ノリスケ |
一般のボーイフレンドとガールフレンドの
間ってどうなんだろう。
仕事の話、するのかな。 |
ジョージ |
うーんとね、例えばうちの父母? |
ノリスケ |
あ、でも彼らは共同経営者っぽいところない? |
ジョージ |
でもね、彼ら曰くよ、
「夫婦がいつまでも仲よく
お互いを理解し合う一番のポイントは、
それぞれが一番長い時間を
費やしてることを
どうやってお互いに伝え合うか」。 |
ノリスケ |
伝え合うか。 |
ジョージ |
男の場合は仕事。 |
ノリスケ |
はいはい。 |
ジョージ |
うちの母の場合はたまたま
同じような仕事してるから
仕事の話になるけれど、うちの妹なんかは、
亭主が大学教授みたいなことをやってて、
妹の方は介護のことをやってるんで。
ボランティア系でね。 |
ノリスケ |
ほお。 |
ジョージ |
ほんとにお互いのその話を
ずーっとするっていうよ。 |
ノリスケ |
ほお。 |
ジョージ |
で、絶対2人の間では、しないようにしよう、
という努力をしていることもあって。
お互いにとって関係のないことってあるのよ。
例えば、僕の妹にとって、
今やってる連続ドラマの筋が
どういうふうになって、ああなって、
そこへ出てる俳優がどういうふうに素敵で
私はその人のことが好きっていうことは、
絶対、旦那には言わないんだって。 |
ノリスケ |
うんうん。 |
ジョージ |
まあ、言ったとしても、
ご主人の方から「最近はどうなの?」って
聞かれた時にしか答えない。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
ご主人はご主人で、
ちょっとオタク的なところがあって、
プラモデル系が好きなんですけれど、
それは夫婦の間では
絶対に話題にはしないんだよ。
だから、うちの場合には仕事の話なの。 |
つねさん |
うん。そうだね。 |
ノリスケ |
そうか、お互いを理解するためにね。
よくさあ、うちの亭主は
仕事の話しかしないって言って怒る人が。 |
ジョージ |
だって仕事の話が一番楽しいはずだよ、
その人がする話で。 |
ノリスケ |
ねえ。うん。
聞くのもおもしろいと思うんだけどね。 |
つねさん |
これだけがんばってるのかとかねえ。
うれしいよね。 |
ジョージ |
奥さんがご主人の仕事の話を
聞きたがらないっていうのは、
その人の1日10時間近くのことに
関心を持たないってことでしょ?
そんな失礼なことはないと思うんだよね。 |
ノリスケ |
そうだねえ。 |
ジョージ |
逆に仕事の話して、
奥さんがつまんないような
仕事の話しかできないような亭主は
つまんない仕事してるんだろうなと
思えばいいのかもしれないけどね。
だけどどんな仕事だって
けっこう楽しいと思うよ。 |
ノリスケ |
そうだよなあ。
話すことはあるはずなんだよなあ。 |
ジョージ |
発見とかね。 |
つねさん |
でも、それが例えば愚痴とかになるから
嫌なんじゃないの?
こうやったとかああやったとか、
これがおもしろいんだよって
言うんじゃなくて。 |
ジョージ |
話す側は、愚痴になってないか。
聞く側は、聞くか聞かないかの問題だよね。
愚痴になりそうになったら
愚痴にならないようにしてあげれば
いいんじゃないの?
