ジョージ |
でもやっぱり、おんなじようなことを
おんなじように考えてることって‥‥。
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ノリスケ |
嬉しいことよね。
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ジョージ |
嬉しいこと。
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ノリスケ |
長く続くっていうのは、
燃え上がるような瞬間の先にある
あたたかなよろこびを
積み重ねていくことだよね。
確かに燃え上がるような瞬間は
なくなるけど、
そこで中毒みたいになって、
それがないとダメ、次、はい次、
ってやってると、
その先にあるしあわせを
知らずにいることになるのにな、って、
ちょっと思うんだよね。
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つねさん |
たとえばね、歩いてるじゃん。
で、突然おんなじ鼻歌を
一緒に歌い出したりするんだよね。
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ジョージ |
それはちょっとウチ、
ヘンテコリンなんですよね。
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ノリスケ |
ええ、それはちょっと変です!
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ジョージ |
(笑)たとえば、今流行ってる歌を
ふたりが同時に歌い始めたとかって
いうんならいんだけど‥‥。
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つねさん |
勝手に創作した。
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ジョージ |
メロディーラインがぜんぜんないような。
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ノリスケ |
曲を?
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ジョージ |
♪ふふふふふふ〜ん‥‥ふふん♪
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つねさん |
(同時にステレオで)
♪ふふふふふふ〜ん‥‥ふふん♪
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ジョージ |
‥‥いやーっ!
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つねさん |
わはははははは!
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ノリスケ |
ははははは。なによそれ?!
そんなヘンテコなメロディが
なんで同時に出るのよ!?
あーっ、気持ち悪いっ!
ああ、気持ち悪いっ。
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ジョージ |
こういうのがけっこうあるの!
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ノリスケ |
ああ、やだ。
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つねさん |
すごいでしょう?(笑)
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ジョージ |
ノリさんに、引かれちゃった。
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つねさん |
いや、っていうか、
今みたいなこともあるけど、
メロディの数珠繋ぎみたいに
ヘンテコな歌を歌っていく、
みたいなこともあるのよ?
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ジョージ |
ま、それもあるね。
それは日常茶飯事。
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ジョージ |
ふたりならではの遊びが
発明されるっていうことですかね(笑)。
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つねさん |
遊び、遊び。
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ノリスケ |
わかるけどね。
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ジョージ |
うん、あのね、よくね、
倦怠期をお迎えになった方々が
おっしゃるのが、ウチは会話がないだとか、
一緒にいて何をすればいいのかわかんない、
とか‥‥。
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ノリスケ |
あれ? 倦怠期とは、
恋愛倦怠期という意味でね。
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ジョージ |
だいたい夫婦でもね、たとえば最初の、
飛行機で会ったケンカしてる夫婦も、
あれはあれで
コミュニケーションなんだろうね。
ふたりで、たぶん、
声にならない会話をしてるんだよ。
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ノリスケ |
夫婦漫才。
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ジョージ |
そうそうそう。
だから、ケンカに見えるけど、
絶対最後まで言い張らないんだよね。
で、コロッと話題を変えることの上手さ。
奥さんに毒づかれたあとに、
「おまえに頼まれたものなかったから」。
すっごいかわいいなと思って。
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つねさん |
そうそうそう。あれはかわいかった。
だから、奥さんもけっこうわかってて。
いつも、なんだろうな。
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ノリスケ |
そこまで行ったら、
うらやましい関係よね。
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ジョージ |
だから、会話がないとか、
一緒にいてすることがないから、
どうしましょうって言う人がわからない。
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ノリスケ |
無理してもねぇ。
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ジョージ |
おんなじ趣味を持ちなさいとかって
たまに言う人がいるけど。
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ノリスケ |
無理だよぉ。
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ジョージ |
無理。だって、この人、
最近テニスにはまってるけど、
僕、絶対にテニスに行かないもん。
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ノリスケ |
ウチもさ、だからさ、たとえばね、
ジェットコースター乗りたいとか言うとさ、
もうすっきり、誰か友だちと行けば?
って言われちゃう。すごいすっきり。
共通の趣味なんかないですよ。
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ジョージ |
共通の趣味じゃなくて、一緒にいる時間は、
一生懸命作ろうとするよね。
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つねさん |
そうだね。お互いがね。
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ジョージ |
時間は大切にするよ。
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ノリスケ |
うん。それはよくわかる。
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つねさん |
だから、なるたけっていうか、
約束の時間とか、何かない限り守る。
とくに外で会うときとかは。
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ジョージ |
なるべく、規則は作らないようには
してるんだよ。
義務感とかで会うようになると、
やっぱりろくなことはないじゃない?
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
たとえば、一緒に住んでると、
おんなじ場所に帰ってくるから、
約束なんかなくったって
一緒にいられるでしょう?
ウチは別々に住んでるから、
たとえば、毎週週末は一緒にいなきゃ
いけない、っていうと、
それは義務になるんだけど、
そうはしていないの。でも、
一応、毎週は会ってるよね。
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つねさん |
うん、基本的に会ってるよね。
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ジョージ |
だけど、それはなんか、
自然に会ってるだけであって、
なるべく規則にはしないようにしてる。
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つねさん |
習慣になっちゃってるよね。自分の中で。
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ジョージ |
ひとりでいるよりは
ふたりでいるほうがいいから、
どっちかのウチにいるのが自然かな、
って思ってる。
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ノリスケ |
そうだね、僕も規則つくってないな。
規則作られると大変なんだ。
ご飯は必ず作らなきゃいけない、
洗濯は必ずどちらがする、
できなかったらペナルティ、
そんなんだと、大変だと思うわけ。
で、相手も、洗濯はたとえば
やってくれるんだけど、
やんなきゃいけないっていう
ルールじゃない。たまたまそうなってる。
で、ご飯も、作れないときはあっても
しょうがないと。
そのときは何とかするから大丈夫だよ、
が前提で、基本的には作るとかね。
っていうのはあるけど、
ルールじゃないねぇ。
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ジョージ |
一応ウチもね、
得意なことは得意な人がすれば
いいことにしてる。
で、ウチは掃除は絶対、
言っても仕方がないから。
ま、散らかすだけ
散らかしといてくれればいいかな、
みたいな感じではあるけどね。
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つねさん |
だいぶ片づけるようになったでしょ?
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ジョージ |
だいぶ片づけるようになった。
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つねさん |
でしょ? うん。ひところに比べたら。
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ジョージ |
もうこれはね、偉いなと思うんだけど、
片づけてるフリをしてるだけであって。
片づけるという行為を
わかってしているわけではないのよね。
でも、A地点にあるべきものは
A地点にたまってる状態にはなった。
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ノリスケ |
成長したわねえ、つねさん。
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