ジョージ |
旅行行く前にね、
今東京のレストランシーンって
まるで海外旅行みたいな
レストランがいっぱいあるでしょ?
そういうとこ行って、
修行積むのもいいかなと思うね。
ただただ雑誌見て、
新しいお店があるから行ってみようかなって
思って行って帰ってくるんじゃなくて、
例えば憧れのパリに行くのよっていう時に、
今日の外食はパリな気分で
行ってみましょうみたいな感じで。
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つねさん |
ああ、服装から。
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ジョージ |
そういうお店を選んで行くのも
いいかなと思うもん。
そう。もう絶対にね、
鼻曲がりそうな香水は着けてかないでちょうだい。
あとあの、レストランに行く時は
おなか空かしてから来てちょうだい。
この前すごいのがいたのよ。
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ノリスケ |
どこで?
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ジョージ |
最近かわいがっていただいてる
麻布十番の某イタリアンレストラン。
12月28日。営業が終わる前の日。
行ってたまたま満席で、
僕達が片側に老夫婦、
もう片側に6人くらいの
上司と部下みたいな会食。
老夫婦はね、邪魔じゃなかったんだよ。
邪魔じゃなかったんだけど、
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つねさん |
ちょっと悲しかったのよ。
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ジョージ |
いろんなものをお母さんは勧めるわけよ。
要は初めてのお客さんには
自分のお店を好きになってほしいと思うから
一生懸命食べてほしいものを言うんだけど、
何を言っても
今日はお腹が空いてませんからって断るのよ。
で、お腹が空いてないんだったら
ちょっとずつ量を加減して、
少なめにしてあげるから
とりあえずこれとこれとこれは
頼んでくださいって。
で、頼んで食べてたんだけど、
途中でキャンセル。
もうおなかいっぱいになりましたからって。
それはそれでよしと。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
で、先に帰りました。ね。
で、もう反対側のグループ。
これがね。男4人、女2人。
その日の売り物がニョッキでした。
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ノリスケ |
はい。
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つねさん |
すっっっっごくおいしいの。
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ジョージ |
ジャガイモのニョッキ。
ふわふわくにゅくにゅのニョッキ。
それを頼んだの、お勧めだったからって言って。
でね、一口食べてね、
女がこう言いました。
「私嫌い、このくにゅくにゅの食感」
頼むな。
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つねさん |
それそれ(笑)。
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ノリスケ |
ニョッキはそういうもんだよ。
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ジョージ |
あんたはニョッキを知らないで
ニョッキを頼んだんかい?
でね、ずっと背中丸めてね、
犬食いのように
むしゃむしゃむしゃむしゃ食ってるの。
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つねさん |
それそれ。
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ジョージ |
それが1人。無口ね。暗め。
もう1人はね、ケラケラ笑うの。
ケラケラ笑うのがゲハゲハになって、
最後はガハハハハって。
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ジョージ |
お母さん、近付いてきました。
ごめんなさいね。ジョージさん、
今日はへんてこりんなテーブルでごめんなさい。
先にお帰りになった方は陰気くさいし、
今、横で、あのテーブルはうるさくって。
邪魔でしょ? って。
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ノリスケ |
レストラン経営は大変だね。
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ジョージ |
わはははって感じ。
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ノリスケ |
だってさあ、そんなんばっかだよ。
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ジョージ |
それでね、マダム。
最初に帰って行った老婦人、
かなり金持ちっぽいんだよ。
ハイヤー呼んでたでしょう。
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つねさん |
あ、呼んでた呼んでた。
ハイヤーじゃなきゃ嫌って。
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ジョージ |
そう。黒塗りハイヤーじゃなきゃ嫌って。
で、名字を言ったの。
誰それですって。
どこそこに電話をかけて誰それですって
言っていただければ、
黒塗りのハイヤーが絶対来るはずだからって。
‥‥来るんだよ。
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ノリスケ |
ほおー。
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つねさん |
来たねえ。
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ジョージ |
そう。なのに、ママ。
二度と嫌だわ。
あの人から電話があったら
うちはいつも満席ってことにしちゃいましょー
とかっつってんの。
お金じゃないの。
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つねさん |
お金じゃない。
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ジョージ |
お金じゃないの。
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ノリスケ |
お金じゃないんだ。
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ジョージ |
気、使うもんねー。ね。
好かれようと思って。
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
でも歯に衣着せずいろいろ言うけどね。
親しい仲にも礼儀ありの気の使い方だよね。
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ノリスケ |
僕こないだ贅沢したよ。
外苑のイタリアン、
白トリュフの時期に行きました。
おいしかったです。
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ジョージ |
今年は素晴らしい白トリュフ。
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ノリスケ |
どうやって食べた? 目玉焼き? パスタ?