たまーにうちのこの人も
変な話することがあるの。ねっ? |
つねさん |
‥‥(きょとん)。 |
ノリスケ |
あ、意識してないよ、きっと本人は。 |
ジョージ |
あ(笑)。 |
ノリスケ |
今きょとんとしてたよ。 |
つねさん |
いやいやいや、何となく分かるけど。 |
ジョージ |
自分がものすごい関心を持ってる、
ものすごい深い穴蔵の中に
一人で飛び込んでいくことがある。 |
ノリスケ |
ああ。ヲタな。萌え〜、な話? |
ジョージ |
何かね、いろーんなことがね、
そっちの方に向かっていきがちなのよ。
例えばあんなに快活で明るくて
貴族的なスポーツであるはずのテニスまでが、
ヘタをするとヲタの方に
向かっていっちゃうのよね。 |
ノリスケ |
ヲタテニ? |
ジョージ |
何かねえ、ビシッってやりたくなるの。
ビッシッって。 |
つねさん |
だから言わないようにしてるやん。 |
ノリスケ |
たまに出ちゃうんじゃないの? |
つねさん |
そりゃ、たまには出るさぁ!
出てからヤバって思って。
ああー、しまったみたいな。 |
ノリスケ |
ま‥‥概して、
自分が夢中になってることって、
人はあまり関心がなかったりするのよね。
「こうでこうで、こうなのっ!」
って話しても、そっぽ向かれることあるし。 |
ジョージ |
それはね、「1人で悦に入った、こいつ」
っていうのを見ちゃったのよ。
「はいはい、勝手にどうぞ〜」。 |
ノリスケ |
「聞いてんの?」って言ったら
「聞いてない」って言われることある。 |
ジョージ |
はーっははははは。ざまみろー。 |
ノリスケ |
今更がっかりもしないけどね。 |
ジョージ |
でもね、まあ、後ろ向きな無視では
なかったということにしなきゃダメよ、
それは。
円熟の夫婦生活のちょっとしたご褒美、
ってやつ? そう思わないと。
熱狂的な恋愛の時期と‥‥ |
つねさん |
安定期? |
ジョージ |
安定期というか、愛に変わった時期って、
無関心が許されるかどうかの違いだと思うよ。 |
ノリスケ |
いいこと言うね。無関心だらけですよ、
ほんと(笑)。 |
つねさん |
ああ。 |
ジョージ |
恋愛の時には、無関心は裏切りじゃない? |
つねさん |
そう。こうやって引きずっててもね、
こっち向けーって。 |
ジョージ |
だけど、恋が愛に変わったら、
干渉こそが罪であって、
無関心は決して裏切りじゃないと
思うんだよね。 |
ノリスケ |
そうそうそう。無関心が許される
間柄っていうのは楽よね。 |
ジョージ |
うん。恋の時には、
「昨日は何やってたの?
今日はこれからどうするの?
あなたどういうのが好きなの?
どう考えてるの?」っていうのは。 |
つねさん |
必須項目で。 |
ジョージ |
そう。だから干渉こそが
自分に対する関心の証みたいな。
だけどほんとにつき合い始めて、
「昨日何してたの?」
って詮索するのは、ダメよね。 |
つねさん |
口調まで変わってきちゃったりして。 |
ノリスケ |
(早口で)「言えないのっ?!」
「夜中も電話出ないで、何してたのっ?」
‥‥でもほんとに
スーパー行って買い物して、
帰って寝ちゃっただけかも
しれないじゃん、そんなの。 |
ジョージ |
だって、思い出せない1日の方が
当たり前の1日なんだからね。 |
ノリスケ |
そうそう。特に休日なんてねえ。
何もしてない。 |
ジョージ |
だって、「刑事コロンボ」でも、
殺害当日何時何分に何をしてたかを
覚えてるやつは絶対犯人なんだから。 |
つねさん |
あ、僕もそう思う。覚えてないもん。 |
ノリスケ |
例えの番組が古い‥‥。 |
ジョージ |
昨日何してたの? って聞かれて
ペラペラペラペラ全て言えるやつは、
絶対浮気してるっ。
そんなくらいに思わないとダメだよ。 |
ノリスケ |
それくらい無関心OKってこと? |
ジョージ |
まあ、恋と愛は違うということね。 |
つねさん |
五月みどり(笑)。 |
ノリスケ |
五月みどり? |
ジョージ |
ね、この人の言うこと、
意味分かんないでしょ。 |
ノリスケ |
ほんとジョージさん、偉いわ‥‥。
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