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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

愛を呼ぶインテリア その2
男の部屋の究極ってどんな?
ノリスケ 男の部屋と言えば〜、
「ほぼ日」の方に聞いたんですけど、
言っていいのかしら、
とある有名ミュージシャンさんの
お部屋っていうのは、
ええと、まず玄関入ると、
クツの山、ビデオの塔、雑誌の城、
新聞の山などを飛び越え飛び越え飛び越え。
ジョージ まるでスーパーサスケね。
ノリスケ うん、そう、飛び越えて、
ようやくひとりぶん座れるだけの
椅子のところに着地すると
目の前にキーボードがあるんだそうです(笑)。
つねさん お風呂も凄いんでしょう?
ノリスケ お風呂場はですね、
苔が生えているそうなんですけど、
シャワーを浴びるのに必要な
自分が立つスペースに、
仏足石のように、そこだけ、
苔が生えてないんだそうです。
ジョージ いやぁ〜、それぇっ!!
それはいやーっ!!
ノリスケ で、ゴミ箱はあるんですか?
と訊いたら、「台所の方」(笑)
とおっしゃるそうなのよ。
ジョージ あーっ!
台所の方角、方角!
そこ全体がゴミ箱!?
あぁぅ! それはいやぁ〜〜っ!!
はぁ〜、ドキドキしちゃったぁ、今。
ドキドキしちゃったぁ。
ノリスケ もうひとつね、仕事してたら足下にね、
水がね、ピチャピチャピチャって
きたんだって。あれ? 何だ?
と思ったら、洗濯機が壊れて
水がジャンジャン出てたんだって。
それがぜんぶ部屋に浸水してた。
さらに、ビリビリビリッ、って。
向こうの方で、コンセントも浸水(笑)。
それで、そこまでぴょんぴょん飛んでって、
抜いたらしいの。
さすがに、情けなくて涙が出たって(笑)。
ジョージ それは泣くわ。
ノリスケ しかも、その浸水、その後、
ほっといたらしいのよ。
だから、床に積み上げてた雑誌とか、
ガビガビになって、
全てが張り付いているんですって。
ジョージ ‥‥男の話はやめましょう!
男の部屋の話は、
悲惨な話になってくからやめましょう!
つねさん どんどんどんどん地獄へ(笑)。
ノリスケ ごめんなさい(笑)。
まあそれが、
男の部屋の究極なのよね。
ジョージ それはいやぁ‥‥。
で、そういうことを踏まえると、
男の雑誌の部屋作りっていうのは、
あなたの趣味をどうやって生かすか、
のほうに向いてくんだよね。
つねさん うん、だから、プラケース収納になる。
ジョージ そうそうそうそう。
ノリスケ だから、そういう人にとっては、
どういうふうに見せる収納をするかとか、
音響機材を、どう収納したらっていうような
収納のほうへ行っちゃうのよ。
つねさん 「クロワッサン」とか読むもの、僕も。
ノリスケ ‥‥男も、読むのかしら。どのみち、
趣味のものをたくさん集めて
その世界をキレイに見せてあげることが
インテリア・コーディネートなのね。
ジョージ 女の子の雑誌のインテリア特集は、
雑貨とかブランドなんだよね。
ノリスケ うん。
ジョージ だから、ハンドバックとか靴とかと
おんなじような感覚の
取り上げられ方みたいな感じがするの。
だから、やっぱり読んでる人が
いちばん感心を持ちやすいような
編集の仕方なんだろうし、
そういうふうな置き換えを
してくれたほうが、わかりやすいから、
そういうふうになるのかな、
というふうに思うんだよね。
女の子の部屋とか、行く?
つねさん んー、行かない。
ノリスケ 行かないね。
ジョージ 女の子の部屋へ行くとね、
なんかわけのわからない
おんなじようなものが、
細々細々チョコチョコチョコチョコ
置いてあるの。
雑貨感覚って、たぶん、
いろんなものを買い足し買い足して
いくんだろうなと思うんだけど。
ノリスケ あー、確かに女性誌のインテリア特集って、
雑貨を買わせることになってるわ。
あるいは、家具を雑貨のように扱ってる。
ジョージ そう。それで、なんか、
それこそ男と違った意味で、
パラノイアっぽくなるんだよね。
ノリスケ うん、うんうん。
ジョージ で、それがたまたま、
赤色が好きな人は赤ばっかり買ってきて、
なんか、真っ赤な部屋になっちゃったり。
で、蝶々が好きな人は
蝶々柄のもんばっかり買ってきて(笑)
便座の上にもそれがかぶさってたりとか
しちゃうわけでしょう?
だから、そうやって考えると
男の部屋も女の部屋も
五十歩百歩かなと思うよね。
つねさん じゃ、センスのいい部屋って、なに?
ノリスケ センスのいい雑貨を置けば
センスのいい部屋?
ジョージ んー。
つねさん 落ち着ける部屋?
ジョージ んー。
ノリスケ でもさ、落ち着けるんだったらさ、
煎餅布団に煎餅座布団に、
コタツがずっとあるみたいなのでも
いいわけじゃない(笑)。
ジョージ よしゃっ、お勉強の時間にしちゃおっかな?
んと、こんな部屋に住みたいな、
っていう、イメージはある?
ノリスケ 体育館!
ジョージ 体育館。どんな感じ?
ノリスケ ワンフロアが考えられないくらい広くって、
天井がめちゃくちゃ高いわけだよ。
収納というか、本が、
回廊のようにこう、あって。
2階部分が周りにしかないわけですよ。
ニューヨークのロフトみたいなもんかな?
ジョージ あー。わかるー。僕もね、
住みたいところはね、あのね、
住みたい部屋のイメージというよりも、
そこで生活をしているシーン
っていうのがあって。
まずドア、バーンと開けると、
ものすごく大っきい空間があって。
ノリスケ そう、そう。
ジョージ で、その、吹き抜けになっててね。
で、ダーリンは吹き抜けの向こうの中2階、
ロフトのところから、おかえりーっ!
って、こうやって(両手を広げて)
出て来てくれるんだよ。
で、手を振って、おかえりー!
っていうのがロフト。
それで、ただいまー、っていうと、
ダーリンが、その階段をね、
できればゆるやかな螺旋階段が可。
クルクルクルクルーッて
回りながら降りてって、
チュッてしてくれるのね。
つねさん