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ジョージ |
ポーチドエッグ。
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ノリスケ |
おお。
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ジョージ |
あのね、グリーンアスパラガスを
パルミジャーノで焼いて、
その上にポーチドエッグ乗っけて、
白トリュフをジャッジャッジャッ
ジャッジャッジャッジャッ。ね。
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ノリスケ |
僕はパスタをいただきました。
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ジョージ |
リゾットもおいしいんだよ。リゾット。
去年はトリュフよかったし。
でも、ね。今年はおいしいものを
食べられるでしょうか。
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ノリスケ |
おうち買うし?
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つねさん |
おうち買うしね。
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ジョージ |
おうちねえ。
でもニューヨークでマンション買いたいね。
この次ニューヨークでマンション買おう!
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ノリスケ |
あんた、たいしたもんだわ。
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ジョージ |
やっぱりね、こういうのね、
すっごい荷物が多かったのね。
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つねさん |
そう。
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ジョージ |
久しぶりに荷物が多い旅行したの。
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つねさん |
もう、きつきつばんばんって感じ。
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ジョージ |
僕達の旅行の一番最初の約束は、
そうそうそうそう、2人でつきあい始めて
一番最初に旅行したのが
ニューヨークだった。
そん時にその、何持って行くの?
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つねさん |
って僕が言ったわけ。
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ジョージ |
って言われて。
で、持ってかないでちょうだい。
僕は旅行で何が嫌って、
大げさな旅行って大嫌いなの、って。
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ノリスケ |
ふーん。
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ジョージ |
わざわざ来ましたって感覚になると、
ガツガツ見てやろうと思っちゃうから。
一番いいのは何げなくふらっと来て
普通に楽しんで普通に帰って行くっていう
旅行が大好きなのね。
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ノリスケ |
うんうん。
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ジョージ |
だけど、どんなにそういう気持ちになっても
飛行場のターンテーブルの前に立って、
自分の荷物が出てくるのを
待ってるあの瞬間っていうのはね、
わざわざ旅行に来たっていう
あの感覚になっちゃうんだよ。
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ノリスケ |
うんうん。
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ジョージ |
で、言ったのが、
預けなくていい手荷物だけの旅行にする、
僕の旅行は絶対それだからって。
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
でTUMIの機内持ち込みの
一番大きいローラウエイ買って、
でその中に詰まるだけの荷物でもって
旅行に行ったの。
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
で、その時はまだFの人だったから
少々大きくたって何だって
入れてくれるんだよね。
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つねさん |
そうだね。
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ジョージ |
そうするとほら、後ろに戻らない
前に行く旅行だから、
一番最初に降りられて一番最初に通関するでしょ?
