ジョージ |
たとえばコンビニエンスストアの
食品開発は、女の子集めてやるとかって
いうでしょ? あれは、お弁当の消費者が
女性が多いから、とかっていうけど、
大きなウソだよ。
男やおじさんたちは、
新しいことを決めることができないの。 |
ノリスケ |
考えつかない? |
ジョージ |
そう。女の子たちに
決めてもらってるんだよ。
決めてもらってるクセして、男の人たちは、
「彼女たちのアイデアをもとに」
っていうんだよ。
「決めたのは自分たちだ」って。 |
つねさん |
ああ、そうだよね! 確かに。 |
ジョージ |
それはずるいことだけど、
でも、それを聞いた女性が、
嫌なヤツ、って思うか、
いやぁ、かわいそうな人たち、
って思うのかでね‥‥。 |
つねさん |
変わってくるよね。 |
ジョージ |
そう、やっぱり気持ちの持ちようだろうと
思うんだ。でも、中には、どういうのかな、
やっぱり、女性たちは
未来の人間だっていうことを知って、
尊敬してる人たちもいるだろうからね。
そういう人をひとりでも増やすように、
みんな頑張らなきゃダメだよ、
っていう話はした。 |
ノリスケ |
はぁ〜〜〜!! |
つねさん |
ほぉ〜〜〜!(笑)はぁ〜、だね。 |
ノリスケ |
はぁ〜、なるほどね。 |
ジョージ |
さて、頑張るために
どうすればいいでしょう? |
ノリスケ |
男の人、ひとりでもそういうふうに
増えるようにするためには? |
ジョージ |
そうそうそうそう。 |
つねさん |
啓蒙する? |
ノリスケ |
でも、ストレートに言ってもダメでしょう? |
ジョージ |
そうなんだよね。
あのね、彼女たちはこうも言うんだよ。
男の人たちは、私たちのことを
いいように使ってる、って。 |
つねさん |
逆になればいいっていうこと? |
ジョージ |
うん、逆になれば、っていうかね、
もっともっといいように使ってもらって、
いなくては困る存在になればいい。 |
つねさん |
右腕とか? |
ジョージ |
右腕というか‥‥
そういう男は、絶対に女性を
右腕なんて思わないわけだから。 |
つねさん |
そうか。 |
ジョージ |
あのさ、僕、家出した話はしたんだよね? |
ノリスケ |
家出した話は聞いたけど、
いったいなぜかっていうのは
ちゃんと聞いてないよ。 |
ジョージ |
あー、なるほどね。
じゃ、その話からしようかな。
すっごいね、ウチのお父さんとはね、
険悪な関係になったことがあるの。 |
ノリスケ |
それ、さっきの話の続きになるの? |
ジョージ |
そう、もう、
あたかも自分が考えたことのように、
人のアイデアを言ったりね。 |
ノリスケ |
親子だから、よけい平気なんだね。
遠慮がないよね。 |
ジョージ |
そうそう、平気よ? ぜんぜん平気。 |
つねさん |
子どもの金はワシのもの、
子どものアイデアもワシのもの。 |
ノリスケ |
なぜなら、こいつはワシが作ったんだ。 |
ジョージ |
そう。それで、どんどん次から次へと
仕事つくるのよ、これが! |
ノリスケ |
ははははは、遠慮なく。 |
ジョージ |
できるだろう、みたいな感じで
仕事つくってくるんだけど、
それがまた邪魔臭くってねぇ、
とんでもない仕事ばっかりだったりするの。
で、すんごい嫌になって、
マジ切れ、ブチ切れ。ほぉんとに。
あんた、僕がいないと困るんでしょ、
って思って、
困らせてやろうとは思わなかったんだけど、
もういいや、と思って家出したんだよ。 |
つねさん |
もう面倒臭いやって。
金掴んで。 |
ノリスケ |
30? 20代? |
ジョージ |
32、3だよね。ま、ちょっとお金、
棚からぼたもち、みたいなのがあって、
逃げたの。 |
ノリスケ |
それがニューヨークだったのね(笑)。 |
