ジョージ |
すっごい最初はね、考えたよ。
んー、どうしよう、
この人と付き合うっていうことは、
もれなくこれが付いてくるのだな、
とかって思ったんだけど。
|
つねさん |
はっはっはっはっは!
|
ジョージ |
でも、詳しくなったよね? けっこう。
|
つねさん |
ね。
|
ノリスケ |
ジョージさん、なんか、
クレヨンしんちゃんの映画が
素晴らしいって言ってたわよね。
悪いけど、考えられないわ。
|
ジョージ |
やっぱりね、人間って
学習と習慣の生き物だと思うのよ。
要は、その、回数よ、回数。
|
ノリスケ |
まあね。うん。
|
ジョージ |
うん。最初のあるハードルを
クリアしてしまえば‥‥(笑)。
|
ノリスケ |
クレヨンしんちゃんも、
ロードショーで見れるようになるわけね?
|
ジョージ |
自分の中に、その小部屋ができるわけだ。
僕の中には、もう今、
ジャパニーズアニメーションの小部屋が
できてるんで。
だから、この前「ほぼ日」のイベントで
『イノセンス』を観に行っても
いっぱしにお話ができるわけよ。
あれってあれの影響だね、とか。
|
ノリスケ |
はははははは。
連れてかれたのね、つねさんに。
ひとりで行けば?
って言わないとこが凄いよね。
|
つねさん |
いや、あの、よっぽどのものは言う。
|
ノリスケ |
よっぽどって、どのレベルなの?
|
ジョージ |
要は、どういうのかなぁ、
オタク万歳! っていうの、あるじゃない?
|
ノリスケ |
ある。
|
ジョージ |
で、それはね、とりあえず、いいわ、って。
|
ノリスケ |
さすがにちょっと、うん。
|
ジョージ |
そこまで一緒に観ろ、って言われたら、
もしかしたら僕はあなたのことを
嫌いになるかも知れない、
っていうのがあるんで(笑)。
|
つねさん |
紙一重だったのね!
|
ノリスケ |
それは防衛策として
「ひとりで見て」って言うわけね。
|
ジョージ |
そう。そう。
で、逆はまた真で、付き合う前、
この人っていうのは、
ブランド物のBの字もないのよ。
|
つねさん |
あ、そうそうそう!
まったく知らなかったの。
|
ノリスケ |
あ〜!
|
ジョージ |
特に、あの、カバン系?
|
ノリスケ |
あー、ジョージさんが好きな。
|
ジョージ |
そう。ぜんっぜんないのよ。
時計もないでしょう?
光ってるものもないでしょう?
|
ノリスケ |
だってつねさんって、
サイズの合う洋服を着れてればいいって
いう人だから。
|
ジョージ |
そうそうそうそう、そんな感じ。
|
つねさん |
それそれ。
|
ジョージ |
それがね、最近ね、その‥‥(笑)。
|
ノリスケ |
いや、こないだびっくりしたよ、
携帯ストラップがグッチだったんだもん。
|
ジョージ |
そう。
|
つねさん |
だって、色がきれいじゃん。
|
ノリスケ |
こういうことを言うようになったわけね。
|
ジョージ |
それで、たとえば街歩いてて、
パチモンっていうのかしら。
偽物を持っている人がいたんだよ。
そしたらそれを見て、
「ねぇ、あれってニセモンだよね」
わかるようになったのよ!? これが!
|
つねさん |
いや、こわいわねー、
自分の成長が。まったくもう(笑)。
|
ジョージ |
なったのよっ!?
|
ノリスケ |
どこでわかったの?
|
ジョージ |
感覚が違うっていうの。
|
ノリスケ |
ああ、そう。まー、生意気ぃ(笑)。
|
ジョージ |
そう。それと、
「あれは見たことがない」とかって言うの。
|
ノリスケ |
あー、データベース的に
あり得ないかたちだと。
|
ジョージ |
そう。
|
ノリスケ |
で、ブランド何だって?
|
つねさん |
ルイ・ヴィトン。
|
ジョージ |
で、「あれは新作なの?」って言うから、
「ううん」
「そうだよね、あれ、偽物だよね」
とかって言うようになるのよ。
|
つねさん |
怖い話だよね(笑)。
|
ジョージ |
だけど、だけど、たとえばあの、
時折ね、昔を思い出して、
吐くほどのお買い物をしたくなる
衝動にかられるとき?
|
ノリスケ |
月500万円のお支払いを。
|
ジョージ |
で、そういうのをたまにしたいな、
って思うときには、いちおう内緒で行くの。
連れてかないの。
そういうとこ見せて嫌われると困るし。
|
つねさん |
え、俺、見たいぃ。
|
ジョージ |
いやぁ、こわいぃ。
あんな自分は見せたくなーい。
|
つねさん |
え? ぜんぜん俺、止めないよ?
|
ノリスケ |
こないだ、ほら、
アヴェダには連れて行ったことが
ないとか言ってたもんね。コスメ系。
|
つねさん |
ああ、そうそうそう。
|
ジョージ |
まだそのあたりはちょっと。
でもね、わかるの、これが。
あんた、このコスメ、
新しいでしょう、とか、
わかるようになったの。
|
ノリスケ |
あらっま〜。
|
ジョージ |
んで、すごいのが、買うでしょう?
んで、幾らぐらい? って訊かれるのよ。
たとえば、これって12万ぐらいした?
って言うのね。ニアリーなんだよ!
|
ノリスケ |
ちょ、ちょっと、何が12万もするの?
なに? その変な数字は。
半端に高いんだけど。
|
ジョージ |
ヒミツっ!
でも、そういうのね、なんか、楽しいよね。
あと、ご飯食べに行っても、ね。
|
ノリスケ |
ああ、それ、聞いたわ。
お寿司屋さんでしょう?
|
ジョージ |
名台詞よ。「引き返せない」。
|
つねさん |
わはははははは!
|
ノリスケ |
これ食べちゃったら、
もうほかの寿司は食えないって?
|
つねさん |
誰だろうね? 嫌なやつ!
|
ジョージ |
ほんとにぃ。
でもね、でもそれはそれでね、うれしいの。
たとえば、なんか美味しいもの
食べに行きたいねぇ、とか言うと、
ふたりでもって「あれっ!」って言うと、
その「あれ」が一緒になったりとか
することがあるの。
|
つねさん |
今日、何が食べたい? とかっていったら、
なんとなくわかるのよ。
|
ノリスケ |
‥‥これがほんとの「ご馳走さま」。
|