ジョージ |
あとはね、特別な出来事がなくっても、
その日のことを、わりとよく喋る。
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つねさん |
今日、忙しかったよ、とかね。
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ジョージ |
そう。それでたまにね、
すんごい疲れてんのにね、なんかね‥‥。
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つねさん |
ワシがベラベラ喋ってる。
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ジョージ |
そう。今日の昼間にどこそこで
誰それに会ってね、
久しぶりに会ってこうやってね、
どうとかこうとかって言われるとね、
あぁ、聞くの辛いよぉ、って思うんだよね。
辛いよぉ、って思うんだけど、
ん、ま、いっか、みたいな感じ?
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つねさん |
逆にね、この人が地方出張のとき
電話がつながらないことがあるの。
そういうとき逆にこっちもね、心配はする。
大丈夫なのかなぁ? とかね。
東京でも、会食、この人多いから、
ま、そうだなとは思うんだけど、
なんかね、1時ぐらいまで
かけてこなくって。
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ノリスケ |
取引先のおじさんと歌舞伎町で
おねぇちゃんのオッパイを
揉まなくちゃいけなかったり
するんでしょう? お仕事柄。
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ジョージ |
それ! そうなの。
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つねさん |
芸者上げて素っ裸になってるかも
知れないし。
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ジョージ |
そうそうそう。
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ノリスケ |
そうだよね、
もう携帯どころじゃないっていう(笑)。
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ジョージ |
部屋帰ってきてね、
泣きながら髪の毛洗うんだよ、
あ〜、女くさい! 香水くさいっ!
とかって言いながら。
穢されたっ! って思うんだけどね。
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ノリスケ |
野球拳で素っ裸になって(笑)。
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ジョージ |
そう。もうね、辛い、辛ぁい、
みたいな感じ。
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つねさん |
はははははは。
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ジョージ |
そういうのはあります。
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ノリスケ |
ジョージさんの会社のおじさんたち、
帰るコールとかさ、そんな言葉、
今ないか(笑)。してる?
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ジョージ |
うん、でも半々だよ。
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ノリスケ |
してる人はしてる?
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ジョージ |
してる人はしてる。
で、逆に、なんか、10時ぐらいになると
必ず奥さんから電話がかかってくる
人とかいるよ。
あなた今どこにいるの? みたいな。
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ノリスケ |
怖い(笑)。
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ジョージ |
僕が電話に出なきゃいけなくなるんだよ。
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ノリスケ |
ははははははは!
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ジョージ |
今、社長と一緒に飲んでるから、って。
それで出るんだよ、
「もしもし? いつも誰それ君には
お世話になっていまして」とかいって、
「すいません」とかって。
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ノリスケ |
「今日はちょっとお借りしますから」。
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ジョージ |
そう、「お借りします」
「あ、いつもお世話になっているようで」
って、えーっ?
今日、すごく久しぶりなんだけど、
って思いながら、
「ええ、そうなんです、毎日毎日」って。
そんな感じはある。
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つねさん |
でも、逆にさ、僕らの電話は、
どこにいるの? っていうの、
全くないよね。
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ジョージ |
ない。
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つねさん |
詮索する電話じゃなくって、
自分を伝える電話だから。
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ジョージ |
うん、基本的に、
一緒にいるときは一緒だけど、
どこにいるのかは関係なく、
一応無事であればそれでいいなと
思っているので、無事の確認だけだよね。
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つねさん |
そうそう。うん。
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ノリスケ |
僕はなんとなくクセで、どこにいるよ、
って入れちゃうけどね。
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つねさん |
いや、それはべつにあるんだけど、
それは本人の自己申告。
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ノリスケ |
詮索はしない。
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つねさん |
そう。あんた今、どこで誰と何やってるの?
みたいの、全くないよね。
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ジョージ |
ない。
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ノリスケ |
だいたい行動半径わかってるからね。
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ジョージ |
うん。そうだね。
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ノリスケ |
だから、なんとなく安心できるよね。
よっぽどのことがない限りね。
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ジョージ |
うん、そう。それも礼儀だね、やっぱりね、
人に対してのね。
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ノリスケ |
うん。情報公開。
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ジョージ |
情報公開と、スパイ行為はしない。
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ノリスケ |
しない。それも紙一重だからね。
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ジョージ |
そういうことだと思うな。
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つねさん |
そう。やっぱり、なんかウチ、
友だちのカップルでさ、
それこそさっきの詮索じゃないけど、
あの、もう携帯の着歴とかメールとか、
揚げ句はパソコンのパスワード知ってて、
人のメールを勝手に見て
チェックしてる人がいたからね。
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ジョージ |
それってたぶんね、
その人を尊敬してないんじゃないかと思う。
僕、人は人を尊敬できなくなると、
対等な付き合いはできなくなると
思うからね。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
ウチのおふくろなんて、
あんなひどい亭主でもね、
家庭人としてもね、
尊敬してるんだと思うよ。
お互い尊敬し合ってるなと思うもん。
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ノリスケ |
偉い。
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つねさん |
たとえば星見たりとか映画観たりとか。
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ノリスケ |
ふたりで旅行行ったりしないの?
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ジョージ |
するよ。今も行ってる。
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ノリスケ |
ほんとぉ。仲良しじゃん。
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ジョージ |
そう。だって、おやじはおやじで
おふくろのことを世界一だと思ってるし、
おふくろもおやじを世界一だと思ってるし。
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ノリスケ |
あらっ!
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ジョージ |
僕の場合でも、一応つねさんのことは
世界でいちばん素敵だと思ってるし。
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つねさん |
僕もいちばん好きだよ。
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ジョージ |
ね。
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つねさん |
ねぇっ。
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ノリスケ |
‥‥はぁっ?‥‥(あくび)
‥‥はい(笑)。
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ジョージ |
なぁんでぇ?
世界でいちばんだと思わない?
自分の好きな人のこと。
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ノリスケ |
思っても、こういう場でしれっと
言うあなたたちがすごい。
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つねさん |
それを口に言わなきゃ。
出して言わなきゃ(笑)。
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ノリスケ |
言わない。人前じゃ。
言わない言わない。
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ジョージ |
こぉんなに腹が出てて‥‥
(パンッと音がして)
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つねさん |
あいたっ。
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ジョージ |
酔っぱらうと大声で喋るし、
いっぱい酒は飲むしね。
でも世界一だと思ってるよ。
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つねさん |
ありがとう。
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ノリスケ |
あらまぁ。
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ジョージ |
いちおう。
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つねさん |
「いちおう」ってつけるな!
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