ジョージ |
うちのマミーとダディも
最近映画見るようになったよ。 |
ノリスケ |
一緒に? |
ジョージ |
昔はあんまり見なかったけど。 |
ノリスケ |
ほんとー。なんで急に? |
ジョージ |
これはね、うちのお父さんが
一時期韓国系の映画が
はやったことがあった時。 |
ノリスケ |
「シュリ」とか。 |
ジョージ |
そうね。そん時に映画見に行ってたんだよ。
だけど、マミーとじゃなくて。 |
ノリスケ |
韓国人のガールフレンド? |
ジョージ |
そうそうそうそう。ガールフレンド。 |
つねさん |
マミーじゃなくてハニーと行ってたのね。 |
ノリスケ |
ははは。 |
ジョージ |
僕がうちに飯食いに帰るでしょ。
そうすると映画の話になるわけよ。 |
つねさん |
ジョージは見たのか。 |
ジョージ |
お前、シュリって見たかって言うから、
僕見なかったのね。
で、見てないよって言うと、
うれしそうにこういう映画で
こういうふうでこうこうこうで、
っていうふうに説明始めたの。
そしたらね、めったなことで怒らない
うちのお母さまがですよ、
飲んでたお茶をガターンとテーブルに置いて、
「あなた、誰と一緒に見に行ったのよ」
って言ったのね。 |
ノリスケ |
あはははは。 |
ジョージ |
「いやっ、1人で行ったんじゃ」
って言うから、
「あんたは1人で映画を見に行く人じゃない。
私は誰と見に行ったかは
聞きたくはないけれど、
私はよそで浮気されるより、
誰かと一緒に映画を勝手に見られる方が・・・」 |
つねさん |
嫌って? |
ジョージ |
「嫌。女として嫌だ」って。 |
ノリスケ |
ほおー。 |
ジョージ |
それからはね、絶対映画だけは
うちのお父さん、お母さんと一緒に
見るようにしてるよ。 |
ノリスケ |
まっ! |
つねさん |
かわいいね、何か。 |
ジョージ |
何でかって言うと、
共通の話題になるんだよね。
映画見終わったあとに
すぐ会話として
何かがあるわけでなくったって、
何年かたってテレビでもって
その映画をやった時とか、
あるいはどこかに行った時に
ある時一緒に見た
映画のワンシーンと
同じようなものがあって、その時に
「ああ、あの時に映画で見た
あれがどうこう」とか、そういうのが。 |
ノリスケ |
いいねえ。 |
ジョージ |
そう。ささやかだけど。 |
ノリスケ |
「アメリ」の世界を味わいに
モンマルトルに遊びに行きたいわん。 |
ジョージ |
そう! まさしく、
あの2人は「アメリ」を見たんだよ。 |
ノリスケ |
あらま。 |
つねさん |
すごいね。 |
ジョージ |
何であんたたち見たのよって言ったら、
妹がそれを見て、
ものすごくよかったよって言ったんだって。
「たそがれ清兵衛」を見るつもりだったんだけど
「アメリ」にしたの。
そしたらそれからしばらくの間ね、
お休みの日の晩ご飯のあとのデザートは、
クレーム・ブリュレ! |
つねさん |
あっはっはっは。うそ。 |
ジョージ |
ほんとだよ。 |
ノリスケ |
表面をバーナーで焼いて・・・ |
つねさん |
パコンパコンパコンって
スプーンで割るの? |
ジョージ |
そ! パコンパコンパコンって。 |
ノリスケ |
かぶれる人たちだなあ。 |
ジョージ |
でもね、幸せよお。
いまだに幸せで、いまだに夫婦なんだなって。 |
ノリスケ |
ほんとだね。 |
つねさん |
おもしろいねえ。 |
ノリスケ |
うちけっこうそっち系なのよ。
僕だけだけど。かぶれるんで。
まず物真似しちゃうの。
一緒の映画見て帰って来たら通じるから、
キャラクターの誰かの物真似をして
遊んでるわ、絶対に。 |
ジョージ |
だね。そうだよ。
でも「ナイン・ハーフ」を物真似しちゃダメよ。
(氷を使って愛撫するシーンが話題になった) |
ノリスケ |
そういうのはしないわ〜〜。
世の中のカップルは真似したって言いますけど。 |
つねさん |
あれ冷たくって嫌だよね。 |
ノリスケ |
やったんかい(笑)。 |
つねさん |
自分でこうやって氷。 |
ジョージ |
ナイン・ハーフが流行った時に、
日本中のちょっとした高級シティホテルは、
ベッドメイキング大変だったんだって。 |
ノリスケ |
濡れちゃって!
