ジョージ |
今だと、好き、好き、
っていうのだけが愛の表現だけど‥‥。 |
つねさん |
気持ちの押し付け、ってやつ? |
ジョージ |
そう。だけど、昔の人って、
ほんとに「忍ぶ愛」とか‥‥。 |
つねさん |
「耐える愛」とか? |
ジョージ |
そう。そういうのをね、
持ってた感じがするよね。 |
つねさん |
あと、だから、
いま言ったみたいなの考えたら、
自分のことしか考えてることがないよね。
相手のこと考えて、
相手がそれで幸せなんだったら、
その幸せなあなたを見れる
わたしは幸せだ、みたいな
やり方かも知れないけど。 |
ジョージ |
まあ、でも、今まで考えてみたら、
浮気をしてたのは男かもしんないんだけど、
実は浮気をさせてた女っていうのが、
いたのかもしんないよね。 |
ノリスケ |
そうかもね。 |
つねさん |
あの、変な話さ、例えば、
それ黙認してたことでさ、
その浮気相手の場所って
わかるわけじゃない?
そしたら、ある程度安心できると思うのね。
それなのに逆に浮気するなって押し付けてたらさ、
どこにどう行くかわかんない。
逆に御せない。
自分のダンナがいるっていうよりは、
その自分のテリトリーの中で、
目の届く範囲で動いてくれる
ダンナのほうが良かったのかもしんないよね。 |
ジョージ |
そうかもしんないね。
そのね、浮気に対する覚悟も
あったんだろうし、
トレーニングをしてたのかもしんないね。
それは自分のお父さんも
浮気していたり‥‥。 |
ノリスケ |
親戚の誰それさんが‥‥。 |
ジョージ |
誰それさんが、
外にお妾さん囲ってて
どうとかこうとか、
っていうのがあったり?
で、完全に裏っ側の世界じゃ
なかったと思うんだよ。
今の浮気って、完全に裏っ側だけど、
例えば、僕が育った家のすぐ近所には、
小料理屋さんがあって、
当時の小料理屋さんっていうのは、
お妾さんがやってたんだよね。 |
ノリスケ |
家庭料理でしょう?
家庭料理を商売にできるのは
ダンナが帰ってこない奥さんか
愛人か、ゲイなのよ。 |
つねさん |
ふふふ。 |
ジョージ |
かと思えば、んーとね、
3軒隣りに、色狂いの
後家さんっていうのがいて。 |
つねさん |
すーごい。 |
ノリスケ |
やーん(笑)。 |
ジョージ |
おじいちゃんの実業家に
囲われてたんだけど、
おじいちゃん死んじゃって。
で、水揚げしてもらってるんだよ。
だから、義理は果たさないと
いけないんだけども、まだ若いんで、
色狂いなんだよね、
で、若い男の子引きずり込んでは、
よろしくやってる
後家さんとかっていうのが、いたんだよ。 |
つねさん |
いいな! |
ノリスケ |
あはは。 |
ジョージ |
そういうのが当たり前にいたら、
なんか仕方がないかな?
っていうのが、あるよね。 |
ノリスケ |
仕方がないなって思うよね、うん。 |
つねさん |
ノリさんの周りは、
そういう人いた? 浮気したりとか。 |
ノリスケ |
いたよ。大人になってから
ああ、あれはそういうことか、って。 |
つねさん |
ウチのオヤジそうかも‥‥ |
ジョージ |
ナハハハッ! |
つねさん |
でも他はぜんぜん聞いたことないや。 |
ノリスケ |
耳に入らないようにしてたのかも。 |
つねさん |
知らなかっただけかもしれないよね。 |
ジョージ |
なんかね、妙ちくりんな
フェミニズムみたいなのがあって、
そういうのを表に出さないように
なっちゃってるねー。 |
ノリスケ |
そんな感じがするわね。 |
つねさん |
まあ、ただ、おおっぴらに言う
必要はないとは思うけどね。 |
ジョージ |
あのね、もっとね、
トレーニングしてもいいかもしんない。
「人というのは浮気をしたがってるんだ」
っていう前提に立って。
だけど、どうせ浮気をするんだったら、
素敵な浮気をしてほしいわけじゃん。
んで、えーっ!
あんな相手と浮気をしたの?
