ジョージ |
女性的に、自分の彼氏は
メトロセクシュアルであると幸せなの?
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ノリスケ |
ちょっとね、今、女の気持ちになって
一生懸命考えてるんだけどね(笑)。
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ジョージ |
ぼくが女の子で、ぼくのつねさんが、
メトロセクシュアルだったら、
ちょっと嫌かも。
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ノリスケ |
うん。すごい嫌でしょうねえ。
だらしないのが、好きなんだものね。
完ぺき主義のジョージさんの
唯一の心の隙が、つねさんなのよねえ。
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ジョージ |
うん、そんな感じ。
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つねさん |
ま、いいや。
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ジョージ |
でも、なんか、ほんとに、
今、もてはやされてる
メトロセクシュアルって、
ただのスタイルだよね。
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ノリスケ |
うん。うん。ただのスタイル。
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つねさん |
生き方とかじゃない。
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ジョージ |
んー、スタイルだよね。
わかった、ものすごく大々的に
アメリカで認められた、亭主改造計画だ。
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つねさん |
ファブ・ファイブみたいなもの?
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ジョージ |
でも、ファブ・ファイブの
素敵なところっていうのは、
「あなた」を引き出すところじゃない?
たとえば、この前、
ぼくたちが見たやつだって、
料理を上手に作れるようになることが
目的ではなくって、
料理もしないようなイメージの人が‥‥。
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つねさん |
頑張って、彼女のために‥‥。
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ノリスケ |
ぼくだって料理もするんだよ、と。
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ジョージ |
他人のためには絶対料理も作らないし、
自分のためにも料理を作らないけど、
おまえのためなら
料理を作れるっていう‥‥。
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ノリスケ |
ことを、アピールしなさいと。
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ジョージ |
そう、その心構えが
「料理を作る」ということに
なったわけでしょ?
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
たぶん、料理を作って
当り前のような人には、
ファブ・ファイブのあの5人は、
絶対料理を作れとは
言わなかったはずなんだよね。
むしろ、料理が上手な人であるとしたらば、
彼女に料理を作ってもらうように
仕向けると思うんだよね。
で、自分が作ったほうが、
絶対おいしい料理が
作れるのにもかかわらず、
彼女に作ってもらった料理が‥‥。
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ノリスケ |
おいしいとちゃんと言うのよ、と。
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ジョージ |
そう。あるいは、彼女が作っているのを、
横に立って一緒に手伝ってあげる
とかのほうが、
ぼくは素敵なことだろうと思うんだよね。
だから、ぼくが女の子だったとして、
つきあってる男の人には、やっぱり、
どこにもないその人になってほしいし、
その人が持っているものを、
もっと正しく表現してほしいな、
って思うよね。
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つねさん |
うん。
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ノリスケ |
ヤッピーがただのファッションに
なってしまったように、
これもそうなんじゃないの?
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つねさん |
うん、そうなんだろうね。
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ジョージ |
だと思う。
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ノリスケ |
あとで、変な流行だったねって
思われるんじゃないの(笑)?
どうなんだろう?
ま、自分の世界でいうとさ、
身近なところにはコミュニティが
いくつかあるじゃない?
友だちのグループが。
そういうところに少しずつ
所属していきながら、自分があるでしょ?
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ジョージ |
うん。
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ノリスケ |
その中には、当然ファッションも
含まれているし、何が食べたいか、
何を飲むかとか、
どこに行くのが好きかとかって、
完全に同じグループにいるんじゃなくて、
この人たちとはこういう話ができる、
この人はこういうところが合う、
みたいなことをいくつか持っていて、
自分が真ん中にいるじゃない?
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ジョージ |
うん。
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ノリスケ |
で、そうなってくると、
べつに、マニュアルっていうのは、
お父さんが教えてくれなくっても、
先輩が教えてくれなくっても、
自分らしくするっていうことは
見つかると思うんだ。
そんなに難しいことでは
ないはずなんだけどなと思うんだよね。
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ジョージ |
そう思うんだけどね。でね、最近ね、
よく思うのが、なんでこういう
メトロセクシュアルになるガイド、
みたいな記事が必要かっていうと、
女の方向性と男の方向性に、
ズレがあるからじゃないのかな?
こういう本でくっつける必要が
あるんだろうと思うんだよね。
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ノリスケ |
あー。
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
永遠にズレちゃってるから、
ほっとくとズレっぱなしになるから、
無理矢理にでもいいから、
ギプスみたいなものをはめて矯正しないと、
男は女の方に歩み寄れないから。
だからこういうカタチを
作っちゃうんだと思うんだよ。
で、なんで男と女が
バラバラであり続けるかっていうと、
行動の前提が違うの。
女の人って好奇心で行動するんだと思う。
たえず新しいものとか、
自分が知らないものに対して、
ものすごく興味を持つじゃない?
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つねさん |
男は自分のテリトリーで‥‥。
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ジョージ |
男はね、経験で行動するんだと思うんだよ。
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つねさん |
はー。
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ジョージ |
だから、たとえば、
新しくできた話題のレストランに、
まずいちばん最初に行くのは女の人じゃん。
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
で、女の人がまず行って、
そのあと、男を連れていくでしょ?
だけど、老舗っていわれてる寿司屋とか
てんぷら屋に行くと、
男と女のカップルがいたとしたら、
絶対男が連れてってるんだよね。
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ノリスケ |
うん、うん、うん。
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ジョージ |
オレ、いい店知ってるから、って。
経験でしか行動をしないでしょ?
そうすると、永遠に男は女の人に
新しいとこを紹介してもらって、
その後をついていくしかない存在じゃない?
