ノリスケ |
どうなったのよ〜。
もちろん離婚はできない状態よね。
てことは、彼女とは、別れるしかない? |
ジョージ |
別れろっていうか、
奥さんの実家に、
毎日報告に行かないといけない状態。
今日は何をしました、
どこへ行きました、
誰と会いました、って。
もう、ぜんぶ報告しなくちゃいけないの。
だから、会おうにも、会えない。 |
ノリスケ |
実家にまで言われちゃったんだ。 |
ジョージ |
うん。だけどね、
心では繋がってるんだよ。 |
ノリスケ |
連絡が取れなくても? |
ジョージ |
取れない。だけど繋がってるんだよ。 |
ノリスケ |
そぉ‥‥。 |
つねさん |
それ、切ないね。 |
ジョージ |
なんか、究極の恋愛でしょう?
究極の遠距離恋愛だよね。 |
ノリスケ |
うん。今の時代じゃないみたい。
彼はどうしたいのかね。
いっそ、丸裸になって‥‥。 |
ジョージ |
一時期はね、丸裸になろうとしたの。
だけど、社員もいて子どももいて、
そういうのを考えると‥‥。 |
つねさん |
いろんなところに責任があるから。 |
ジョージ |
そう。裸になれなくって。
だけど、例えば10年ぐらい
我慢すれば自分は引退ができて、
引退したときは
自由になりたいんだろうね。 |
ノリスケ |
それまで待つと。 |
ジョージ |
で、彼女は彼女で、その時に、
彼というのは、
全てを無くして来るわけじゃん。
財産も社会的立場も無くして、
来るわけだから、
心置きなく裸になれるために、
彼女は生活基盤を
作ろうとしてるんだよね。 |
つねさん |
それが、その店なの? |
ジョージ |
そう。その店なの。 |
ノリスケ |
10年か‥‥。今いちばん会いたくて、
いろんなことができる10年を
犠牲にしてでも、
その後を取りたいんだろうね、
2人ともね。 |
ジョージ |
うん、そうだと思う。 |
ノリスケ |
頑張って!!(笑)。 |
ジョージ |
頑張って下さい、って思うでしょう?
でもね、そのくらい命を懸けた
恋愛っていうのはね、
いいかなぁーと思うよ。 |
ノリスケ |
浮気と言われようとね。
会っちゃったんだねぇ‥‥。 |
ジョージ |
会っちゃったんだよ‥‥。
順番が違っちゃった
だけなんだろうねぇ。 |
ノリスケ |
ほんの数十年だよね。 |
つねさん |
悲しいよね、そういうのってね。 |
ジョージ |
そう。ホント順番が
違っちゃっただけなのに。
なかなかねぇ、
上手くはいかない
もんなんだけどねぇ‥‥。
でも浮気なんだよ。
会いたいけど会えない。
でね、バレちゃったときに、
彼女は彼女で、
誰にも相談できないわけじゃん。
で、僕に電話かかってきて、
どうしよう?って。 |
つねさん |
よくかかってきたね。 |
ジョージ |
そう。待つしかないよ、って。 |
ノリスケ |
お店の開店資金は、出せたの? |
ジョージ |
出せなかった。 |
ノリスケ |
お店はできなかった? |
ジョージ |
いや、お店はできたよ。
彼女は彼女で必死になってね。
で、彼女は、自分のお店じゃなくて
2人のお店だって思ってるから、
だから、ダメにするわけにいかないわけさ。 |
ノリスケ |
彼女にとっては、
彼を待つ場所は、そこしかない。 |
ジョージ |
そう。 |
つねさん |
すごいね。 |
ジョージ |
「わたしはどうすればいいんだろう?」
って言うから、
「いや、待つしかないね」って。
「だって、彼はあなたのところで
死にたいんだから、
死ぬまで待つしかないね」
って言ったら、
「うん、わたしも
そう思うから頑張る」って。 |
つねさん |
あぁ‥‥なんかすごい、
泣けちゃうね。 |
ジョージ |
っていう出来事があったの。
すごいでしょう?
でね、その人の浮気相手の
ちーママがいたお店には、
その人の仲間?
ま、僕もお客さんだけど、
仲間がよく行って、
一緒に飲んでたわけよ。
んで、あいつは、
普通の男がしないような浮気してて
羨ましいよな、って思いつつ、
でもあれって1歩間違えたら
人生の破滅だよな、とかって言いながら、
みんなは暖かく見守っていたわけ。
んで、それがバレたっていうのが
ニュースでバーッと広がって。
その広がった1週間後ぐらいが、
たまたまその仲間が集まる
会合があったんだよ。
みんな「大変だねぇ」って言いながら、
勉強会が終わって飲みに行ったの。
で、飲んだ先で、カラオケを歌うんだけど、
その人がいつも歌ってる歌を
みんな入れて、歌いながら
「ウォ〜ッ! あいつは今ごろ、
どうしてるんだろう〜!」
って、泣くんだよ!! |
つねさん |
すごい、友情だね。 |
ジョージ |
男の友情っ! |
ノリスケ |
男の友情は、浮気とか
甲斐性で結束するんだね(笑)。 |
ジョージ |
そう!男の友情っていうのは、
表の世界では、わりと引きずり下ろしたり、
嫉ましかったり羨ましかったり
するのがあるんだけど、
裏っ側の部分では、
もうおんなじ舟に乗ってるわけさ。
で、たまたまひとりだけ
ドボンと落ちて溺れてるわけでしょ?
ほんとに泣くんだよ。
「この歌は、あいつが好きな
歌だったーっ!!」って言いながら。 |
ノリスケ |
それ、リアルだよ。
自分がそうかも知れないんだもん。 |
ジョージ |
歌いながらね、泣くのよ。 |
ノリスケ |
踏み外すかもしれない
自分を知ってるからだよ。 |
つねさん |
ありゃまぁ‥‥。 |
ジョージ |
なんか素敵な物語。 |
ノリスケ |
あらまー。 |
ジョージ |
ノンケの浮気。
でもねぇ、浮気してね、
破滅していくノンケを見れば見るほどね、
あんたたちもう少し真面目に、
真面目にというか、
要領良く浮気をしなさいって、
思うけどね。 |