ノリスケ |
この間入社2年目っていう
大企業の女の子を紹介されて、
ちょっと暗い顔してるんで、
何でかなと思ったら、
新入社員が入ってきて数週間、
それを見ていると落ち込んじゃうんだって。
はつらつとしてるし、
右も左も分からないけど元気だなあって。
2年目の5月病?
そんな人もいるのかなと思って。 |
ジョージ |
うーん。5月病ってなったことある? |
つねさん |
どんなやつ? |
ジョージ |
ごめん。5月病の説明してやって(笑)。 |
つねさん |
だってフリーだから
わからへんねんもん。 |
ノリスケ |
つまり4月が新年度なわけよ、
世の中というのはね。 |
つねさん |
はい。 |
ノリスケ |
始まった時はいいんです。
新入学だったり、進級したり、
決算が終わって新年度、
あるいは新部署に異動とかね。
桜も咲いてね。 |
つねさん |
ああ、新しい。 |
ノリスケ |
それでね、1年生の気分で、
4月は元気なんですよ。 |
つねさん |
ところが? |
ノリスケ |
5月になると、桜が散って
木の芽が吹いてきたくらいのタイミングで
落ち込んじゃうのね。
ゴールデンウイークも終わっちゃって、
自分は何なんだろう、何ができるんだろう。
何もできないんじゃないか。 |
つねさん |
あ、そういうのよくあるよ。 |
ノリスケ |
あ? よくあるんだ。 |
ジョージ |
この人は5月じゃなくてもよくあるってこと。 |
ノリスケ |
ああ。つまり、石川啄木ですよ。
「友が皆 我より偉く見える日よ」と。 |
つねさん |
ああ。 |
ノリスケ |
で、何だっけ? 「我泣き濡れて」
‥‥じゃないよね。 |
ジョージ |
妻と親しむ。 |
ノリスケ |
そうだそうだ、お花を買ってきて、
奥さんといちゃいちゃするんだよね、
あの人はね。
(*友が皆 我より偉く見える日よ
花を買い来て妻と親しむ) |
つねさん |
ドンチャン騒ぎじゃなくて。 |
ノリスケ |
じゃなくて、奥さんといちゃいちゃして
やり過ごそうというのが石川啄木ですが。 |
つねさん |
はい。 |
ノリスケ |
世の中のひとはどうしてるのかなと思って。
落ち込む気持ちはわかるよね、でもね。 |
つねさん |
え? |
ノリスケ |
落ち込むことあるんでしょ? |
つねさん |
あるある。いっぱいある。 |
ノリスケ |
あんた、なさそうに見えるよ‥‥。 |
つねさん |
へへっ。 |
ジョージ |
僕、へこませることあるよ、この人を。 |
つねさん |
そうそうそうそう。
それで落ち込むの。 |
ノリスケ |
ええっ?
仲がいいばかりかと思っていました。 |
ジョージ |
ね。 |
つねさん |
ね。 |
ノリスケ |
落ち込ませるの? |
ジョージ |
すんごい見事にへこむよ。
別にへこませようと思って
言うわけじゃないんだけど。 |
つねさん |
あ、打たれ弱いんです、僕ほんとに。
打たれなれてないの。 |
ノリスケ |
どういうこと言うと落ち込むの? |
ジョージ |
グウタラだとか、
自分の才能を信じ過ぎてるとか。 |
つねさん |
初めて聞いたよそれ‥‥。 |
ノリスケ |
急にきつい言葉が(笑)。 |
ジョージ |
仕事の仕方が甘いとか。 |
つねさん |
ああ、それは言われた。 |
ノリスケ |
ああ。 |
ジョージ |
あと‥‥。基本的にね、人がいいのよ。 |
つねさん |
うん。 |
ノリスケ |
そうかぁ?! |
ジョージ |
人がよくって。 |
つねさん |
振り回されるの。 |
ノリスケ |
そうかぁ?!?! |
ジョージ |
振り回されるっていうのとは違うっ。
(ぴしゃり)
他人が自分のことを悪く言うなんて
想像もできない人なのよ、この人は。 |
ノリスケ |
ええーっ? ええええーっっ?!?!
すごいびっくりしちゃった。
んなわけないじゃない。
世の中の半分の人は
自分のことなんてキライよ? |
ジョージ |
基本的に世の中の自分に関わりのある人は、
みんな自分のことが好きっていうのが
前提なの。 |
ノリスケ |
それは人がいいっていうんじゃなくて
おめでたいっていうんじゃないの? |
つねさん |
いや、そんなことないです!
昔はそうだったけど。 |
ジョージ |
今もそうよっ。
(ぴしゃり)
で、批判はたまに受けるから、直接ね。
例えば仕事が遅れてるとか、
もっとまじめに仕事をしてください、
とかっていうふうに言われたり、
あるいは意志が弱いとか、
そんなに食べちゃダメとか、
デブとか。 |
つねさん |
いひひひひ。 |
ジョージ |
そういうことも言われてるんだけど、
自分のことをいじめて言ってるとは
思わないのよ。 |
ノリスケ |
ほおほおほお! |
つねさん |
あ、いじめてたの? あれ。 |
ジョージ |
自分のことが好きだから
言ってくれてると思ってんのよね。 |
ノリスケ |
なるほどなるほど。 |
ジョージ |
それも愛情表現だって思ってるの。
もう全てのことがらが、
愛情表現を前提で生きているの。
‥‥そのまんまね、
愛の天国の中でポワーンと生きて
いただくのもかまわないかなと思うんだけど、
時折。ね。 |
つねさん |
悪魔が降りてくるんだよね。 |
ジョージ |
「あんたそれはそうとね」
っていうふうに言いたくなっちゃうの。 |
ノリスケ |
ああ。 |
ジョージ |
そうするとへこむの。 |
ノリスケ |
それはなあに?
プライベートで
「いいよいいよ、そんなつねさんを
ぼくはぜんぶ受け入れるよ」
って、つき合ってるはずのジョージさんが、
突然ビジネスモードみたいに
厳しくなったりする面を
見せてくるから落ち込むの? |
ジョージ |
ビジネスモードじゃないよ、
恋人としてもかなりね、厳しいことを。 |
ノリスケ |
恋人としてもダメ出しされちゃうの? |
つねさん |
言ったっけ? |
ジョージ |
ダメ出し、割としてるでしょう? |
つねさん |
あ、「こういうことしたら別れる」
って言われたことある。 |
ノリスケ |
‥‥ダメ出しされるだけいいかもね(笑)。 |
つねさん |
まあね。 |
ジョージ |
でも愛情表現だと思ってるでしょ? |
つねさん |
てへっ! うふふっ! がはっ! |
ノリスケ |
‥‥あんたの態度!
あのですね、両指をちっちゃく丸めてですね、
内側に向けてですね、
頭の上に持ってってですね、
目をキュッととじて、
「てへっ!」ですよ?! |
つねさん |
さとう珠緒って思ってもらっていいかも。 |
ジョージ |
プンプン。 |
ノリスケ |
こんな感じ? |
ジョージ |
そんな感じ。 |
ノリスケ |
さとう珠緒3人分くらいありますけどね、
だいたいね。 |
ジョージ |
腹周りは絶対あると思う。
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