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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

おなごの仕事、おじさんの仕事。その4
ほがらかな自分、との対話。

ノリスケ そうすると、
今、その国で当たり前な感じなのかね、
その女の子たちのムード。
ジョージ うん、当たり前だと思う。
あの、マスコミの取材がやってきて、
男の編集長と女性ライターが来たんだよね。
で、この女性もね、にこにこさんだよ。
ものすごく好奇心が強いのね。
日本からやってきた人が、
どんなことを喋るんだろう? って。
んで、なんか一方的に喋るの嫌いじゃない?
ほがらかさん的には、和気あいあいと、
お話し合いをしたいわけじゃない?
とくに女性のライターが
目の前にいるわけだから。
ノリスケ その中から使えるところを使えばいいと
思うよね。
ジョージ んでね、いろいろ話をふったんだ。
すると、ライターの子、
一生懸命乗ってくれるのね。
ところがね、その男の編集長的には、
なんでそんな質問するんだ?
みたいな感じで、
途中で通訳もしなくなるんだよ。
つねさん ありゃりゃ。
ジョージ わ、編集長、じゃまくさー、とか思って。
だからライターの彼女も、夜誘ったのね。
ノリスケ はははははは。すぐ飛んできた?
ジョージ 来たよぉ!
でね、みんなでこういう話になったの。
彼女たち、認めて欲しいんだと言うのね。
だけどね、じゃあ彼女たちに、
どう認めて欲しいの? って訊いても、
あんまり答えがないんだよね。
「私はこうしたい」
という願望はあるんだよ。
だけど、そうすることによって、
どう評価されるのかっていうことは、
考えてないんだよ。
「したい」ばっかりなんだよ。
で、じゃ、あなたは誰のために
そうしたいのか?
って訊いても、答えられないのね。
したいしたいじゃ、
会社の中では仕事もできないし、
そうすることによって、
あなたは誰の役に立って、
誰からなくてはならない存在に
なろうとしてるのか考えたことある?
っていうと、
みんな一生懸命考えようとするんだよね。
これは女の人だけでなくて、
どんな立場の人でも働くときに
誰にどういうふうに評価されるために
働こうと思うのかっていうのは
考えないとね。
ノリスケ そのこと乗り越えると、
そのライターさんだったら、
編集長の評価ではなくてね、
読んでくれる読者のことを
もっと考えるようになって
さらにいい記事が書けるかもしれないし。
ジョージ うん、そうなんだろうね。
つねさん あー。
ノリスケ その会社の女の子たちがグループで、
これはお客さまのためにならないわ、
この上司じゃダメ!
って思ったときに、
小っちゃいながらも
会社を作るかもしれないよね。
ジョージ うん、うん。
それはそれでいいことだと思う。
だけど、たとえば、
自分のしたいことをさせてくれないから
辞めるんですっていうのは、
どう考えても負け犬の言うことだよね。
ノリスケ そうだよね(笑)。
つねさん で、逆にそういう人に限って、
それだけのものがあるかっていったら、
なかったりするわけでしょ?
ジョージ そう。
ノリスケ 僕ね、みんな、そんなにね、
たぶん大したもんじゃないと思うんだよ、
自分を含めて、ほんとは。
そんなに人と変わるもんじゃないと
思うんだよね。
ジョージ そう思うよ。だって、
ほんっとに人間って頑丈だよね。
ノリスケ 頑丈よー(笑)。
ジョージ 変わんないもん。
壊れないしね。
すんごい頑丈だと思う。
つねさん うん。
ジョージ だから環境が変わって変わるもんじゃない、
とも思うよね。
ノリスケ うん。
つねさん ここにいなくて
あっち行ってもいっしょだって?
ジョージ うん、そうそうそうそう。
だから、問題を起こす人は、
たぶんべつの環境でも
同じ問題を同じようにして起こすのかな。
だとしたら、やっぱりね、
人から期待されない人間ぐらい
悲しいものはないし、
人から期待されている限りは、
その期待に応えなきゃいけないし、
