ジョージ |
奇襲攻撃みたいな会議とかって、
しないでしょう?
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ノリスケ |
奇襲攻撃って、どういう会議?
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つねさん |
突然、なんか‥‥。
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ジョージ |
要は、お互いがお互いの
揚げ足を取るような。
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つねさん |
はぁ。
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ノリスケ |
ないない。
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ジョージ |
罠を張ったり、
落とし穴を掘ったり。
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ノリスケ |
え? そんなことしたって
何にもならないじゃない。
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ジョージ |
なんにもなんないと思うでしょう?
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
なんにもなんないと思うのは、
みんなで仲良くお仕事をして、
会社全体が発展すれば、
べつにボクひとり
凹んだって大丈夫じゃない、
っていう考え方だと、いいんだよ。
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ノリスケ |
うん、うん、そうそうそうそう。
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ジョージ |
でも、会社はほんとは、
そうじゃないといけないんだよね、
会社全体が発達すれば
それでいいわけなんだけど、
そうじゃなくって、んー、
おんなじ部署でテーブルを並べてる
隣の人よりも、ボクのほうが
褒めてもらわないと出世しないっていう
世界もあるんだよ。
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つねさん |
うん、上にいきたいと。
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ノリスケ |
あー、そっか、そっか。
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ジョージ |
そうすると、その、Aさんが、
訊かれたくない質問をすれば、
結果的に質問をしたAさんが‥‥。
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ノリスケ |
おとしめられちゃうわけだ。
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ジョージ |
そういうこと。
だからそういうことが
たまに起こったりとかするんだよ。
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ノリスケ |
そういう質問を用意していくための
奇襲会議。
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つねさん |
すげぇ。
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ジョージ |
すっごいよー。手を変え品を変えだもん。
そういうのを見てると、すっごい面白いよ。
で、あからさまなね、欠点を指摘するとか、
不手際をどうこうっていうと、
やっぱり会社のムードがいいときって、
そういうことをする人はダメなのよ。
おまえ、そんなことを言うヒマがあったら
自分のとこをやりなさい、
っていうことになる。
で、それじゃあ、っていうんで、
このまえ繰り出された奇襲が、
1、2、3という部署があってね。
1の部署がね、言われてもいない、
なんかすごい報告書を
プレゼンテーションの書類にして配ったの、
みんなに。
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ノリスケ |
へー。
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ジョージ |
そうすると、おおっ! って思うじゃん。
最初はモノクロのやつ。
ははぁ、って思うじゃん。
そうすると2の人は、
そんなこと言われてもいないし、
するものともぜんぜん
イメージできてないから、
ないのよ、資料が。
もう彼なんか、あ、やられた! って
思わず口に出ちゃったぐらいなんだよ。
あ、やられた、って。
で、その、2の人が説明を始めたときに、
今日は、その、提出できる書類を
作っておりませんで、って言ったとたんに、
みんなが、あ〜っ!
っていう失望の声なんだよ。
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つねさん |
すげー。
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ノリスケ |
へぇーっ!
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ジョージ |
そうするともう、
1はしてやったりなわけだよね。
でもまあ、その、報告の内容は、
いいの、OKなの。
ああ、じゃあ、それならいいやと。
そういうふうに順調なんだったら、
べつにこういうふうに書類にする
必要はないなということで、
いちおう取り返したんだけど、
3の人が出してきた資料っていうのが、
こんどはもう、カラー。
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ノリスケ |
はははははは。
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ジョージ |
画像つき、チャートつき。
至れり尽くせり。
で、それ出たときに、
もう最初のふたりが、
‥‥やられたよぉ、みたいな感じ。
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つねさん |
ははははははは!
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ジョージ |
もう、面白いっ!
すっごい面白い!
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つねさん |
それ、すごいね。
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ジョージ |
そうすると、次の回には、
みんなどの手で
やってくるんだろう? って。
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ノリスケ |
もうボクにはね、
しりあがり寿さんの
マンガのようにしか思えない、
それ、もう。
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ジョージ |
ふははははははははは!
そういうのを見ながら、
カンラカラカラ笑っている、ヒゲのOL?
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つねさん |
薮内笹子。
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ジョージ |
じゃ、ヒゲのOLジョージさん、
みたいな感じ。
でも私がいちばん偉いの、みたいな。
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ノリスケ |
はははははは!
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つねさん |
わっはっはっはっは!
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ジョージ |
面白いよぉ? 面白い! それでね、
そのやり口がね、
ほがらかじゃないんだよね。
陰湿なの。
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ノリスケ |
陰湿だよね、すでにねぇ。
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ジョージ |
もうね、大奥よ。
バサバサバサバサッ! って感じ。
バサバサって、今、伝わったかな?
