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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

ファブ・ファイブに学べ。その4
男を突然色っぽくしたものは。

ジョージ ファブ・ファイブの5人は、
まずよってたかって
ノンケの男の子の洋服をけなすのね。
面白かったのは、そのときの
あの子の嫌そうな顔!
ノリスケ 表情がなくなってくんだよね。
なに言われなきゃいけないんだ、
確かに応募したけど、
そこまで言わなくてもいいじゃないか、
みたいな。
ジョージ で、ファッション担当の「カーソン」と
一緒に洋服買いに行くんだけど、
いくつか袖を通したときには、
まだ表情が固いんだよ。
似合わないとか、
こんなの恥ずかしいとか、
まるでオカマに見える、
とかっていうふうに
抵抗を示していたのに、
どんどんどんどん高まってきて、
やっぱり、格好良く見えて、
あ、これがセクシーなんだ、
っていうふうに思い始めると、
やっぱり自信がついてくるんだよね。
ノリスケ わかりやすく褒めてたよね。
映画スターみたいよ、とかね。
そんなベタな、みたいな(笑)。
ジョージ あれはね、あのー、どゆんかな、
日本の変身番組って、
ひとつのお仕着せしか着せないじゃない?
つねさん そうそう。
ノリスケ 1コしか見せないんだよね。
つねさん そうそうそう。だから、
着たきりスズメみたいな感じだよね。
ジョージ あの番組はね、次から次へと着せるの。
ノリスケ あの、30回ぐらい着替えたよね(笑)。
容赦なく着替えさせる。
当たり前だけど、
着てみなくちゃわからないし、
意外な個性が引き出せるかもしれないもの。
1コだけ提案して
「ぜったいこれ!」なんて
ほんとは無理な話よ。
日本の変身番組って、そこがダメよね。
迷ったっていいのよ。
ジョージ そう。で、しかも、その着せ方が面白くて、
たとえばビーチ・リゾートに
行くときにはこれ、
仕事に行くときはこれで、
彼女とデートに行くときはこれで、
一緒にレストランに行くときはこれ、
部屋着はこれ、っていうふうに着せてくと、
それこそ、その、着替える回数が
多くなればなるほど、
その子ったら、ニコニコしてくるの。
ノリスケ してきた、してきた。つまり
「そういう服装をいつもしている自分」
の姿を、想像できるように
なってくるんだよね。
ジョージ でね、‥‥急に、色っぽくなったのよ。
ノリスケ なった。あれは驚いた。
表情がね、変わるよね。
ジョージ ね? で、とっても素敵なのが、
彼に洋服を選んであげるだけじゃなくて、
内緒で彼女にも洋服を選んであげるの。
とっておきのデートのためにね。
ノリスケ そうそうそうそう。
ジョージ んで、んと、もろもろの作業が終わって、
彼女が家にやってきたときに、
ドア開けて、彼女を見て、
いちばん最初に彼は、
「あ、素敵な洋服」って褒めたの!!
つねさん 褒めてた、褒めてた!
ノリスケ 褒めた!
彼女、すごく驚いて、
嬉しそうだったよね。
ジョージ あれは絶対にね、
彼は今までにしたことがなかった。
ノリスケ 女の子の服を褒めるなんて。
つねさん そういう意識がなかったから。
ジョージ 着替えてるときに自分がずっと
褒めてもらったことでわかったんだと思う。
つねさん それが気持ち良かったから。
ジョージ 格好いいって言われるのって、
ああ、気持ちいいんだ、
人から褒めてもらうのって、
気持ちいいんだってわかったから
褒めたんだろうね。
で、しかも、褒め方が、まず見て、
ああ、きれいだ、って言って、
で、抱き合ってキスをしたときに、
素敵な生地だね、って言ったんだよ!
あ〜、オカマになったぞぉ〜、って感じ。
つねさん そうなんだ! あははははは!
ノリスケ あははははははは!
つねさん ひぇー!
ジョージ で、彼女は、その洋服、
いくつか着せてもらった中で、
あの洋服を選んだいちばんの理由は、
彼女っていうのが、モデルさんなんだよね。
けっこうあの、ナイス・バディで。
ノリスケ 美人でね。たぶん、アングロサクソンと
アフリカン・アメリカンのハーフなんだよね。
ジョージ そう。ほとんど素肌にジャケットを羽織る、
みたいな感じの洋服を選んだの。
ノリスケ そう。
ジョージ ほんで、選んだときに、
あ、このジャケット、素肌に羽織って、
すごく気持ちがいい、
っていうふうに言ったでしょ?
つねさん うん。
ジョージ で、それを彼は同じように認めたんだよね。
ノリスケ 素材がいいね、ってね。
ジョージ あー、素敵な素材だ、って。
あーれはね、すごい素敵。
ノリスケ 教育の成果あったじゃない。
ジョージ うん、教育の成果があったし、
やっぱし、相手をおもてなしして、
自分の価値を上げるというか。
ノリスケ ファブ・ファイブのいいところは、
そういう得点ポイントは
ぜったいに自分でやらせるんだよね。
彼らは黒子に徹してて。
まずそれが洋服でしょ?
で、その次に‥‥。
ジョージ ん、どの順番で話そうかな、
洋服‥‥インテリア。
ノリスケ うん。インテリアの「ソーン」。
ジョージ インテリアはね、うん、まあ、
日本のリフォームの達人みたいな
感じなのかなぁー、
っていう雰囲気ではあったの。
まあ、インテリアを変えてもね、
その人の生活の仕方とか、
ほんとに変わるんだろうか?
って思うと、
洋服を選んでるあの嬉しさ感には
達してないよね。
ノリスケ うん、そうね。うん。
ジョージ コーディネートしてもらっただけだから、
自己参加があんまりなくって。
ただ、びっくりしたのは、
彼曰く、ゲイのアパートに
来たみたいな感じの
おしゃれな部屋に自分の部屋がなって、
彼女のためにお料理作ったとき。
ノリスケ うん。
ジョージ 汚れた床を掃除したんだよ。
つねさん そうそうそう、いちおうね。
ノリスケ 雑なんだけどね(笑)。
ジョージ 彼は、もう掃除するのが
嫌いでしかたがなかったんだよ。
なのにいちおう床をホウキで掃いて。
で、その集めたゴミを
キッチリ取ればいいのに、
棚の下の隙間にベーッと
入れちゃったんだけど。
ノリスケ それでも、進歩よ!
ジョージ 逆にノンケっぽくって素敵だったわ〜、
みたいな感じ(笑)?
つねさん じゃ、俺、ノンケかな?(笑)
お掃除きらーい。
ま、それは置いといて。
ジョージ ‥‥もう、あなたという人は(笑)。
つねさん すいません。
ジョージ だから、インテリアはね、
まあいいわ、って感じ。
面白かったのが、グルーミングよ。
それはね‥‥

それは!? つづきます。
編集してて
掃除機を買い替えようと思いました。

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2004-02-08-SUN
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