ノリスケ |
ノンケとゲイの違いって、
あるときから、襟足が違うな、と思ったよ。
自分を見てても思うし、
友だちを見てても思うんだけど、
ほがらかさんって、後ろ姿でわかるでしょ?
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ジョージ |
うん、たぶんね、ありとあらゆる
「きれい」が凝縮されてるのは
後ろ姿だと思う。
だから、ほがらかさんって、
後ろ姿でわかるの。
前からの姿っていうのは、
表情のある顔だとか、
洋服にしたって男だとネクタイがあったり、
女の人だとおっぱいがあったり、
セクシーだとか、ゴージャスだとか、
立派だとかっていういろんな要素が
前にはあるから、
あんまり「きれい」っていうのが
出てこないけど、
後ろ姿は、けっこうわかるよね。
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ノリスケ |
わかる。
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ジョージ |
男でいうと、いっしょうけんめい
整髪料を付けて、前のほうの髪の毛は
上手につくろってらっしゃるんだけれど、
後ろのうなじがぽわぽわしちゃってるとか、
フケが出ているとかね。
で、女の子でもあるもんね。
後ろ姿がみすぼらしい子。
やっぱり、「きれい」は、
首筋しゃんとしてて、
肩が落ちてなくって。
なで肩の人も、仕方がないから、
ちょっとカチッ、みたいな感じ(笑)。
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ノリスケ |
後ろ姿、チェックしない?
合わせ鏡で見たりしない?
あ、黙っちゃった、つねさんが(笑)。
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つねさん |
‥‥そんなこと、する?
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ジョージ |
(当たり前ふうに)するよ。
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ノリスケ |
毎日じゃないけど、気になるよね。
手鏡と姿見で合わせて見て、
あ、OKとか、やらない?
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つねさん |
やるの?
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ノリスケ |
‥‥つねさん、やらないんだ。
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ジョージ |
‥‥(つねさんを見て、あきれ顔)。
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つねさん |
やらない、ごめんなさい。
僕、ホモにふさわしくないかもしれない。
引退しまーす(笑)。
‥‥なにあきれてんのよ。
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ジョージ |
面白い〜。じゃ、ほがらか=きれい好き、
っていうわけでもないんだ‥‥。
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ノリスケ |
え? わかんないよ、
1万人中のひとりが、
たまたまここにいるのかも
しれないじゃない。
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ジョージ |
それは貴重かもしれない。
その人と付き合ってる僕って、
すごいかもしれない。
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ノリスケ |
はははははは。
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つねさん |
原石かもしれないよ?
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ノリスケ |
原石ぃ? 俺を磨けと?(笑)
ほんとは宝石だと? ずうずうしいわ。
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ジョージ |
そうそう、後ろ姿と言えばね、
この前、お花見に行ったのね。
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ノリスケ |
会社で?
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つねさん |
遊びで。
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ジョージ |
ダーリンとふたりで。
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つねさん |
ハニーとふたりで。
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ジョージ |
ね!
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つねさん |
ね!
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ノリスケ |
ハイハイ。新宿御苑ってことね?
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ジョージ |
そう!
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ノリスケ |
はははははは。
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つねさん |
7万人の人出だったのよ、その日の御苑。
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ノリスケ |
おそろしい!
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ジョージ |
7万人いたんですって。おそらくその中で
5千人ぐらいは、ほがらかさんよね。
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ノリスケ |
すごいねー!
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つねさん |
ほんっとにすごかったよ。
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ジョージ |
そう。それでね、わかるの。
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ノリスケ |
うん、我々はわかるけど、
普通の人にもわかるっていう意味の、
わかる?
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ジョージ |
さすがにそれはあんまりわかんないんじゃ
ないかな? だって、みんな男だから。
見た目は。
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ノリスケ |
まあね。
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ジョージ |
だけど、ね、それこそノリさんが
さっき言ったみたいに、
みんなうなじがきれいなのよ。みーんな。
で、誰一人として、
髪の毛に寝癖がついてないの。
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ノリスケ |
ああ。
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ジョージ |
ま、寝癖がつくような
髪の毛の長さの人が少ないっていうのも
あるんだけど。
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ノリスケ |
トレンド的にね(笑)。短髪多いし。
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ジョージ |
暖かかったからね、
Tシャツが多かったんだけど、
ジャストサイズのTシャツを、
きれーに着こなしになってらっしゃるのね。
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つねさん |
ああ、そうだね。うん。
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ジョージ |
それで、アウトドアなのに、
みんな、背中をシャンと伸ばして
お座りあそばしてらっしゃって。
あぐらをおかきになってらっしゃるのに、
背筋はシャン。
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ノリスケ |
はぁ‥‥そういう団体が
あっちこっちに(笑)。
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ジョージ |
そう、20人単位で、
ドン、ドン、ドン。ドン。
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つねさん |
50人くらいの団体もいたわ。
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ノリスケ |
お店のイベントとか、サークルとか。
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ジョージ |
そう。面白かったぁ。何が面白いって、
そこに行く前に、伊勢丹で
お弁当買いましょって寄ったのね。
そしたらば、伊勢丹の地下で
ビールを大量に買っていこうとする
オカマがいるの。ビールなんて、
べつに伊勢丹で買ってかなくても
いいじゃない?
