ジョージ |
普通ビジネスクラスって
シートとシートの間に
頑丈なコントローラーが入ってるんだけど
ヴァージンはオンリクエストで
外せるようになってるの。
ダブルベッドで使いたいですって言うと
外した状態にしてくれるのよ。
そいで、水平ではないんだけど、
斜めのフルフラットの状態になって。
ダブルベッドリクエストをかけると
掛け布団もダブルベッドサイズ。 |
つねさん |
でかいのが来るの?
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ジョージ |
2人で抱き合って寝れるの。 |
つねさん |
ゲイでも?
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ジョージ |
友だちの、ロンドンの子が
ヴァージンに男2人ダブルベッドで
リクエストを入れました。
そしたらEメールが戻って来て、
「男性2人でダブルベッドでも
よろしいんですけど、
プライヴァシーは必要ですか」って言われて、
「なるべくプライヴァシーは欲しいです」
機材の関係上どうしてもサービスの死角になる、
席をくれたんだって。
サービスの死角になるっていうことは
要するに他のお客さんから
見えないってことだよ。
ぽつーんと離れた2席っていうのがあって、
そこをくれたんだって。 |
つねさん |
へえー。
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ジョージ |
男2人でダブルベッドに寝ても
全然恥ずかしくなかったって! |
ノリスケ |
手をつないで寝れたんだ。 |
つねさん |
すごいね。
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ジョージ |
あと、4年後にエアバスが
総2階建ての大型ジェット出すじゃない。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
で、これのね、ブリティッシュエアウェイズの
モックがこの前出来たらしいのね。 |
つねさん |
うん。見たの?
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ジョージ |
すごーい。このファーストクラスは。すごい。
とりあえずそれの、
成田−ロンドンの1号機には
乗らなきゃいけないかなと思って。 |
つねさん |
はははは。
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ジョージ |
そこまでにはもう。 |
つねさん |
モチベーション上げといて。
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ジョージ |
そう。 |
ノリスケ |
すごくいい夢だと思うな、それは。
直近のね。 |
ジョージ |
そう。絶対。 |
ノリスケ |
日本を変えるのね。 |
ジョージ |
そう。不景気不景気って言ってるけど、
日本の不景気なんて
たったここ10年くらいなんだよね。 |
つねさん |
うん。
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ジョージ |
イギリスなんてさ、
大英帝国が終わってからこのかた
ずっと不景気なんだよ。 |
ノリスケ |
うん。イタリアだってそうだよね。 |
ジョージ |
イタリアなんかローマ帝国が崩壊してから
ずっと不景気なんだもん。 |
ノリスケ |
この間FOODEX(国際食品見本市)
行ったんだけどさ、
イタリア人ってさ、
あんたたち不景気なんじゃないの?
って言いたくなるくらいかっこ良くて、
おしゃれで、毅然としていて、
そういう態度で「オリーブオイルいかが?」
なんて言ってんだよね。 |
ジョージ |
そう。
僕ら、アメリカ人ばっかり見てるから。 |
ノリスケ |
麻痺してたわ。 |
ジョージ |
お金がないということはかっこ悪いことだって
思っちゃうんだろうけど、
ヨーロッパの人たち見てたらね、
お金がなくてもかっこいい。 |
ノリスケ |
お金がないことじゃなくて、
貧乏臭いことがかっこ悪い。 |
ジョージ |
そう。 |
つねさん |
だから、前言ってたじゃん。
ヨーロッパの人は、
きちっとしたかっこしてから
お散歩に出るって。
関係ないよね、景気不景気とかさ。
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ジョージ |
で、アジアの人たちはお金もないけど、
貧乏を知らないんだよね。 |
ノリスケ |
うん。元気だし。 |
ジョージ |
で、ものすごくピースフルじゃない。 |
ノリスケ |
ぼろは着てても心は錦。 |
ジョージ |
そう。僕らの中にはそのアジアの人たちと
同じ、本来貧乏を知らなかった
国民だったはずなんだよね。 |
つねさん |
うん。
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ジョージ |
だけど、ひととき豊かになっちゃって、 |
つねさん |
上見ちゃったんだ。
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ジョージ |
貧乏が怖くて仕方がなくって、
だからあたふたしてるんだけど、
だけどヨーロッパには貧乏も
悪いこっちゃないんだよ、
お金稼ぐのに一生懸命
あたふたあたふたしなくちゃいけないような
アメリカ人の方が貧乏臭くって
かっこ悪いじゃんって言う人たちが
いるんだよね。
何かこれからよね。
これからって感じがする。 |
ノリスケ |
こんな私たちにページをくださってる
糸井さんの夢って知ってる?
自分のお葬式の時にね、
弔問に来たみんながしみじみね、
日本を変えたのは
政治でもなければお金でもなかったね、
って言ってるシーンなんですって。 |
ジョージ |
分かる。そういうのは分かるね。
多分世の中一生懸命ある頂点を目指して
がんばってる人たちっていうのは
そういうふうに言われたくてがんばるんだけど、
ほとんどの人たちは
そういうふうに言われるためには
金の力が必要だと思ってるんだよ。
だけど、もう今の世の中は
そうじゃないんだよね。
金は世の中にダブついてしまっていて、
金では変わらない人の心っていうのを
変えた人が、これからは
一番みんなの思い出に残る人のはずなんだ。
逆に僕なんかは、死んだ時に
ああ、あの人はほんとに
死ぬまで分からない人だったねって
言われながら。 |
ノリスケ |
ははは。 |
つねさん |
うん。
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ジョージ |
で、みんなが集まって僕のことを話すんだよ。
で、話した時に
「え? あの人ってそんなことをしたの?」
「え? あの人ってそんな人だったの?
僕が思うのはこういう人だと思ったよ。」
「ええ? そんな人でもあったんだ」
っていうふうに言われるのよ。
で、100人集まったら100人のジョージが
そこに立ってるようになって、
死んでるといいかな。 |
ノリスケ |
つねさんは全部知らなかったりしてね。 |
つねさん |
ガーーン。
1/100しか知らなかったりして。
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ジョージ |
えっとね、ジョージ百物語みたいな話で、
みんなが1本ずつろうそく持ってて、
(おどろおどろしく)
「私が知っているジョージはこうこうこうで。
(フッ)」ってやるんだよ。
で、全部消えた時に、つねさんが
「ぜーんぶ知らない〜」
っていうのがオチのお通夜ってどう? |
ノリスケ |
落語みたい。 |
ジョージ |
最高かもしんない、それ。 |
つねさん |
あ〜ん。
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ノリスケ |
お後がよろしいようで。
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