ノリスケ |
カレンダーに載せられなかったのが、
2人組なんですよ。
ひとりずつにしないと
分かんなくなっちゃうんで。
デザイン業界だと古くは
ドルチェ&ガッバーナ、
最近ならベクター&ロルフ。
コンビで仕事をする
英雄たちがいるんだよね。
絵画の世界では、
ギルバート&ジョージ。 |
つねさん |
ああ、あと、ピエール&ジルとか。 |
ノリスケ |
ピエール&ジルもそうだ。
面白い傾向だよね。2人組って。
あとね、実業界の話を訊かせて。
アメリカの映画会社って
ゲイが多いんですってね。
ゲイの男と、強い女がいっぱいだって。
カレンダーには
デヴィッド・ゲフィンを掲載したのよ。
ドリームワークスの。 |
つねさん |
誰かと結婚したと言われた人でしょ? |
ノリスケ |
誰か、って?
あっ! 今年2本映画が公開になる人だ!
今、膝を、7回叩いた(笑)。
そうか、そんなゴシップがありました。
今、繋がった。
ジョージさんからは、
ジェフリー・カッツェンバーグは?
って話を聞いたんだけど、
調べたんだけど、
ジェフリー・カッツェンバーグは
スピルバーグ、ゲフィンとともに
ドリームワークスをやっているのよね。
ドリームワークスが
ゲイフレンドリーなのは確かね。
でもカッツェンバーグは、不明。 |
ジョージ |
そう、出てないんだよね。 |
ノリスケ |
出てない。だからここには
載ってません。
そういえば調べる過程で
ブリジストンがゲイ・マーケット向けの
広告を売っているのをみつけたわ。
調べるなかで、アメリカのサイトで
ゲイ向け、レズ向けが
あるんだけど。
ゲイマーケットと広告戦略については
またあらためて話したいわ。 |
ジョージ |
そうだよね。
退屈なビジネスと
退屈でないビジネスがあって、
退屈なビジネスはノンケがするけど、
退屈でないビジネスはゲイがする。 |
ノリスケ |
まぁー、名言です。 |
ジョージ |
で、たとえば、コンピューター産業でも、
退屈になったマイクロソフトは、
ノンケっぽいけど‥‥。 |
つねさん |
リンゴのマークは色気がある。 |
ジョージ |
そう。アップルっていうのは、
未だにセクシーで在り続ける。
あの会社の中に
ゲイテイストがあるからだ、
っていうんだよね。
で、これって、ゲイの人が経営を、
べつにしていなくっても、
会社の中にゲイテイストが
あるわけであってさ。 |
ノリスケ |
そういうことか。 |
ジョージ |
そうやって考えると、
ゲイの銀行家っていうのは、
絶対に考えられないよね。 |
ノリスケ |
んー、んー。 |
つねさん |
退屈な。 |
ジョージ |
退屈な産業は、退屈な商品を扱っている。
世界で最も退屈なのは、
土地とお金なんだよ。
だから不動産業者も、
やっぱりゲイっぽくないもんね。 |
ノリスケ |
ないね。
ギラギラのノンケだね。 |
ジョージ |
でも、映画業界とかマスコミ業界とか、
音楽業界とか、
これは虚業と実業の
ちょうど狭間にあるような産業で。
で、そういうとこにはね、やっぱりね‥‥。 |
つねさん |
そういうテイストが。 |
ジョージ |
そう、ゲイの経営者がいたり、
あるいは、
ゲイテイストの経営者がいたりする。 |
ノリスケ |
経営っていうことに関しては、
どうなんだろう?
つまり、芸術とかの分野に
多い、っていうのは、
さっきの説明でよくわかったんだけど、
ビジネスの世界で頭角を現すのって、
難しそうな気も、
ちょっとだけする。どうなんだろ。 |
ジョージ |
でもね、たとえばね、
ゲイが経営者になってもおかしくない
産業のひとつに、
アパレルっていうのがあって。
だけどね、東京アパレルっていうのは、
あんまりゲイっぽくないんだよね。 |
ノリスケ |
んーっ! |
ジョージ |
ゲイのデザイナーが、
パリで起した人が戻ってきて
やってるところは、かなりあるんだけど。
たとえばね、神戸系っていうのは‥‥。 |
ノリスケ |
神戸系? |
ジョージ |
ほぉとんど!! なんだよ。 |
ノリスケ |
神戸系って何? |
ジョージ |
ファッション業界で、
神戸に本社を持って会社が、
あるじゃない?
そういう神戸アパレル系の会議に
呼ばれたのよ。
そしたらね、会議室に8人いたのね。
2人は体育会系の男の子、
2人は経理の退屈なおじさん。
残りの4人は、
「いらっしゃぁ〜い♪」
っていうような感じで。
そのうちのひとりは
関係者だったの。 |
ノリスケ |
うわぁーっ! おまえかーっ!
って?(笑)
「関係者」っていうのは、
「密に関係したことがある」
っていう意味ね。 |
ジョージ |
「あら、どぉも〜ん」みたいな。 |
ノリスケ |
打ち合わせの光景が目に浮かぶわ。 |
ジョージ |
みんなで手を
クネクネクネクネさせながら
打ち合わせをするのよ。 |
ノリスケ |
テーブルにヒジをのせて。 |
ジョージ |
そうヒジをのせて。
それで、提案書出してきて、
説明するでしょ?
そうすると、どっか指示するのに、
あ、ここのこの部分なんだけど、
っていうのが、
手の甲を下にして、
ひっくり返ってるか‥‥ |
ノリスケ |
ヒジが伸びて、直角に手首が曲るか。 |
つねさん |
ひとさし指がピーンとのびる。 |
ジョージ |
すーばらしかった。
それでね、これってね、たぶんね、
アメリカにおけるサンフランシスコには、
そういうふうな会社が
ものすごく増えるけれども、
ロスアンジェルスになったとたんに
少なくなったり、あるいは、
おんなじニューヨークにも、
5番街にはないけれども、
マディソン街とかパーク街には
そういうのができるとかっていう、
地域性とかあると思うんだよ。
あんまり大きくない、
中途半端に小っちゃい
濃密な市場とかっていうのがあって、
そこでは、どゆのかな、
お互いがお互いにいたわりと
思いやりを持って接することができる、
なんかコミュニティーみたいなところが
あるような感じはするの。 |
ノリスケ |
それが神戸系アパレルであると。
東京コレクションの、
1回パリに行ってない人たちって
そのニュアンスが皆無なのよね。
裏原系は違うものね。 |
ジョージ |
違う。 |
ノリスケ |
今、街で男の子たちが
喜んで着てるものって、違うんだよね。 |
ジョージ |
違う。あれはね、汚れてるだけ。
エレガンスがないのよ。 |
つねさん |
色っぽくないよね、あんまね。 |
ノリスケ |
色っぽくないんで、
僕ら、買わないの。 |
つねさん |
高いだけ、みたいな。 |
ノリスケ |
半端に高い。 |
ジョージ |
希少性に対する高さであるとか、
あるいは、誰か有名人が認めた
高さであるとか。
んで、それら全てが、
つき合っている女の子に
自慢したい高さであったり、
あるいは仲間ウチでもって、
一目おかれるための高さで
あったりするので。
なんか知んないけどおじさんたちが、
ベンツとロレックスを買うのと
おんなじ感じがしちゃうのね。 |
ノリスケ |
いっしょね! |
ジョージ |
で、ああいうのってね、イヤ。
すーごいイヤ。不思議なんだけどね。 |