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ノリスケ |
うん。一番だよね、全部ね。
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ジョージ |
そうすると例えば、
10時20分に着いたら、
もう10時45分くらいには
リムジンに乗ってるんだよ。
そうするとなんか国内旅行みたいな感じじゃん。
たまたま12時間飛行機に乗ったけど、
ふらっと来ました、みたいな感じで、
そんな旅行なんだよって言ってたのに、
今回2人で大型のリモアのスーツケース3つ。
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ノリスケ |
へへっ。
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つねさん |
そう。
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ジョージ |
しかも行く時からパンパン。
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つねさん |
キチキチ。
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ノリスケ |
何だか。
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つねさん |
帰りもパンパンだったけど。
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ジョージ |
だってスーツでしょ、コートでしょ
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つねさん |
靴でしょ。
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ジョージ |
で、そのあとラスベガス行ったから夏服でしょ。
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つねさん |
そうそう。
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ノリスケ |
そうかそうか。
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ジョージ |
ショートパンツでしょ。ラスベガス寒かったけどね。
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つねさん |
寒かったね。
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ジョージ |
もうすっごい荷物だったもん。
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つねさん |
そうね。
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ジョージ |
そんで、そん時にやっぱりね
ニューヨークっていうのは
ほんとに楽しもうと思ったら
スーツがあってジャケットがあって
カジュアルウエアがあって
ジャンパーがあってトレーナーがあって
全部あった方がいいから。
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ノリスケ |
そうすると、すっごい準備しないとって
話になるじゃないか(笑)。
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ジョージ |
そうなのよ。だから向こうに部屋がほしいの!
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ノリスケ |
そりゃそうだけどさあ(笑)。
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ジョージ |
大きくなくっていいから
向こうにクロゼットがあるといいなって思ったもん。
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ノリスケ |
ううーん。
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ジョージ |
で、これはね、
例えばハワイにはまる人が
ハワイに家買っちゃうでしょう、みんな。
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ノリスケ |
うん。買うねえ。
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ジョージ |
だけど、ハワイっていうのは
どう考えたって
手荷物一つだけで行けるとこなんだよね。
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つねさん |
行けるよねえ。
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ノリスケ |
そうだねえ。
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ジョージ |
ハワイに必要なのは
クロゼットじゃなくて、
プールとかビーチが必要。
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ノリスケ |
だったらホテルでいい。
か、ヴィラ借りればいいんだもん。
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ジョージ |
だけど、ニューヨークは
クロゼットがいるなって思った。
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つねさん |
ああ。
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ジョージ |
何か向こうにレンタルクロゼットとかいうのを
作ったらビジネスになんないのかしら?
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ノリスケ |
どうだろうね、管理難しそうね。
あと値段高いよね。
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ジョージ |
そうだよねえ。
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ノリスケ |
ほんとにしょっちゅう行く人じゃないと。
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ジョージ |
タイムシェアリングクロゼット。
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ノリスケ |
うーん、難しいかもね。
1年間放ったらかしの人もいるしね。
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
向こうの通信販売で
買いたいものいっぱいあるのよ。
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ノリスケ |
そうだね。住所があると便利だよね。
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ジョージ |
そう。
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ノリスケ |
住所があると、
ついでに社会保証番号も取って。
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つねさん |
そう。
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ジョージ |
で、住んじゃうんだよね。
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つねさん |
どんどんどんどん。
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ジョージ |
グリーンカードになっちゃうんだよね。
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ノリスケ |
免許も取っちゃえばみたいな
話になっちゃうんだよね。
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つねさん |
ああ。
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ジョージ |
だって、向こうのテレビ見てると
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つねさん |
通販番組?
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ジョージ |
鳥1羽丸ごと焼ける
家庭用のロティセリーマシーンとか、
プールサイドのバーベキューセット。
すんごく欲しい、もう。
買っても使わないんだろうけど、
欲しいなあって。
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つねさん |
そうそう。
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ジョージ |
ま、今欲しいのは
ターボタイガースーパーだけどね。
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つねさん |
ターボタイガーっていうのがあるじゃん。
掃除機。金色の。
あれのバージョンアップしたのが出たのよ。
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ジョージ |
ホワイトスケルトンで、
コードからケーブルから
ノズルから何から何まで
本体収納でコンパクトにまとまるっていうやつ。
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つねさん |
そう、で肩にかけてガーッとできる。
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ジョージ |
欲しいよなあって。
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つねさん |
安いの。9800円なの。
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ノリスケ |
(笑)
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ジョージ |
かに食べる?
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つねさん |
食べよっか。
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ノリスケ |
じゃ、ここで。とりあえず。
今年もよろしくね。 |
(おしまい)