いちおうあの、いちおうお引きずりの
着物の前をこうやって、
バサバサッ、バサバサッ‥‥。
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ノリスケ |
ものすごい剣のある顔をして。
顔を動かさず正面を見据えて(笑)。
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ジョージ |
浅香な感じ。アンタ、大根よっ!
みたいな感じ。
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つねさん |
いや、こわっ。
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ジョージ |
ほんっとにねぇ。でもね、
最初はそういうの、
ぜんぶなくしてやろうと思ったの。
あんたたち、そういうの見苦しいから、って。
でもね、ある日思ったんだよ、
彼らは彼らで、
それでストレス解消してるのかな、
と思って(笑)。
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つねさん |
はははは。
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ノリスケ |
ストレス解消&モチベート。
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ジョージ |
そう、だからもうほっとくの。
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ノリスケ |
グループごとにね。
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ジョージ |
面白いから。
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ノリスケ |
なんか、騎馬戦みたいなもんだよね。
要するに、大将の帽子を取るのに、
どっちから回るかみたいな話で、
奇襲すればいいんじゃないか?
っていう話でしょう? うん。
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ジョージ |
でね、あんまりに面白い状況が
繰り広げ始められると、
もうもったいなくて仕方がないのよ、
ボクひとりで見ているのが。
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ノリスケ |
あ、面白いから。
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ジョージ |
そうすると、
外にちょっとコンコンってやって、
すいません、
コーヒーお願いします、って言うと、
もう、もうそれは、中ですごいことが
起こり始めてるっていう合図だから‥‥。
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つねさん |
待ってました、ってね。
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ノリスケ |
見においで、っていう(笑)。
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ジョージ |
も、ブワーッ! って2、3人の女が
デェァーッ! とやってきて、
取り換えさせていただきますっ、
とかってタッタッタッタッて
こうやって見てんの。
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つねさん |
ははははははは。
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ジョージ |
で、出てって(笑)。
で、あとでね、会議終わって、
どうだった? っていったら、
すごいです、あれは誰それさんの
1勝3敗ですね、とかって言って、
でしょ? でしょ? でしょ? とか。
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ノリスケ |
会社全体としてはいいんじゃない?
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ジョージ |
面白いよ。次回はどうかな?
まき直しを期待しますねぇ、とかって。
じゃ、力になってやって、って言うと、
わかりました〜、とかって。
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つねさん |
へぇ、面白いね。
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ジョージ |
面白いよ、すんごい面白い。
だからまあ、会議が行われてるときの、
会議室の前に座って、
コーヒーお願い、って
ボクが言ったら一緒に入ってくると
けっこう面白いかもしれない。
それが合図、みたいな。
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ノリスケ |
面白いね、おじさんたちは(笑)。
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ジョージ |
だってね、会議室なんてさ、
つまんないところでしょ?
ところでも、やっぱり、
ほがらかでいなくちゃ
いけないっていうのは、
ちょっとしたイタズラ心っていうの?
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ノリスケ |
それで脚本書けるね、
宮藤官九郎だったらね。
か、しりあがりさんのマンガだね。
『リストラ軍師 大前鷹山』に、
「天才軍師北マクラ頭之助」っていう、
群雄割拠の時代にストラテジーを考える
軍師の話があってね。
どんな戦術かを探って、斥候が行くわけよ。
そうするとね、ヘソを出して驚かせるっていう
戦術なわけよ、こうやって(ヘソを出す)。
それで、そんな、どうしようって、
殿様が焦ると、大丈夫でございます、
見なければいいんです、って
全員で目をパーッて隠すの(笑)。
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つねさん |
ははははははは。
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ノリスケ |
で、もう一陣あって、三つ巴なんだけど、
敵もさるもの、ピョ〜ンと跳び上がって、
尻を出すんだよ、こうやって(笑)。
尻、ヘソ、見るなー、って、
ジョージさんちの会議、
そんな感じ‥‥(笑)?
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つねさん |
そっちのほうがいいな、
ほがらかで(笑)。
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ジョージ |
そう。素敵だよね。
ほがからかな戦い。
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ノリスケ |
しりあがりさんのビジネスマンガ、
最高に面白いですから
読んでください(笑)。
『流星課長』とかね、
ビジネスマンの経験が長いから。
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つねさん |
あ『流星課長』面白かったよね。
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ノリスケ |
『流星課長』面白いでしょ?
あのシリーズは、
もうとにかく面白いよね(笑)。
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ジョージ |
そうよ、だから
ビジネスの世界って面白いよ。
男の‥‥。
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つねさん |
大奥?
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ジョージ |
そう、男の大奥。
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