で、しかも、ついてったときに、
いや、この店だったら、
オレが知ってるあの店のほうが良かった、
とかって平気で言うんだろうと
思うんだよね。
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つねさん |
あぁ‥‥。
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ノリスケ |
うん、うん。
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ジョージ |
お馴染のお店だったらば、
名前も呼んでくれるし、
いい顔もさせてくれるし。
だけど新しいお店だったら、
連れていってくれた女の人のほうが
よく知ってて、自分がよく知らないから、
いい顔しないの。
だからどんどん女の人は
男の人と行くのがつまんなくなって、
女同士で新しいとこに行くんだよね。
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つねさん |
海外旅行だってそうだよね。
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ジョージ |
それじゃあ悲しいでしょ、って。
自分が付き合ってる彼女が、
彼女の女友だちといっしょに
メシを食うときのほうが楽しそうに見えて、
自分と飯を食いに行くときには、
居酒屋だったりファミレスだったり、
マクドナルドだったりするんじゃ、
悔しかないですか? っていうのが、
「メトロセクシュアル」
を啓蒙したいってことの
スタートだと思うんだよね。
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つねさん |
ああ、最初はね。
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ジョージ |
それが、マニュアル化されて、
本質までいかないで、
彼女と一緒にレストランに行って
恥ずかしくないような洋服を
着ましょうとか、
行ったときにバカにされないような
エチケットを身につけましょうとか、
そういうことになっちゃうと思うんだけど、
そんなことはどうでもいいんだよ、
ほんとはね。
女の人が好奇心でもって
行動するんだったら、
男も女の人とおんなじくらいの好奇心を
発揮したらいいのに。
そういう意味では、
新しいお店を紹介してくれる男性誌は
大事よ?
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ノリスケ |
教えてくれるからね。
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ジョージ |
ああいうのを読んで、
こういうレストランができたんだ、
ああいうブティックができたんだって。
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つねさん |
ちょっと行ってみようか、みたいな。
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ジョージ |
うん、ちょっと行ってみようかって
行ってもいいし、自分の彼女が、
このまえ友だちと一緒に
こういうお店に行ってきたの、
っていったときに、ああ、そうなんだ、
って答えるだけじゃなくって、
ああ、ぼくも読んだよ、って。
銀座の新しいビルにできた店でしょ?
って。
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つねさん |
うん、そしたら会話が弾むしって。
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ジョージ |
ほんとはぼくも行きたかったのに、
なんで誘ってくれなかったの?
って言ったら、彼女も、
ああ、悪いことしたな、って。
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ノリスケ |
こんど一緒に行こうね、って。
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ジョージ |
言ってくれるんだと思うんだ。
‥‥自分のまわりに、
メトロセクシュアルな人ってだれ?
いる?
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ノリスケ |
みんな頭ボサボサだなぁ(笑)。
メトロセクシュアルって、いるかな?
‥‥いないよ。
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ジョージ |
いないね。
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ノリスケ |
古いタイプの男の子はいる。
未だにいるんだな、
と思うような子がいるし、
うん、男として一生懸命生きてる人もいる。
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ジョージ |
いるね。
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ノリスケ |
いる。それはすごく気持ちがいい。
ちゃんと考えたり経験したりして、
自分で決めたことを増やしてる人。
どんどんね。そういうのは、男っぽくて、
男らしくていいなと思うんだよね。
迷いがなくなってくのね、
どんどん、歳を取るにつれて。
いろいろ悩んだけど、
これに決めたってことを、
ちゃんと大事にしてるっていう
暮らし方をする人は、
いいなぁと思うんだよ。
考えた結果だなと思って。うん。
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ジョージ |
突き詰めるところ、
たぶん役割を越えたいってことだと
思うんだよね。
自分が生きていく役割を、
性別じゃない役割をね、
やっぱり確立できれば、
メトロセクシュアルに近づくんだと
思うんだよね。
どういうのかな、性別を飛び越えて、
ある部分では女の子と友だちのようであり、
仲間のようであり。でも、妙に、
女の子に好かれることばっかり考えて、
まるでニセモノのオカマみたいに
なることに努力するんだったら、
逆に男の役割を徹底的に果たして、
男を突き抜けていった先に
女の人と語り合える部分があったりして?
それこそ、どういうのかな、
女の人が、誰よりも女らしく
生きていこうとするときの苦労と、
男の人が誰よりも男らしく生きていこうと
努力したときの苦労って、
たぶんおんなじだろうと思うんだよね。
どっちも、ジャマくさいことがあって、
誤解されるようなことがあって。
したいことをさせてくれないことが
あったりして。
その部分では、すごいわかりあえると思う。
わかりあえるけど、お互い、
答えは出せないんだよね。
答えは自分で見つけないと
いけないわけであって。
そっちのほうが、ずっとなんか、
ほんとうのメトロセクシュアルのような
感じがするけどね。
メトロセクシュアルは、
ユニセックスじゃないんだよ。ぜんぜん。
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つねさん |
うんうんうんうん。
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ジョージ |
男の腐ったみたいなのには、
なっちゃダメよ?
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ノリスケ |
ははははははははは。
臭そう、男が腐った臭い(笑)。
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ジョージ |
だから頑張らなきゃ。
オカマはもっと頑張らなきゃダメって感じ!
男が腐るとすごい臭いがするけど、
オカマ腐ると、
もっとすごい臭いがしそうなんで、
腐んないように頑張りま〜す。って感じ。
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ノリスケ |
でした!
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つねさん |
ちゃんちゃかちゃん!
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