ノリスケ |
女性化粧品にあるのに、
男性化粧品にないもの。 |
ジョージ |
アンチエイジング系。
絶対ないの。
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つねさん |
はぁ、はぁ、はぁ。
ハリを保つとか。
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ジョージ |
しわをなくすとか。ないの。
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ノリスケ |
美白もない。
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ジョージ |
ファンデーションを使わない男の世界。
これは保たれてるね。
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ノリスケ |
そっか、そっか。なんかね、
伊勢丹の男性化粧品売り場って
靴売り場に似てるんだよね。
靴磨きの道具とかさ(笑)。
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ジョージ |
そうそうそう、そんな感じ。
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つねさん |
日々のメンテナンスっていうか。
ケアじゃなくてメンテ系だよね。
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ジョージ |
伊勢丹ね、たとえば、面白い
コスメティックのラインがあって。
なんだっけ?
イギリスの、名前忘れた、
あの、機能性を売りにした‥‥。
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ノリスケ |
クリニーク?
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ジョージ |
じゃなくてね、新しいやつなんだよ。
たとえば、海外出張したときに、
ジェットラグを調整するために、
そのあるものを枕元に
シュッシュッシュッて振りかければ、
眠りを誘ってくれるアロマであるとか。
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ノリスケ |
あー。「デクレオール」かな?
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ジョージ |
飛行機の中で水分をなるべく
顔の外に出さないような
ナイトクリームであるとか、
海外出張をしたときに、っていう
テーマの化粧品なんだよね。
これ、すっごい気が利いてて。
んで、そういうのを見るにつけて、
やっぱりね、男はいまだかつて
自分の若さに執着する文化を
持ってないんだな、って。
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ノリスケ |
うん、うん。
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ジョージ |
その片方で、
髪の毛に執着する人もいるね。
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ノリスケ |
髪の毛には執着なさるわね。
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つねさん |
だよな〜〜〜。
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ジョージ |
たとえば、ショーン・コネリーの髪の毛は、
決して多くはなくなってしまったけれど、
愛着をもって、もてなされているわよね。
でも、世の色々な、
これを読んでらっしゃるあなたの、
たとえば上司であるとか、そういう中に、
髪の毛に執着心があるばかりに、
とんでもないものをかぶってらっしゃる方が
いらっしゃると思うの。
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ノリスケ |
あー、いますね。
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つねさん |
でも、ほんとにね、本人だけ
わかってないと思ってるんだって。
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ジョージ |
だから、これはね、あの、ま、
男性のはしくれ、もうほんとに、
あの、はしのはしのはしね。
すみっこのわたくしたちからですよ、
女性の方々にね、ひとことメッセージ。
あの、中年のオジサンのかつらを見てね、
見苦しいなって思うでしょう。
で、これは、若さ、髪の毛に対する
執着が生んだ見苦しさなの。
ね。
それと同じように、女の人が、
しわを埋める行為であるとか、
美白に血迷う行為っていうのは、
これはね、若さと美しさに
執着するがあまりに行うできごとであって、
男のかつらを見たら
自分の化粧を見直せ! と。
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ノリスケ |
あ〜(笑)。
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つねさん |
そう、派手な化粧とか。
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ジョージ |
どうよ?
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つねさん |
そうね(笑)。
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ジョージ |
だって、あの、最近ね、
しわがきれいな女優さんって、
減ったでしょ、日本では。
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ノリスケ |
うん、うん。
みんな、ボツリヌス注射をしてる(笑)。
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ジョージ |
ねぇ。ヨーロッパに行くと、
しわ、深いしわを
売り物にしてるっていうか‥‥。
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ノリスケ |
ありますよね。
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ジョージ |
その、どゆのかな?
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ノリスケ |
いや、それはね、
しわの出た女優さんは
老婆役をやるしか
なくなるからじゃないの?
日本だと。
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ジョージ |
そうだね。
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ノリスケ |
で、その間の、美意識がないから、
その、つるつるぴかぴかのお肌から
老婆の「間」がないんだよね。
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
たとえばカトリーヌ・ドヌーブ。
すっごいしわだもの。すごいしわだし、
あの二重あごといい、
横向いたときの、あの分厚さといい。
あれはどう見ても、
中年女をそろそろ卒業して、
初老に入らんとする女なんだけど、
美しいんだよね。
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ノリスケ |
そうそう。
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ジョージ |
で、彼女曰く、自分の顔のしわ
ひとつひとつに対して
愛着を持ってるわけだよ。
で、その、しわのない人生なんて、
つまらない人生だっていうことを
知っているから、これは、
ひといちばい泣き叫んだり、
ひといちばい笑ったりした結果が
しわになってるわけであって。
で、まあ、別に売り物に
してるわけではないけれども、
それを見た人が、
そのしわひとつひとつの意味であるとかね、
そういうものを読み取ってくれてるわけ。
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ノリスケ |
こないだテレビでさ、日本の、
タレント、女優さん7、8人が出てる
番組があって、美の追求みたいなことを
話してたんだけど、
アナウンサーがね、
先輩から教わったことはね、
泣くときは目を開けて泣きなさいって。
つまりね、そのね、
泣き叫ぶとしわだのしみだの
うっ血だの腫れだのができるから。
でも人間泣きたいときはあると。
だから、泣きたくなったら
目を見開いたまま、
流れるままに泣くって(笑)。
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つねさん |
怖いよ(笑)。
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ノリスケ |
怖すぎよ。
それ、執着のなせる技よ。
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ジョージ |
そうだよー。
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ノリスケ |
わんわん泣いてなんぼだよね(笑)。
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ジョージ |
だって、カンヌとか行くでしょう?
カンヌとかニースとか
モナコとかに行くじゃない?
そうするともう、おばさんたちがね、
トップレスに近い状態になって、
夏はもう真っ黒になるでしょ?
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ノリスケ |
オイルはカリタの
14番をお使いだと思いますが。
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つねさん |
ははは!
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ジョージ |
焼いて焼いて、
しみだらけになるんだよ。
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ノリスケ |
なってる、そばかすだらけに(笑)。
肩から背中から。
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つねさん |
そうだよね、すごいから。
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ジョージ |
しみ、そばかすいっぱいなんだけど、
彼女たちは、いいの。
その、どうせいつかは自分は死んでいって、
この体を手放さなきゃいけないわけであって、
手放したときに、手放したときが
死んだときでしょ? 手放したときに、
しみひとつない自分の人生も
しみだらけになってそばかすだらけになって、
でも、このしみとかそばかすは、
肉体労働でできたのではなく、
一生懸命働いたり、
いい男をつかまえた結果として、
ニースやカンヌでもって、
できたしみなんだわっ!
って思いながら死なないと損でしょう!
って思うから焼いてるの。
これはもう、素晴しい人生だと思うよね。
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ノリスケ |
ん。その通り。
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ジョージ |
ありとあらゆる
僕たちが付き合ってるものに対して、
自分はそれに愛着を注いでるんだろうか、
それとも執着してるんだろうか、
って思うことって、大切だと思うんだよね。
たとえば、お金。
お金に執着するっていうのは、
みんなから後ろ指、さされることだよね。
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ノリスケ |
あいつはがめつい、けちだって。
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ジョージ |
そう。たとえば、
けちっていうのも執着してるわけよ。
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ノリスケ |
そうだよね。
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ジョージ |
で、もっと執着し始めると、
もう、一生分稼いだのに、
まだあんた稼ぐのかい?
っていう人がいるじゃない?
なんでお金に執着して
お金を使おうとしないの?
って思うもん。ね。 |