しみちゃって! |
つねさん |
いやあ。最低ー(笑)。 |
ジョージ |
止めましょうね、みなさん。
考えれば考えるほど、
これを映画関係者の人が
読んでらっしゃるとは思えないんですけど、
もっとまともでよろしい映画館を
作っていただきたいもんでございますね。 |
ノリスケ |
増えるでしょう。
六本木にはあるわけだし。 |
ジョージ |
新宿にもっと作って、お願いだから! |
ノリスケ |
新宿は映画文化度低いわよねえ。
ろくなのがないっ。 |
ジョージ |
映画見る文化度も低いっ!
昔ね。これは言いたい。 |
ノリスケ |
何? |
ジョージ |
ニコール・キッドマンが出ていらっしゃった
「アザーズ」っていう映画あったでしょ。 |
ノリスケ |
見ました、私も。 |
ジョージ |
ご覧になりました?
「ムーラン・ルージュ」
じゃございませんよ、「アザーズ」。 |
ノリスケ |
見ました見ました。 |
ジョージ |
新宿で見ておりました。
かなり上映館数が少なくって、
並んでらっしゃいましてね、
お客さまがね。
しかも指定席がなかったんだよ、
最低な映画館よ。
指定席もないような映画館。 |
つねさん |
あっはっはっは。 |
ジョージ |
二人でおそろで座ったところが、
通路際の壁から3列目か
4列目くらいだったんだよ。 |
つねさん |
それも入り口のとこだよね。 |
ノリスケ |
はいはい。人が並んで
待ってる入り口のすぐ近くね。 |
ジョージ |
並んでるの。で、並んでる最中にね、
まあ馬鹿な男の子と女の子が
ベラベラベラベラしゃべるわけさ。 |
つねさん |
外で。 |
ジョージ |
あの映画ってけっこう音系でもって。 |
つねさん |
おどかしたりとか。 |
ノリスケ |
そうね。 |
ジョージ |
でしょう? もう、頭に来て、
最初は係員に「静かにさせてよ」。 |
つねさん |
って言うんだけど、
全然ね、言ってくれないんだよ。 |
ジョージ |
しょうがないからだーっと出て行って
「お前らうるさい!」
って言って帰って来たの。ところが
しばらくは静かなんだけど、
またうるさくなるんだよ。
で、もう1回行って来るわって
だーっと言って、
「お前らな、静かにしないと
オチ全部バラすぞ!」って。
「一番最後のとこバラされたら、
お前並んでる価値ないんだー!」
って戻って来た。
シーンとしてました、それから。 |
ノリスケ |
あはははは。 |
つねさん |
あれはびっくりしたよね。 |
ジョージ |
でもそんなことを言わせない程度の
映画館を作ってほしいものでございますね。 |
ノリスケ |
作ってほしいでも。
新宿ひどいですね、ほんとに。 |
つねさん |
何かね、座席と座席の間が
狭いところとかね。
急勾配で。
品川プリンスよりも急勾配。 |
ジョージ |
立ち上がって立ちくらみ。 |
ノリスケ |
あ、分かった。あるね。 |
ジョージ |
そう。立ち上がった途端に
奈落の底に落ちそうな感じの。
でもあそこシネコンになるらしいよ。
|
指定席で見たことないです。つづきます。