とかって、いうのとは
絶対浮気してほしくないわけじゃない? |
ノリスケ |
そりゃそうだ(笑)。 |
ジョージ |
あれならかまわないか、っていうね。
そうすると例えば、審美眼を、
ある程度共通のものにしておかないと
いけないし。 |
つねさん |
で、そういうときに、
例えばテレビ観て、とか。 |
ジョージ |
うん。あるいは、街歩いてて、
例えば、女の人のほうから
「ねえ、今の女の子って、
かわいいと思わない?」
とかって訊いてみるって、
すーごい素敵な罠だと思うけどね。 |
つねさん |
そうかな‥‥(笑)。
それは男も、なんか
言いづらくなったりとか
すると思うけど。 |
ジョージ |
うん、そのときに、
男がほんとに成熟してたら
「うん、いいね」。 |
つねさん |
あー、そっか。
だから、お互いに成熟
しなくちゃいけないのね。 |
ジョージ |
「いいねぇ」って言ったときに、
今度女性のほうが
「だと思った!」って言い返せば、
男は、浮気できないの。 |
つねさん |
ウチの会話みたい‥‥(笑)。
「あんたもイケるでしょう?」
「うん!」って(笑)。 |
ノリスケ |
ホモのカップルは(笑)。 |
ジョージ |
そう、そこがね、
ホモのカップルなんだよね。 |
ノリスケ |
おんなじ方向見てるからね(笑)。 |
ジョージ |
でも、例えば、そのときに、
女の人は女の人で、
ひとときレズの気持ちになってみるって、
いいかもしんないよ。 |
つねさん |
あ、そのダンナが好きなタイプの
女の人に対して、
自分がどう思うかっていうのを? |
ジョージ |
そう、自分がどう思うのか。
そのね、舐めるように
女の人を見てみるんだよ。
そうするとね、自分の亭主が
好きな女っていうのが、
こういう部分が好きなんだろうなって、
思うわけでしょ?
それを自分の中に
取り込めばいいわけよ。
あのね、ホモの夫婦ってさ、
似た者夫婦になってくるじゃん。
なんでなるかっていうと、
相手が好きなものを、
自分の中に取り込もうとするでしょう? |
つねさん |
ああ、そうだね。 |
ジョージ |
で、それって、
「あ、あの子いいよね」
って言ったときに、自分も見て、
あ、イケる、どこがイケるんだろう?
あそこがイケる、
じゃ、もっとイケるようになろう、
っていうふうに思うでしょう?
んで、女の子もさ、自分の彼氏が、
「あれ、かわいいね」
って言った彼女を、
イケるかな? っていう目で見てみる。
そうすると、もぉっと女は
色っぽくなれると思う。 |
ノリスケ |
なるね〜。 |
ジョージ |
絶対。そのときにね、
敵だ! って思ったら、
もう負けてるんだよ。 |
ノリスケ |
キーッ、とかね(笑)。 |
ジョージ |
そう。じゃなくって、
「んー‥‥剥いてみたい」とかね。
「おぉ、イケてる!」って、
思ってみちゃどうかしら。 |
ノリスケ |
友だちの夫婦が、
女の子の友だちなんだけど、
亭主がね、たまに外を歩くと芸能人を見る。
でね、「今まで誰に会った時が
いちばん嬉しかった?」て訊いたら
「渡辺えり子」って
言われたんだって(笑)。
すごい嬉しそうにしてたっていうんだよ。
でね、「ちなみにさぁ、
好きな女優さんって、誰?」
って訊いたら、
「んー、吉行和子」って。 |
ジョージ |
ウウゥォォオオハハハハッ!! |
ノリスケ |
で、その子は、
かわいーいタイプの奥さんなわけ。
「わたしって、何なの?」って(笑)。 |
つねさん |
すごいねぇ。いーや、すごい。 |
ジョージ |
でもそれはね、どっかにあるんだろうね。 |
ノリスケ |
何かどっかにある(笑)。 |
ジョージ |
彼の感じる色気とか、何かあるんだよ。 |
つねさん |
なっかなか難しいね。 |
ジョージ |
にも関わらず、今、愛している妻には、
もしかしたら潜在的に
そうなるかもしれない部分も
あるのかもしれないよね。 |
つねさん |
先を見るのね。 |
ジョージ |
そう、熟したら。 |
ノリスケ |
熟すかもしれない(笑)。 |
ジョージ |
そういうのあると思うよ。 |
つねさん |
すごいなぁ‥‥。 |
ノリスケ |
真似しようがない、それって(笑)。 |