ジョージ |
そう。で、確かに困ったらしいよ。 |
ノリスケ |
突然いなくなってやったの? |
ジョージ |
うん。いなくなってやったの、ほんとに。 |
ノリスケ |
書き置きを残して? |
ジョージ |
書き置きも残さず。 |
つねさん |
行方不明になったの!? |
ジョージ |
そう。 |
ノリスケ |
はぁ、ほんとに家出だ。失踪に近い。 |
ジョージ |
でも死んだと思われると困るんで、
えっと、家出して3日目か4日目に電話して。
すいません、生きてます。
ご迷惑かけますけど、
これからちょっとしばらく
どっか行ってきます。
でも、父はいなかったんだよな、
父の秘書が出て、
「今どこにいらっしゃるんですか?!」
「‥‥千葉のほうです」
「あ、千葉なのね、それじゃ、近いわね、
じゃ、また電話してね、連絡してね」
そこでガチャンって切って、
じつはそのとき成田にいたの(笑)。 |
つねさん |
わっはっはっはっは! |
ジョージ |
だって千葉のほうじゃなぁ〜い? |
つねさん |
間違いじゃない。 |
ジョージ |
で、ブーンって、NY! そんな感じー。 |
ノリスケ |
直前だ(笑)。
ま、それは、マネしていい
例じゃありませんね。
よっぽどのことだったとは思うけど!
で、困ったって? |
ジョージ |
すっごい困ったって。
何が言いたいかと言うとね、
一生懸命頑張って、
自分の手柄横取りにされてもなにしても、
要は、相手が期待する以上の仕事をすれば、
いなくなると困るんだよ。 |
つねさん |
うんうん。 |
ジョージ |
だから、彼女たちだって
そういうふうな人になりなさいよ、と。
たまたまね、そのときに、
その会社の社長室にいたら、
彼女のうちのひとりが、
なんかの企画書を持ってきて、
社長に報告してるんだよ。
なに言ってるのかわかんないんだけど、
どう考えても、彼女がいくつかの
間違いをして、
社長の期待通りではないらしいんだよね。 |
つねさん |
うんうん。 |
ノリスケ |
ふーん。 |
ジョージ |
だから、ブーッとして出てくんだよ。
でも、それはダメよ。
今日のあなたは、
社長の期待以下の
仕事しかしなかったんだから、
役にも何にも立ってないって。
あの瞬間、あなたがブーッてしながら、
私もう辞めます、って言っても、
誰も止めないよ? と。 |
つねさん |
あぁ。 |
ジョージ |
で、あの仕事は
どういうふうなつもりでやったの?
って訊いたらば、
「私じゃなくてもできる仕事だし、
私も忙しいのに、
なんで私にさせるんだろう?
と思ってやったんです」って言うからね、
それは大きな間違いでしょう、と。
私でなくてできる仕事を、
あなたがやり損なったっていうことは、
あなたはこの会社の誰よりも
レベルが低いってうことを
自分で認めたことじゃない? って。
で、誰でもできるかもしれない仕事を
与えられたら、そのときこそ、
誰にもできない仕事にしてやろうと
思いなさい。
で、社長に言われた企画書を作ると同時に、
その企画書を上回るようなアイデアか何かを
いちばん最後につけて、
社長、私ここまで考えてみたんですけど、
の一言もなんで言わないの?
っていうふうに言ったの。
それはやっぱり、女性が女性として
甘える行為だと思うんだ。 |
ノリスケ |
はいはいはい。 |
ジョージ |
ま、男はもっと甘えん坊だから、
男はもっと卑劣な手段でもって、
手抜きをしたり
自己表現したり
するんだろうと思うんだけど、
女性が戦うというところは、
そういうところで戦うことなんだろうと
思うんだ。今の日本の社会ではね。
でも、日本も、そのアジアの国も
同じなんだぁ、っていうふうに思ったのよ。
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