ノリスケ |
お帰りなさーい。 |
つねさん |
ただいまです。 |
ノリスケ |
どこ行ってきたんですか?
って、知ってるのに
冷たく訊いたりして(笑)。 |
つねさん |
ちょっと東の方に。 |
ジョージ |
‥‥。 |
つねさん |
え? どうしたの? パパ? |
ジョージ |
ちょっと待って。 |
つねさん |
パパ、頭の切り換え、
できてないでしょ? |
ジョージ |
うん、ちょっと待ってね。 |
つねさん |
ビビデバビデブ〜。 |
ノリスケ |
あんたたちふたりとも、ヘンよ! |
ジョージ |
なんかね、
言いたかったことがあるの。 |
つねさん |
そうなの? |
ジョージ |
いちばん最初に。
‥‥あ! そう。
んーとね、んーと、んと‥‥。 |
つねさん |
なんでげし? |
ジョージ |
私事を言っていいですかぁん。 |
ノリスケ |
私事? |
ジョージ |
私事。 |
つねさん |
どうぞ。 |
ジョージ |
うん、最近ね、やっぱりね、
歳をとるとね、あの、いろいろ‥‥。 |
ノリスケ |
「歳をとると」だって(笑)。 |
ジョージ |
そう、昔しなかったようなこと、
するようになってね。
でね、最近ね、んとね、殊勝にもね、
毎日毎日、
神様に感謝することにしてるの。 |
つねさん |
ああ、そうなんだ。 |
ジョージ |
素敵でしょ〜? |
つねさん |
ほぉ〜。何を感謝するんだろ。 |
ジョージ |
んでね、必ずね、
3つのことを感謝するの。 |
ノリスケ |
ほぉ。 |
つねさん |
うん。ひとつは? |
ジョージ |
聞いてよ? 聞くのよっ! |
つねさん |
はいっ!‥‥怖い(笑)。 |
ジョージ |
んとね、こんなね、こーんな、
ほんとにもう下らない
酔っ払いなわけよ、横にいるのが。 |
ノリスケ |
うん、いつもいるのが、
酔っぱらったつねさんであると。
真っ赤です。 |
ジョージ |
真っ赤です。
吟醸酒飲んでます。
キムチ鍋つつきながら。
んで、神様へね、なんか、
こんな変な人でもね、
つねさんに巡り合わせてくださって
ありがとうございます、
って感謝するの。 |
つねさん |
それ、変な人っていうのが余計です。 |
ジョージ |
素敵でしょ〜? |
つねさん |
うん、嬉しいけど、
それ、変な人言うな(笑)。 |
ジョージ |
でね、今日もね、
今日も一緒にしあわせでいられて、
どうもありがとう、って感謝するの。
いいでしょう?
でね、明日はもっと
好きでありますように、
ってお願いするの。 |
つねさん |
うそ! すごいなんか、
涙ちょちょ切れちゃう〜。 |
ジョージ |
すごいでしょう?
最近ちょっと忙しくて、
ほったらかしにしてあるんで、
こういうリップ・サービスの
ひとつもしないといけないのかな?
みたいな感じ。
これが言いたかったの。 |
ノリスケ |
何の話をするのかと思ったら。
公開リップ・サービスして
どうするの?(笑) |
つねさん |
わっはっはっはっはっは!
なんなんだよっ!(笑) |
ジョージ |
わりと忙しかったんだよね。
珍しくつねさんも忙しくって。
忙しかったはずなんだけど、
テニスがどんどん
上手になってるらしいの。
よくわかんないんだけど。 |
ノリスケ |
何が忙しいんだか。 |
ジョージ |
で、まあ、忙しくてあんまり
一緒にいる時間もなかったから、
それで旅行に行ったんじゃなーい! |
つねさん |
そんな、怒ったげに言わんでも。
楽しかったですよ。 |
ジョージ |
はい、旅行に行ってきました。 |
つねさん |
はい。 |
ノリスケ |
で、どこによ? |
つねさん |
東でーす。 |
ノリスケ |
だから東ってどこ!? |
つねさん |
東京の東は
ニューヨークですー。 |
ノリスケ |
東京の東はニューヨークぅ?
どの口が言う! |
つねさん |
あははは。 |
ノリスケ |
言い切ったねぇ。
東京都ニューヨーク市なの?
あなたにとっては、ひとっ飛びね。
だってね、あのね、
舌の根が乾かぬうちにって
こういうことだと思うんですけど、
このページで、
お家を買ったから、
もうファーストクラスは
乗れないわよねって、
もう私たちはCクラスで
がまんしましょうね、って、
言ってたと思ったんだけどなぁ。 |
ジョージ |
フンガッ。 |
ノリスケ |
おかしいなぁ〜。 |
ジョージ |
フガッ、フガッ。
‥‥Fで行ってきました。 |
ノリスケ |
はははは! 小声で。
FはFUCKのF。 |
つねさん |
Fで乗ったらね、なんかね、
おいしいね、なんかあの‥‥。 |
ノリスケ |
「森伊蔵」(入手困難の焼酎)
が出てきたって言うんでしょ? |
つねさん |
そう。飲み放題。
だって高いんだよ? あれ。
普通で買っても
5千円するのにさぁ(笑)。 |
ノリスケ |
高いんだよ、って!