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ノリスケ |
近くのコンビニで買えばいいじゃないね。
重いんだから。
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ジョージ |
そう。でもね、絶対あれね、
伊勢丹の紙袋に入れて行きたかったのよ。
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ノリスケ |
あー! でも変わっちゃったんだよね、
伊勢丹の食品用の紙袋。
前はかわいいカラーのチェックだったのに、
コストダウンかしら、1色刷りでさ。
再生紙でも1色刷りでもいいけど
紀ノ国屋のセンスを見習ってほしいわ。
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ジョージ |
そう。なんか貧乏臭いよね。
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ノリスケ |
ダメだよねえ。持ち歩きたくなくなった。
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ジョージ |
そう、絶対そう思う。
でさ、御苑なんだけど、
ノンケのオトウサンたちも
いっぱい来るのよ。
彼ら、かわいいんだ。
なんでノンケってわかるのかな?
かわいいのかな? って思うと、
やっぱり、隙があるの。
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つねさん |
うん、隙があるね。
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ジョージ |
でね、どっかにね、小汚ぁい部分があるの。
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ノリスケ |
だらしないとこが。
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ジョージ |
そのシャツは、絶対に外に出さないで、
ズボンの中に入れたほうがいいと思う〜、
とか。
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つねさん |
あるいは、そのシャツなら
出せばいいのに、とか。
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ジョージ |
その髪の毛、もうあと3センチぐらい
短くしたら素敵なのにぃー、とかっていう、
きれいになっていない部分が、
けっこう愛おしかったりするんだろうな。
‥‥あれ? じゃあ、
きれいじゃダメじゃん、モテるためには。
なんじゃい、こりゃ。
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ノリスケ |
はっはっはっはっはっは! 自己矛盾!
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ジョージ |
自己否定しちゃった。
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ノリスケ |
程よく雑な部分を残さなきゃいけないのね。
演出され切った雑さ?(笑)
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ジョージ |
フガフガフガフガ
(↑お笑いになっていらっしゃいます)。
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つねさん |
でもそれはさ、逆にビューティじゃなくて
プリティのほうじゃないの?
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ジョージ |
あ〜!
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ノリスケ |
そこ難しい(笑)!
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つねさん |
でも、雑な部分をプリティって思う
価値観が、あなたにはあるからでしょ?
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ジョージ |
うん、そう。でもね、なんか人工的に
「きれい」がいっぱいだと、
粗削りな「きれい」1歩手前っていうのが
魅力的になるのかな? っていう感じかな。
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つねさん |
天然物みたいな。
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ジョージ |
そう、天然物。養殖じゃないのね。
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ノリスケ |
つねさん、俺の出番だ、とか思ってない?
俺の時代だ、とか思ってない?
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つねさん |
あっ、ひひひひひひひ。ばれた?
しまったぁ(笑)。
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ジョージ |
あっ! あるかもしんないぃ〜。
あるかもしんないっ! それ〜ぇ!
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つねさん |
やっぱりほら、あれじゃん、
俺って磨けば光るんじゃん?(笑)
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ノリスケ |
それをいち早く見つけてる
ジョージさんなのね。
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ジョージ |
(急にしゃきっとして)
磨こうと思ってもね、
磨く部分が多過ぎてね、大変なの!
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ノリスケ |
こっちを磨いてるうちに、こっちがまた!
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ジョージ |
そうそうそうそうそうそう!
色変わってきたりとかするの!
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つねさん |
くすんでくるの。ワシゃ銀ですか?(笑)
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ノリスケ |
またいいふうに言うわね。
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ジョージ |
それで長続きしてんのかもしれなーい。
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ノリスケ |
そうかもよ?(笑)
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