応えるだけじゃなくって、
上回らないと一人前として
認めてもらえないだろうなっていうふうに
思うよね。
そんなことをちょっとね、
考えた日々でございますのよ。
ノリスケ 今日は、真面目な話になったわ(笑)。
ジョージ ね〜。
でも最近、おなご、どう? 周りの。
ノリスケ 素晴らしいおなごもいるよ。
ジョージ 「も」(笑)。
ノリスケ 素晴らしくないおなごもいるよ(笑)。
それはもう一定量、
そういうことになってるのかなと
思うくらい(笑)。
ジョージ ん、素晴らしい男もいるが、
ハシにも棒にもかからぬ男もいるのと
いっしょだよね。
ノリスケ 僕の周りは幸い、
そうとう意識の高い人たちだと
思うんだけど、
それでもいろんな人がいるよ。
ジョージ 新入社員とか入ってきた?
中途採用の人が多いんだっけ?
ノリスケ そうね。
ジョージ じゃあ、あれだ、社会的にある程度
こなれた人たちばっかりなんだね。
ウチの会社もあんまり新卒採らないけど、
でも若い子って、なんか最近
変わってきたなと思うよね。
つねさん ああ、そう? どういうふうに?
ジョージ ウチの子は、あんまりそういうのないけど、
平気で辞めるからね。
ノリスケ あー、周り見てると思う!
ほがらかさんでそう思うの。
ジョージ あ、ほがらかさんは辞める子多い。
根性なしだから。
つねさん 辞めるよね、ほんっとに。
平気で1年以上
仕事してなかったりする子もいるんだよ。
ノリスケ そう、なんでできるの?
仕事をしていない状態ってことは
世の中と関わりがないってことよね?
ま、そんなお金、
どうやったってないけどー。
ジョージ じょうずに寄生するからでしょ?
つねさん あ、そっか。
ノリスケ でもそれは僕も、仕事がないとき、
そうさせてもらった時期があるから
否定できないんだけど。
ジョージ ほがらかさんの中にはね、
女以上に女っていうと
女性にしかられるのかな。
女の子の脆弱な部分ばっかりを
凝縮したような人がいるよね。
ノリスケ うーん。
ジョージ 私のことわかって欲しい、わかって欲しい、
誰もわかってくれない、
こんな自分じゃないはずだ、
なんでこんな自分になったんだろう、
周りが悪いからだ、じゃあ辞めてしまえ!
っていうの、多いのよ。
ノリスケ そっか、そっか、そう言われると
そういう部分が自分の中にあって、
いつも向き合ってるからわかるね(笑)。
踏みとどまってはいるけれど、
そういうふうに、もう、なっちゃえ!
っていうふうになったら、楽だろうなぁ、
って、思う自分が、いるんだもの。
ジョージ そうだね、ほがらか的な自分との対話って、
必ずそれがあるからね。
ノリスケ 自分の中にそういう人がいる。
僕ね、ホームレスになる自分まで
想像する(笑)。
ジョージ そう。それで、自己問答するじゃない?
そのときに、社会的な自分の部分が
踏みとどまってくれれば、
まだまだ頑張れるんだろうけど。
ノリスケ でもね、もちろん、
すごくちゃんとしている子もいるのよ。
僕の友だちが、こんど恋人ができたって、
嬉しそうに話してくれたんだけど、
友だちは34かな? 恋人が1歳下。
周りの友だちに訊くと、
「そんな子はほんとにゲイで珍しいね」
って、仲間うちで、
言ってもらえてるらしいのね。
普通の組織、それもどちらかというと
男社会の中で、
リーダーシップをとって
やってる子なんだって。
でも、友だちが言うには、彼、多分に、
たいへんノンケっぽいらしくって、
好きな食べ物は牛丼とラーメン、
趣味はパチンコみたいなとこがある
子らしいんだけどね(笑)。
ジョージ いるんだよね。
ノリスケ たまにはうんと美味しいものを
オシャレして贅沢して
食べに行こうよって言うと、
キョトンとされちゃうみたいなことを
言ってたけど(笑)。

ははは、カワイイ。
つづきます!

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2004-04-30-FRI

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