つねさん |
な〜に? 今日は浮気の話?
なんか、やだ〜。こわい〜。 |
ジョージ |
いやぁ、ぼくたちの話じゃないのよ。
今回は、今回一応‥‥
公共の場を借りて、
「浮気がばれた友人」に
エールを送りたいと思うのよ。 |
ノリスケ |
ノンケ? |
ジョージ |
うん。そうなの。
これをずっと読んでいただいていた
私の友人といいますか、
親しい方がいらっしゃって。
別に僕が自らジョージであるということを
バラしたわけでもないのに、
ある日突然ですね、
その人から電話が会社に掛かってきまして。
「ねえ、ねえ、ねえ、ねえ、
ジョージって、誰?」って! |
ノリスケ |
男の人だよね? |
ジョージ |
そう。勘がいいんだか何だか。 |
ノリスケ |
ほがらかな人じゃないんだね。 |
ジョージ |
ぜんぜんないの。
ぜーんぜんないのから
「ジョージって誰?」って。 |
ノリスケ |
それ「ジョージって、君?」
って訊きたかったんですね。 |
ジョージ |
そうそう、それ。で
「えっ?ジョージって何?
ジョージ・マイケル?」って言ったら
「違うよ、バカだな」って。
「ほぼ日って読んでない?」とかって。
「読んでるっていうか‥‥」
「だからさ、ほぼ日のジョージって誰?」
「んー、それはわたしです」(笑)。
んで、その方が、
いまだにこれをお読みに
なってらっしゃるかどうか、
わかんないですけど。 |
つねさん |
読んでてほしいよね。 |
ジョージ |
そう、読んでてほしい。
でねン、どう言えばいいのかなン? |
つねさん |
なに甘えてんの〜(笑)。 |
ジョージ |
ちょっとアンニュイが入っちゃうのよ。
その方がね、先日大変なことに
なっちゃったんですよ。
どう大変なことになったかと申しますと‥‥。 |
ノリスケ |
ははーん。
その方は、そもそも結婚してらっしゃる? |
ジョージ |
あ、してらっしゃいます。
してらっしゃって
お子さまもいらっしゃって。 |
つねさん |
あ、そうなの! |
ジョージ |
そうだよ。男の子が2人いるんだよ。 |
ノリスケ |
年のころは? |
ジョージ |
年のころはわたしと同じ40代。 |
つねさん |
前半。 |
ジョージ |
地方で会社をこぢんまり
やってらっしゃる方の宿命として、
ですよ、奥さんも会社の株主であり、
奥さんも借金の保証人に
なってらっしゃるような‥‥。 |
ノリスケ |
うぉー!
墓場まで一緒に行きましょうっていう
一蓮托生を義務づけられたような
結婚なんですね。 |
ジョージ |
それそれそれそれー!
なのに。浮気、を、したの‥‥。 |
つねさん |
半端じゃなさそうな話ね。 |
ジョージ |
これがね、僕もよく知ってるんですけど、
その浮気というのが、
もうね、どゆのかな?
あのね‥‥男が結婚するっていうのは、
たぶん自分にないものを求めて
結婚するんだと思うんだよね。 |
ノリスケ |
そうですよね、料理ができない、
家事ができない、育児ができない‥‥。 |
ジョージ |
そうそう、家事洗濯があり、
自分は子どもが産めない‥‥。 |
ノリスケ |
そうなんだろうね。 |
つねさん |
補完しあう関係ね。 |
ジョージ |
そう。なんだけど、
その方がですね、
浮気をした相手っていうのが、
夜の世界のお店の
ちーママでいらっしゃったんです。
これがね、なかなかね、
気っぷのいい女。
いいでしょ?
「気っぷのいい女」。
男勝りな女。 |
ノリスケ |
わたしたちも大好きよね。 |
つねさん |
いいよね、そういうのって。 |
ジョージ |
そう、オカマが惚れる女っていうの?