Fクラスに乗る人は、
そんなこと言わないと思いまーす。 |
つねさん |
すいません。 |
ジョージ |
でもね、あの、んー、ま、確かにね、
やっぱり‥‥素敵ですっ!
んんん〜、言いにくいな。
素敵ですっ! 素敵なんだけど‥‥。 |
ノリスケ |
いや、いいんですよ。
稼いでらっしゃるんだから。 |
ジョージ |
うん、稼いだ。稼いだよね。 |
ノリスケ |
そのために頑張って、
Fのチケットを買ったんだから。 |
ジョージ |
そう、稼いだ。稼いだけど、
だけどね、やっぱりね、
あの、ファーストクラスには、
ラブが足りない。 |
ノリスケ |
はははは、えー?
ちょっと待って、ちょっと待って。 |
つねさん |
そうだよね‥‥。 |
ノリスケ |
ラブって、誰から誰へのラブ?
え? フライトアテンダントからのラブ?
何のラブ? |
つねさん |
いや、なんかその、
ラブを語り合う‥‥。 |
ジョージ |
ぜんぜん。あのね、せっかく2人で
仲睦まじく旅行してるのに‥‥。 |
ノリスケ |
仲睦まじくできない? |
つねさん |
横で手つなげないんだよね。 |
ノリスケ |
だって、1席ずつでしょ?
ファーストクラスって。 |
ジョージ |
そう! そう! そうよ? ほんとに。 |
ノリスケ |
想像上ですけどね、
私のファーストクラスは(笑)。 |
ジョージ |
あの、どういえばいいのかな?
あの、んーとね、
足裏マッサージサロン状態っていうか。 |
つねさん |
それそれそれ。 |
ノリスケ |
はい。よくわかる卑近な例でした。 |
ジョージ |
そう。そんな感じ。
んでね、そこで14時間。
愛を語れないの。 |
ノリスケ |
糸電話でも持ってけば
いいじゃないの! |
ジョージ |
往きなんかね、
僕の後ろに座ってるわけよ。 |
ノリスケ |
なんだ、隣りじゃないんだ。 |
ジョージ |
そう、後ろに座ってて。
なーんかね、なんか、
はぁはぁはぁはぁ、
すぴすぴすぴすぴ鼻息がするの。
何なんだろう!? って見たら、
森伊蔵で真っ赤になっててさ。 |
ノリスケ |
はははははは!
気圧が下がってるから。
この人ご機嫌じゃない、じゃあ。
愛を語る語れない、関係ないじゃない。
森伊蔵さえあればいいんじゃない。 |
つねさん |
いや、そんなことないよ、
そんなことない。 |
ジョージ |
ん〜〜〜〜〜、でも、
愛は語れなかったぁ‥‥。 |
ノリスケ |
そんなだったら、貨物に押し込んで、
森伊蔵だけあげとけばいいじゃない。 |
ジョージ |
うん、そんな感じ。そんな感じだった。
動物検疫かけてもらってね(笑)。 |
つねさん |
でも、貨物だったら、
映画観れないもん。 |
ノリスケ |
いいじゃん、DVD貸してあげるよ、
そんなだったら。
ラップトップでいいじゃない、
ラップトップで(笑)。 |
ジョージ |
うん、貸してあげる。
でもほんとね、
世界中のFに乗る人って、
ラブがなくてもいいのかな?
って思っちゃった。 |
ノリスケ |
Fに乗るって想像すると、
たとえば、芸能人のカップルであるとか、
ふだん人前で仲良くできない
人たちであるとか(笑)
だと思うんですけどね。 |
ジョージ |
でしょでしょでしょー?
ね。なのに、ラブがないの。
おじさまとおばさまにも、
ラブが必要だなと思うんだけど。
バージンエアラインの
アッパークラスには
ダブルベッドになるような
シートがあるっていうのに。
Cクラスにはラブがあるのに
Fクラスにはラブがなかった。
あったのは森伊蔵だけ、って、
悲しいオチがありました。 |
ノリスケ |
‥‥‥‥ふ〜ん。 |
つねさん |
ふ〜ん、って。 |
ジョージ |
いやーん、今、
思いっきり反発を食らった!
どうしましょう。 |
ノリスケ |
読者を代表して、
ふ〜ん、へぇー、そう?(笑) |
つねさん |
3回ぐらいチューしたよね。 |
ジョージ |
した。 |
ノリスケ |
ラブ、あるじゃなーい! |
ジョージ |
しかも、便所の前。 |
つねさん |
はははははは! |
ノリスケ |
カーテン閉めて? |
ジョージ |
ううん。 |
ノリスケ |
すれ違いざまに? |
ジョージ |
‥‥待ち伏せして(笑)。 |
ノリスケ |
まあね、見えやしないからね。 |
ジョージ |
覗いてたおやじがひとりいた。 |
つねさん |
チューして、フッて目開けたら‥‥。 |
ジョージ |
いたの。
いちおう、わたしたち
目をつぶってチューします。 |
つねさん |
ぬはははははは!! |
ジョージ |
あぁ〜ん、恥ずかしい。
今のがいちばん
恥ずかしかったかもしんない。 |
ノリスケ |
素晴らしい。 |
ジョージ |
でしょ〜? |
ノリスケ |
周りの目を気にせず。
良かったじゃない。
|