ジョージ |
そうそう、あと、
ファッション担当の子は、
とっておきの勝負トランクスを
プレゼントしたのよね。 |
ノリスケ |
うん。黒ぉいシルクの。
ところが、そのデートの日は
はいてなかったのよ。 |
ジョージ |
そう、はいてなかった。
すっごい怒ってたね。
「違うじゃないの!
私が選んであげたのと!」。 |
ノリスケ |
それから、デートの最中に彼女が
ひっくり返ったじゃない? |
ジョージ |
ああ、ああ、ああ、ああ! チャイニーズガーデンで、
食事が終わって
2人で散歩してるときに‥‥。 |
ノリスケ |
ロマンチックな雰囲気になったのよね。
寄り添って
ささやき合いそうになった‥‥。 |
ジョージ |
そう、ちょっとささやき合って、
キスにいくかな?
っていう感じがしたんだよ。 |
ノリスケ |
そしたら彼がひざまずいたんだよね、突然。 |
ジョージ |
あの、彼がひざまずいて、
しかもズボンのポケットに
手を入れたんだよね。 |
ノリスケ |
それは普通はねぇ、
なにかが起こると思うわよねえ。 |
ジョージ |
で、これって、きっと、
小さな箱を出して、
そのまんまパカッて開けて‥‥。 |
ノリスケ |
ひざまずいたまま、お姫さま、 |
ジョージ |
結婚して下さいって。 |
ノリスケ |
リングを渡すに違いないわ、って。 |
ジョージ |
だから、すごい緊張が走ったんだよ。
オカマ5人はオカマ5人で、
何やるの!? この子、って、
あんなことは教えてもないのに、
って大騒ぎして、
すごいわ! って言って。
で、彼女は彼女で、
あ、もう今日きちゃうんだ、
みたいな感じだったよね。 |
つねさん |
ドキドキって(笑)。 |
ノリスケ |
だったよね、絶対ね(笑)。 |
ジョージ |
だったんだけど、
彼は、たまたまサンダルが。 |
つねさん |
擦れて痛かったんで
しゃがんだだけだったのよ!! |
ジョージ |
いててててて、って(笑)。
ほんで、しゃがんで、
「ごめん、足が痛い」
って言ったとたんに、彼女、
緊張の糸がプツンと切れて、
バターン! て(笑)ひっくり返って。
そしたら、オカマ5人が大騒ぎよね。
すっごいな、この子ーっ!!
笑わしてもくれるわぁ、って(笑)。 |
ノリスケ |
あれが、ノンケならではの
「隙」の加減よねえ。
モテるんだよね(笑)。
|
つねさん |
天然、ってやつだよね(笑)。 |
ジョージ |
そう。良かった。 |
つねさん |
でも、その後、ダンスしたんだよね。 |
ノリスケ |
ダンスしてたよ。
うん。で、たぶん、その後、
ミュージカルに行ったんだよね。
そこまではやんなかったけどね。 |
ノリスケ |
面白かった。こんなの毎週やってんだね。 |
つねさん |
ちなみに、この前 「サウスパーク」(アメリカのアニメ)で
パロディやったそうでーす。 |
ノリスケ |
おおっ? |
ジョージ |
街中の男達が
みんなかっこよくなっちゃうのよ。
どうしたんだ? って聞くと、
ファブ・ファイブが来て
やってくれたんだ、って。 |
ノリスケ |
(笑)。
そこまで流行ってるのねえ。 |
ジョージ |
でも、僕も昔やったよ。 |
ノリスケ |
えっ? なにを?
|
ジョージ |
「ノンケ改造計画」。
ともだちというか、
仕事がらみで、とても親しくしている
おじさんがいてね、
やっぱりね、色っぽーい人だったの。
|
ノリスケ |
うん。ノンケならではの。 |
ジョージ |
僕から見ると、ものすごい色っぽくて。
最初はね、彼はゲイなのかなぁ?
って思うぐらい色っぽかったんだよ。
でも粗削りなんだよ。おしゃれじゃない。
色っぽさがセクシーに
なってなかったんだよね。
そういう男の人って、水商売系の人から、
ものすごい人気があるの。
磨いてみたい逸品っていうの? |
ノリスケ |
ちょっと手をかければ光るのよ、っていう。 |
ジョージ |
そう。それで、モテモテだったわけです。 |
ノリスケ |
なるほど。 |
ジョージ |
で、彼に運命の出会いの女性が出現して。
そうするとね、彼、
一生懸命考えたんだよ。
もっと自分は彼女にとって‥‥。 |
ノリスケ |
魅力的で、セクシーで(笑)。 |
ジョージ |
彼女にふさわしい男になりたい、
って思ったらしいんだよね。
そのためには、
おしゃれになんなきゃいけない。
エッチからセクシーに、
方向転換しないといけない、
って思ったんだって。
でも自分ひとりではわかんないし、
誰に聞けばいいのかなぁー、って。
で、ピーン! って、
あ、いたいたぁ! あの人に聞こう、
っていうんで。 |
つねさん |
あんたかい。 |
ジョージ |
いちおうテーマを決めまして。
歌舞伎町というジャングルで
狩りをする男っていうのがテーマでね。 |
つねさん |
んなアホな(笑)。 |
ジョージ |
仕事を引きずっているんだけれども、
ひととき安息を味わいたい
男としての洋服上下と、
ただただ官能的に、
遊びに徹したい男の洋服と、
2人でもって旅行に行くときの、
この3点セット。ぜんぶ揃えました。
バーニーズ・ニューヨークで。
そんで、その、ぜんぶ出来上がって、
もう1回東京出てきてもらって、
一緒に床屋に行ったのね。
マニキュアもしてもらって。
で、あまりにいい出来だから、
記念撮影をしましょうってことになったの。 |
ノリスケ |
いやっ! なにそれ!?
記念撮影までしたの? |
ジョージ |
有名な伊勢丹の写真館でっ。
はい、これがそうですっ。
(写真を見せる) |
ノリスケ |
わはははははははは!
あははははははははは!
いやーっ、やめてーっ!(狂笑) |
つねさん |
ノリスケ解説して。 |
ノリスケ |
手前に椅子に座ったジョージさんが
いらっしゃいまして、
斜め45度でこっちを見てます。
そしてその椅子のひじかけのところに、
寄り添うように片尻乗せたその方がいます。
ジョージさんは
向かって右側の方に首をかしげ、
彼は左側の方にかしげ。
だから、寄り添うように顔を近づけ合って。
しかも視線の先には何もないような目線です。 |
ジョージ |
その人の右手、
ワシのケツの横に置いてあるんだよ。
さすがにね、これ出来上がって、
2人で見たとき、
パって開いた瞬間に、
バタッて閉じたもん。
もうドキドキしたもん。 |
ノリスケ |
まずいことしちゃったんじゃないかと。
普通撮らないですからね、男2人でね。
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