オカマが惚れる女に、
恋をしてしまった
ノンケのオヤジっていうの? |
ノリスケ |
ほぉ。 |
つねさん |
ある意味、なんか、それは。 |
ノリスケ |
ある意味、それは、深いね。 |
ジョージ |
深いでしょう? |
つねさん |
ゲイの恋愛みたいだね。 |
ノリスケ |
ホモみたいだね。 |
ジョージ |
そう。それで、
その人からよく相談を受けてたの。 |
ノリスケ |
じゃあ、事のてんまつは
最初っから知ってるわけだ。 |
ジョージ |
彼もね、浮気した相手は
彼女だけじゃなかったんだけど。 |
つねさん |
何人かいて? |
ジョージ |
そう、浮気しようって決めると、
必ず僕に会わせるんだよ。 |
つねさん |
お歴々(笑)。 |
ジョージ |
どう思う? って。 |
つねさん |
それもすごいね(笑)。 |
ノリスケ |
何で!? |
ジョージ |
自分の見る目を確かめたいのかしらね。 |
ノリスケ |
こいつに認められたら、
俺の目も確かだ、とか? |
ジョージ |
ぼくね、そういうとこ、
的確なんだよ。
これは上に乗っかるだけの女だね、
とかね。 |
ノリスケ |
わかっちゃうんだ。 |
ジョージ |
そう。で、これは、
つき合っとくと、便利かもしんないよ、
とかっていう女性がいっぱいいて。
だけどね、その女の人に会ったときは、
あ、これ、運命かもしんないね、って。 |
つねさん |
ありゃりゃ。 |
ジョージ |
「なんで?」って言われて、
「二人はね、男と女の関係じゃなくて、
人間同士の関係だよ」って。 |
ノリスケ |
ああ、出会ってしまったんだね。
結婚したあとに。
切ないね‥‥。 |
ジョージ |
お互いがね、
自分と同じ部分が好きな相手なの。
だから、同性愛なんだよね。
性を越えた同性愛になっちゃって。
「これ、一生もんだよ」って。 |
ノリスケ |
出会っちゃったばっかりに。
異性なのに同性としての恋愛を
してるっていうのは面白いね。 |
ジョージ |
うん、要はね、同じ悩みを持てるんだよね。 |
ノリスケ |
それは嫉妬されるわ、奥さんに。 |
つねさん |
「わたしに無いもの」だもんね。 |
ノリスケ |
絶対ないもん。 |
ジョージ |
例えば、女と男の付き合いのなかでは、
男は聞き役なんだよ。
で、女は、悩みの語り役なんだよね。
男が女に悩みを語るっていうのは、
なかなかないんだよ。 |
つねさん |
ほぉ‥‥。 |
ジョージ |
んで、男の悩みは、
男同士で愚痴を言うしかないんだよね。
ほんで、そういうところに、
自分でも商売をやっていて、
男勝りで仕事をしている人と、
擦切れてる男っていうのは、
おんなじ悩みなんだよね。
今日会社でこういうことがあってどうこう、
って言うと打てば響くように、
答えが返ってくるわけさ。
彼曰く、奥さんに言えないことが言えて、
なんで奥さんに言えなかったか、っていうと、
奥さんに何回か言ったんだけど、
そのたびに、相手にして
もらえなかったんだよね。
で、その部分を、
キレイに舐め合ってくれたんで、
もうこれはね、運命だ、
っていう感じなんだよね。
だから、そのね、大切な亭主を
浮気させたくなかったら、
男の悩みを聞いてあげないと
いけないかな、って思うよね。
んで、一方的に、
女が喋り続けるような関係だと、
ぜったい男はどっかで
喋りたくなると思うんだよ。 |
つねさん |
で、それが、いつの間にか
男同士のような友情じゃなくって、
愛情に、同性愛のような関係に、
変わっちゃう、かも知れない。 |
ジョージ |
そう。それで、彼的にも、
もしかしたら自分の死に際を
看取ってくれるのは、
女房じゃなくってこいつかもしんないな、
とかって言ってたの。 |
つねさん |
あぁ‥‥。 |
ジョージ |
んで、なーんかね、
これが男の究極の浮気かな?とかって、
思っちゃって。
それで、どうなるのかなぁって、
見守っておったわけです。
そしたら、その彼女が
お店を持つことになったの。 |
ノリスケ |
独立してね。 |
ジョージ |
そう、名実ともにママ。
で、彼は共同出資者。 |
つねさん |
(笑)うーん。 |
ノリスケ |
そうね、ひとりじゃ無理だしね。 |
ジョージ |
そう。それで、
自分のお金を動かそうとしたの。 |
ノリスケ |
でも結婚していて、奥さんは
彼の会社の要職なわけよね。
お金が動いたら、わからないはずがない‥‥ |
ジョージ |
そう、バレちゃったの‥‥!! |
ノリスケ |
で、どうなったの? |