ノリスケ
‥‥。
ジョージ そういう家、良くない?
つねさん いや、‥‥いいよ。
ジョージ いいでしょう?
ノリスケ ま「チュッ」はともかく、
僕はかなりそれに近いです。
ジョージ でしょ? で、んで、その、まあ、
あとのリアリティって
あんまりないんだけど、
洋服を脱いで着替えて、
座り心地のいいソファにバーンと座ると、
目の前に壁一面の、収納がダーンとあって、
本だとかCDだとかが、
デァーッと置いてあるの。
ノリスケ ハシゴがあるんでしょ!
ジョージ ハシゴが掛かってる!
それそれそれそれっ!!
つねさん このマンション買うときもね、
言ってたの。ハシゴがほしいって。
ジョージ ハシゴが欲しい!
ノリスケ ハシゴ欲しいよ。憧れるよ。
ジョージ で、ハシゴをタッタッタッタッて上がって、
今日はこれ観よっかー? とかって
DVDをポンと出してきてね。
ノリスケ いいねぇ。
ジョージ ほいで、大っきいキッチンがあって、
対面型みたいの。
ノリスケ アイランド・キッチンもいいよ。
ガスオーブンの上に巨大な換気扇が
まるで工場のようにあるのね。
武骨とエレガントの、ぎりぎりのところ。
ジョージ キッチンの向こう側にカウンターがあって、
座れるようになってお話をしながら
お料理作り! で、当然、
お風呂は2人がゆったり、
向かい合わせになって入れる、
ま、ジャクージじゃなくても可。
あとは、巨大なウォークインクローゼットが
あれば、OK! って。
ノリスケ もういっこ言うと、日焼けできるような空間が
あるといいな。もっといいな。
屋上でも、ルーフバルコニーでも。
ジョージ あ〜。黒豚を焼くわけね〜。
ノリスケ 黒豚! 僕のことね(笑)。
ジョージ うん、そんな感じ。
それが、生活のイメージなんだよね。
イメージなんだよぉ‥‥(ため息)。
ノリスケ こんな素敵な部屋を手に入れたばかりなのに
夢は尽きないのねえ。
でもジョージさんのそのイメージ、
かなり、僕のと近いのよ。
なんで、そんな同じようなところを
思い浮かべてるんでしょうね。
何かの影響かしら。
ジョージ たぶん、どっかで何かが
あるんだと思うんだよ。
あのね、あのー、たとえば、
豪華なインテリアとか、
お金のかかった
インテリアとかっていうのには、
あんまり興味がないのね。
ノリスケ そう、ブランドである必要はない。
ジョージ 日本に生まれ育って、
この日本家屋のせせこましい
何畳という単位、
階高はせいぜい3メートル20という、
このわけのわからない単位の中で
育っていると、違うものに憧れていくの。
で、1970年から80年ぐらいにかけての
アメリカのライフスタイル系映画とか観ると、
主人公はたいてい、
そういうところに住んでるんだよね。
ノリスケ そうなんです。
ジョージ たとえば、あの、たとえば、
鉄工場で鉄を溶接している
ジェニファー・ヴィールスが‥‥。
ノリスケ あははは。ロフトっていうか、
工場跡みたいなとこに住んでたね。
ジョージ なんで、あの娘がロフトなの!? って。
つねさん そうだよね。確かに。
ジョージ で、置いてある家具なんて、
それこそもう、中古でどっかから
拾ってきたようなものかも知れないんだけど、
それはそれなりにカッコ良くて。
なんでカッコいいかって、
あの空間の中に置かれてるから
カッコ良くって。
なんかいいなぁー、とかっていうのが
色々焼きついていて、
そういうようなイメージを
同じように持ってたんじゃない?
ノリスケ 手に入んないからね。
そういうものはね。
ジョージ 絶対、手に入んない。
手に入んないんだけど、
そういう憧れの生活シーンは、
やっぱり諦めるにはもったいない。
それで、みんないろいろ
試行錯誤するんじゃないかな。

憧れの生活シーンかあ。うーん。
つづきます。

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2003-06-30-MON

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