ジョージ |
海外旅行の時は、旅行する前に
シミュレーションするの。
そのシミュレーションも
自分達のシミュレーションじゃないんだよ。
要は旅行ってバーチャルな
自分の人生を作るようなもんでしょ? |
ノリスケ |
うん。オシャレと一緒だね。 |
ジョージ |
そう。で、僕という人が
海外に行ってどうしようって思うと、
どんどんどんどん現実的になっちゃうんで。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
例えば、僕がエージェントの
会社を経営していて、
架空の20代くらいの男の子の社員と
ものすごいビッグビジネス
持って来てくれそうなお客さんと
一緒にニューヨークに行くとしたら、
どういうかっこして行って
どういうホテルを選んでって
いうふうに考えると、
すっごいおもしろーい
ツアーパッケージができるの。
僕個人的に行く時には
絶対Wには泊まらない。 |
ノリスケ |
フォー・シーズンズとかそっち系だよね。 |
ジョージ |
特にビジネスで泊まる場合には
Wに泊まってますって言うと
多分僕の仕事はうまく行かないんで、
フォー・シーズンズかリッツ・カールトンでしょ?
で、個人的に行くとしたら、
セントレジスあたりに
泊まるんだろうなって思うんだ。 |
ノリスケ |
うーん。 |
ジョージ |
僕たちのハネムーンの時、
フォーシーズンズだったもんねー。 |
つねさん |
はい。 |
ジョージ |
だから今回は本当に
ヒップでクールでガンガンみたいな感じ。 |
つねさん |
でもかわいかったね。
部屋かわいかったしねえ。
普通さあ、入ったらチョコレートか
何か置いてあるじゃん。 |
ノリスケ |
うん。 |
つねさん |
代わりにね、テディベア。 |
ジョージ |
ちっちゃーいの。あるよ、うちに。 |
ノリスケ |
昔、コンラッドがそれやってた。 |
つねさん |
あ、そうなんだ。 |
ジョージ |
そうそう、コンラッドは
アヒルとテディベアだったんだよね。
お風呂に入ると。 |
ノリスケ |
そうそうそうそう。
あれ、粋な計らいだった。 |
ノリスケ |
かわいいよね。 |
つねさん |
かわいい。
とってあるから、
くまちゃん今度あげるね、1個ね。 |
ノリスケ |
ちょうだいちょうだい。
スイート? |
つねさん |
ううん、この人がスイート。 |
ノリスケ |
あ、ビジネストリップだと
同じ部屋泊まりにくいね。 |
ジョージ |
そう、この人は一番安い部屋。 |
ノリスケ |
噛ませ部屋にしといて(笑)。 |
ジョージ |
私がスイート。 |
つねさん |
すいません。部屋で寝てません(笑)。 |
ジョージ |
けっこう楽しかった。
レストランもそういう人たちが
向こうで食事をするとしたら
どういうところを使うんだろうなっていうんで、
けっこうおもしろげなところ中心だったよ。 |
ノリスケ |
ほんと? どんなところ行った? |
つねさん |
うーん、キューバ料理屋さん。
アメリカでセビーチェが
ブームになるきっかけ作ったとこ。 |
ノリスケ |
セビーチェって
キューバじゃなくてペルーだけど、
キューバもマグロのお刺し身とか食べるもんね。 |
ジョージ |
そこは中南米料理と
アメリカのサウスウエストの
料理なんでしょうね。 |
ノリスケ |
いっしょくたっぽいね。 |
ジョージ |
そう。あとはね、
チャンバー・ホテルっていう
ブティックホテルだね、ちっちゃーいね。
そこのメインダイニングのタウンっていうとこ。
かっこよかったー。
何がかっこよかったってね、
ウエイターがね、デビッド・ボウイみたいでね。
予約してあって、ファーストゲストだったんだよ。
そのあとミュージカル見なきゃいけなかったから、
あんまり時間の余裕がないんですけど
どうとかこうとかって言いながら、
けっこうそういうおしゃれ系のかっこを
みんなしてるわけでしょ。
そうするとね、エントランスの
レセプションの男の子が、
あの男の子もチャーミングだったよね。
イーサン・ホークみたいな感じの
かっこいい男の子で、
その子がこうやって(下から上まで)見て、
日本の旅行代理店から予約が入ってたんで、
心配してたんだけれども、
すごいクール、みんなクールって言ってくれて。 |
ノリスケ |
よかったね。 |
ジョージ |
一番いいテーブルを今晩用意するって。
時間があんまりないんだったら、
No.1のウエイターをつけてあげるからねって。
で、ダイニング通されて、
やっぱりすごくいいテーブルで。
ホール全体が見渡せてすごくいい席で。 |
つねさん |
そうだねえ。 |
ジョージ |
で、そのね、デビッド・ボウイみたいな
かっこいいおじちゃんがね、 |
つねさん |
40半ばくらいの。 |
ジョージ |
てーっと来て、
素晴らしいアタイア(attire)ねって。
着ているもの、ドレスだけじゃなくって、
発散している雰囲気が
このテーブルは素晴らしいって! |
つねさん |
オカマ冥利に尽きるわ〜〜〜!
