな感じでお願いって。
「ハリウッドスターだったら
ヘリポートなんだけどな、
ちょうどこの上にあるし」とかって。
「うちのホテルでリモ1台用意するけど、
申し訳ないけど月曜の朝だから
1時間半くらい前に
ここを出るように覚悟しといて」って。
あ、どうもありがとう。それで十分。
「日本のビジネスマンだったらどうだったの?」
っつったら、
「何にもしませんよ。
表に出てタクシーを拾えば
それでいいんです」
とかって言われたの。
日本人はそういうふうに思われてますう。
ま、プチジョークな感じ。 |
ノリスケ |
ま、でもそりゃそれで
いいんじゃないですか? |
ジョージ |
うん。 |
ノリスケ |
日本人ビジネスマンで
Wに泊まる人っているのかいな。 |
ジョージ |
いないでしょうね。 |
ノリスケ |
いないでしょう。 |
ジョージ |
でもね、かっこいい子は
いっぱい泊まってたよね。 |
ノリスケ |
高い? |
ジョージ |
インターネットでいろいろ調べたら
けっこうけっこう安いよ。
特にウインターパッケージ
1泊$125くらいで泊まれる。 |
ノリスケ |
ホテル選びってさ、どういうふうにしてるの?
立地とさあ、そのホテルの個性とさあ。 |
ジョージ |
その時の旅の目的。 |
ノリスケ |
今回は? |
ジョージ |
今回のテーマが“クール”だったんだよ。
Cool で Hip。 |
ノリスケ |
なるほどね。 |
ジョージ |
しかもビジネストリップなんだよね。
いろいろいろんなとこ見に行ったり。 |
ノリスケ |
うん。お客さん連れて。 |
ジョージ |
どういうビジネスマンかっていうと
新しいトレンドとか
マーケティングとかを見に行く、
芸能関係のクライアントをいっぱい持ってる
広告代理店の人たちが
もし旅行するとしたら
どんな感じになるのかなっていうのを
思いながら。
だから行く前からけっこう
邪魔にならない人たちばっかりで、
誰も、旅程はどうなってるんですかとか、
どこでどういうふうに飯食うんですかって
いうふうに言われるとね、すごい嫌なんだよね。
だけどその人たちは、
どんなかっこして行けばいいんですかとか、
洋服はどうすればいいんですかとか
言ってくれる人だったんです。 |
ノリスケ |
楽しみにしてるのね。 |
ジョージ |
そういう旅行にしようと。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
で、ドレスコードは黒。 |
ノリスケ |
便利だしね。 |
ジョージ |
向こうの代理店の人たち、
エージェントの人たちがするようなかっこ?
ネクタイをしてもしなくても、
さまになるかっこを、
ドレスコードにしましょう。 |
ノリスケ |
つねさん、持ってないじゃん。 |
ジョージ |
買ったのよ! |
ノリスケ |
作ったっていうんじゃないの? |
つねさん |
ううん、買ったの。
伊勢丹の5階。
大きいサイズのコーナー。
スーパーメンズ。 |
ノリスケ |
都会には便利なものがあってね。 |
ジョージ |
そ。便利なものがあるんでこざいますのよ〜。
11月の初めってコートはいるでしょ?
コートとスーツと、シャツを何枚か。
テーマはね、イタリア系デブっていうのが
テーマだったの。 |
ノリスケ |
ドゥエ・ボットーニにして?
ちょっと開けて。 |
ジョージ |
そして、スリーピース。
でもね1個失敗があってね。
靴。 |
ノリスケ |
靴どうしたの? |
つねさん |
革靴いい靴買ったんだけど、
履き慣れてなかったから
歩けない歩けない、もう。 |
ノリスケ |
革底? |
ジョージ |
ビブラムだったんだけど。 |
ノリスケ |
ビブラムだったら歩きやすいはずなんだけどね、
合わなかったんだね、じゃあね。
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