ノリスケ |
5月病になっちゃうタイプの子は
相談相手がいないのかな? プライベートで。 |
つねさん |
友だちとかで? |
ジョージ |
相談しなれてない人は多くなったよ、最近。
訊くことと相談することは
違うと思うんだけど。
質問ってさあ、絶対答えがあるんだよね。 |
ノリスケ |
はいはい。この質問に答えなさい、だからね。 |
ジョージ |
そうそうそうそう。絶対答えがあるの。
例えば、私は次は何をすれば
いいんでしょう? は質問なんだよね。 |
ノリスケ |
うん。「はい、あなたこれしなさいよ」と。 |
ジョージ |
相談じゃない。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
だけど、どんなに質問をくり返しても、
本質的な悩みとか問題は
解決されないと思うんだよね。 |
ノリスケ |
うんうん。 |
ジョージ |
例えば相談する時に、
答えを求めて相談する? |
ノリスケ |
いや。明確な一言や御託宣が
欲しいわけじゃないよ。
考える道筋を整理したかったり、
自分で答えを出すための
ヒントが知りたいのであって。 |
ジョージ |
そうそうそう。 |
ノリスケ |
だからこの人だったら
どう考えるんだろうとかね。
こないだ友達が言ってたけど、
占い師が超能力者だと思ってたら
大間違いだって。
占い師がやることっていうのは
データを見ることであって、
そのデータをどうやって物語として
あなたに当てはめるかは、
全然別の能力だって。 |
ジョージ |
そうだよね。 |
ノリスケ |
だから占い師から
質問の答は絶対返ってこないって。
相談したらヒントが返ってくる。 |
ジョージ |
あの人は相談のしがいがないとか言われて、
何で? って思うと、
明解な答えをあげてくれないから、
とかっていうのがあるのね。
「私これからどうすればいいんでしょう」
って言われても。 |
ノリスケ |
言えないよねえ、そんなこと。 |
ジョージ |
言えないでしょう? |
つねさん |
こうこうしろっていうの、大変だよね。 |
ジョージ |
それで本当にバサッと1つの答えを
用意しなくちゃいけないとしたら、
「そんなに自信がないんだったら
辞めれば?」っていうのが答えなんだよね。 |
ノリスケ |
そうそうそうそう。でもそうするとさ、
辞めるせいにされちゃうもんね。 |
ジョージ |
うん。だから、
明快な答えが返ってこないことこそ
「相談」であって、いろいろな種類の中、
漠然とした提案とかアイデアとか
示唆とかっていうのを聞きながら、
自分で答えを出すことが
「相談」なんだってことが
分かってない子がすごく多い。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
まあ、若い子だけじゃないよね。
最近オッサンでも全然分かんないやつ、
いるからね。 |
ノリスケ |
あ、そう。 |
ジョージ |
だってさ、40、50になって、
「僕どうすればいいんでしょう」
って言われたらねえ。
ちょっと勘弁してくださいって思うじゃない。 |
ノリスケ |
14や15の娘でもあるまいに。
という歌があるけどね。 |
ジョージ |
やっぱり力強くって、
自分でいろんなことを
考えることができる人が、
「ちょっと困ってるんです。
どうすればいいでしょう」
って訊いた来たらば、
「いいんじゃない? 別に今のまんまで。
けっこうイケてると思うよ」って、
これ答えにも何にもなってないんだけど。 |
ノリスケ |
うんうん。 |
ジョージ |
だけど、それ言ってあげると、
「あ、そうですよね。
ちょっともうしばらくがんばってみよう」
って、自分で答えを出すんだよ。 |
ノリスケ |
うんうんうん。 |
ジョージ |
で、「今でもイケてるんじゃない?」
っていう僕の意見が物足りなかったら、
「うーん、でもどういうふうに
イケてると思います?」って
必ずその次にまた相談がやってくるんだよね。
それの繰り返しで、たぶん相談する本人が
自分が納得する答えを見つけるのが
正しい相談で、それをしてくれれば
たぶん5月病は
ほとんど克服されてるんだろうなと思うよね。 |
ノリスケ |
ふーん。 |
ジョージ |
みんなね、答えを求め過ぎる。
答えを求めて、いろんな人に同じ質問をして、
明快な答えが出てこないからって
辞める子もいるしね。 |
つねさん |
うん。 |
ジョージ |
もっとタチが悪いのは、
自分が用意してる答えと
同じ答えを言ってくれる人が見つかるまで、
同じ質問をする人もいる。 |
ノリスケ |
ああ。ほんとにご託宣を望んでるのね。 |
ジョージ |
いるよ。わりと相談上手? |
ノリスケ |
すぐ相談するよ(笑)。 |
つねさん |
ぼくは、ちょこっと。 |
ジョージ |
ぼくに相談すると
厳しいこと言われたりするしね。 |
つねさん |
‥‥。 |
ノリスケ |
はははは。 |
ジョージ |
そうだ、わりと相談されると
厳しいこと言ってへこませるかもしれない。
ちょっとうじうじしてたりとかするから。 |
つねさん |
‥‥。 |
ノリスケ |
あ、しゃべんなくなってる。 |
ジョージ |
しゃべって〜。 |
ノリスケ |
飲んだら? |
つねさん |
いや、もういいです(笑)。 |
ジョージ |
そうだよ。今日バイクでもないんだし。 |
つねさん |
いじめっ子だよな、ほんとにもう。
いいんだけどさあ。
相談ごととかすんの? |
ノリスケ |
相談ごとかあ。うん、するよ。
仕事のことでジョージさんに
相談したこともあるし。
事件性のあることというか、
「こりゃ困ったぞ」とか、
「ここでちょっとがんばんなきゃな」
っていう時に、意見が欲しいときは
人に相談するよ。それは別に年上、
年下に関係なく。その人に相談すれば
自分の考えが明るくなって、
きっといい方向に開けるような気がする、
そういう人に相談する。
それこそひと回りも下の同僚に
聞くこともあれば、年長の友人に
相談してみることもあるし。 |
つねさん |
ああ、そうだね。 |
ノリスケ |
相手は選ぶけどね(笑)。
でもね、落ち込んだりとか、
具体的に相談して答えがでないことを
抱えてることだってあるじゃない。 |
ジョージ |
うん。 |
ノリスケ |
そういう時って逆に、この人に相談しても
答え出ないなっていった仲間と遊んでると、
ずいぶん気が紛れるよ。
自分がそういうコミュニティにいるのは
いいことだなと思う。 |
ジョージ |
ああ。 |
ノリスケ |
大人‥‥ちょいと情けない大人が集まってる
そんな仲間も僕の周りにあるんだけど、
そういうとこに行っても
何の相談にもならないんだよ。ほんっとに。
ただね、気持ちは楽になるよ。
だからすごい大事だよ。
そういう仲間がいてよかったなと思う。 |
ジョージ |
会社の中で生き残っていくっていうか、
会社の中でいい仕事をしようとすると、
ユニークであることを求められるじゃない。 |
ノリスケ |
はいはい。唯一であるってことね。 |
ジョージ |
そうそうそう。
他の人と違うところが強いということ。 |
ノリスケ |
「ここはあいつだ」みたいな。 |
ジョージ |
ね。そうするとやっぱり、
とんがった部分を一生懸命作っちゃうから、
逆に同じような人間同士で集まらないと
バランスが取れなくなることは
あるかもしれないよね。
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