今日はこのテーブルを担当させていただいて、
とっても幸せ、みたいな。 |
ジョージ |
そういうこと言われると
1%プラス、2%プラス、
3%プラスみたいなかんじになるんだけど。
おばかさんだから。
だけど、もっと言って言ってみたいな感じでね。
けっこう盛り上がったのね。 |
つねさん |
盛り上がった盛り上がった。 |
ジョージ |
そう、ま、料理はね、
料理はアメリカの料理だしな、
っていう感じなんだけど、 |
ノリスケ |
男ばっかり?
男ばっかりで東洋人で、
黒づくめで行ったのね。
かえっていいね。 |
ジョージ |
僕たちはホモだけど、
他の4人はみんなノンケさんなんだけど、
もう限りなくゲイテイストに近い人。
やっぱりね、あの僕らがつきあって
うっとおしくない邪魔じゃない男の子たちはね、 |
ノリスケ |
少ないよー。 |
ジョージ |
そう。で、そういう男の子たちは
世界に出しても恥ずかしくないの。
だってさあ、男6人で行って、
1回もねおネエちゃんがいるところに
行きましょうって言わないんだよ。
誰も言わないんだよ。
こっちは心配になるわけじゃない。
今晩どうしましょうかって言うと、
いい。普通のバーに行って飲めばいいとか、
あるいはどっかのクラブに行ってくるからって
平気で言うんだよ。
ああいうのはね、いいね。 |
つねさん |
いいね。 |
ジョージ |
で、彼等の持論はね、
日本にいて遊んでないようなことを
海外に行ってやろうとしたって
失敗するだけなんだから、
日本の生活と、日本で楽しんでるのと
まったく同じことを向こうでやれば、
絶対楽しいに決まってるって言うの。
その通り。だからね、
日本のおじさんたちの一番いけないところは、
日本で遊べない分海外で取り戻そうとするでしょ? |
ノリスケ |
そうね。 |
ジョージ |
あれは最悪なんだよ。 |
つねさん |
ああ。そっかそっか。 |
ノリスケ |
だからああなっちゃうんだねえ。 |
ジョージ |
で、女の子たちっていうのは
日本で楽しんでるから
海外でもその楽しみをしようとするんだけど、
それはね、間違ってはないんだけど、
ただ日本の楽しみのほとんどが、
エステにショッピングに
レストランっていうのがねえ。
海外の20代の女の子は、
楽しみはエステにショッピングに
レストランじゃないんだよ。 |
ノリスケ |
そりゃ40代だ。 |
つねさん |
30、40だよね。 |
ジョージ |
なんだよね。だからそれを
20代の女の子が海外でしようとするから。 |
つねさん |
バカにされる。 |
ジョージ |
ちょっとねえ。 |
つねさん |
違う。 |
ジョージ |
だから20代は20代で
違う楽しみ方を
逆に日本でトレーニングして海外に行くと
もっとプリティな海外旅行になるかな、
と思うよ。
でも20代の楽しみってどんななんだろう。 |
ノリスケ |
街を歩いたり、
美術館に行ったりすることなんじゃないの? |
ジョージ |
美術館だよねえ、絶対美術館だよー。 |
ノリスケ |
できるだけお金をかけずに
自分に吸収できるものを
探すのが20代じゃないの? |
ジョージ |
そうそうそうそう、ぜーったいそう。 |
ノリスケ |
だから別にショッピングでもいいんだけど、
買うのが目的というよりは。 |
つねさん |
うん。見たりとかね。
どんなんがあるのかなって。 |
ノリスケ |
見て歩く。だから20代の旅って
歩くのが楽しいよね。 |
つねさん |
そうだね。 |
ノリスケ |
点で移動するとおもしろくないんだよね。 |
つねさん |
ふーん。 |
ノリスケ |
全部線で移動しないと、
寄り道できないからおもしろくないよ。 |
つねさん |
うんうん。 |
ジョージ |
うん。絶対そう20代って。ね。
で、美術館はね、行けば行くほどね。 |
ノリスケ |
どっか行ったの? 今回。 |
つねさん |
今回はメトと近代。 |
ジョージ |
MoMAのクイーンズ。 |
つねさん |
うんうん。 |
ジョージ |
メトはね、秘密の場所が一つあるんだよね。
みんな美術館に行くとね
絵を見ることをするの。
だけどね、絵ってね。
…私の秘書がですね、
言い得て妙なことを
おっしゃったことがあるんですけどね、
けっこう昔は昔で僕は美術館に行くと
ガツガツガツガツしてたの。
1枚でも多く絵を見なきゃいけないとか。
で、特に誰か連れて行くと
ガイドさんになっちゃって、
この絵はなんたらこうたらで、
これがあったからこの横の絵が
こうこうとかいうのを、
ずーっと言って回らなきゃいけないって
思ってたんだよ。
それはそれでまた楽しいんだけど、
そん時にその女の子が、
展示室を斜めに歩き始めたんだよ。 |
つねさん |
うん。 |
ノリスケ |
突っ切って。 |
ジョージ |
そう。何で? 何で見ないの?って言ったら、
だって教科書に全部載ってる
絵だもんって言われて、
あーそうなんだ。
そういう言い方もあるよねって。 |
ノリスケ |
まあね、なくはないわな。 |
ジョージ |
そう。 |
つねさん |
違うんだけどね(笑)。 |
ノリスケ |
いいけどね。 |
ジョージ |
だけどね、その子を連れて行って
ものすごい感動された場所が1カ所あるんだよ。 |
つねさん |
メトでねえ、実は屋上があるんですあそこ。
みんな行かないよね。 |
ジョージ |
みんな行かない。 |
ノリスケ |
僕も行ったことない。 |
ジョージ |
これね、屋上に行くエレベーターが
見つかりにくい場所にあるの。 |
ノリスケ |
ふーん。 |
ジョージ |
で、その館内の案内書にも
ほとんど書かれてないんだよね。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
だけど、屋上庭園があって、
屋上庭園に近代彫刻が
いくつか置いてはあるんだけどだけどね、
セントラルパークの全容が見れる。 |
ノリスケ |
なるほどね。 |
つねさん |
そう。で、セントラルパークの
向こうに、街が。 |
ジョージ |
ダコタハウスが真正面にあってって
場所なんだよ。 |
つねさん |
うん。すんごいいいよね。 |
ジョージ |
それはね、セントラルパークで
一番景色のいい場所。 |
ノリスケ |
ふーん。あ、それは知らなかった。 |
ジョージ |
1回目に行った時、春だったんだよね。
春の目線の景色とこの前行った時の
秋の景色は全然違うね。 |
つねさん |
違ったね。 |
ジョージ |
うん。 |
ノリスケ |
行きたい。 |
ジョージ |
もう1回この景色見に来ようねって言える場所。
|