ジョージ |
でも、ノンケがオカマに
見え始めたってことは、
オカマがノンケを突き放して、
別のオカマ像を作らないといけないってこと? |
ノリスケ |
前向きねえ。 |
ジョージ |
どすればいいのっ? |
ノリスケ |
でも自分の嫌いなカッコは
できないんだよねー。 |
ジョージ |
そーなんだよねー。
ノンケがみんな短髪にしたからって、
僕たちがロン毛にはできないしね。 |
ノリスケ |
できないでしょう? ねえ。 |
つねさん |
あと、今の若い子、
ほんとになんかボーダレスになってるよね。
クラブ系とかああいう
ソリッド系みたいなやつって。一緒じゃん? |
ノリスケ |
ゲイに対する嫌悪感みたいなのって
なくなってると思う?
昔は、「わ〜、オカマ!」
みたいなことって明らかにあったでしょ? |
ジョージ |
あった。オカマも多様化したからね。
だって、ねえ? |
つねさん |
全部が全部なよなよしてるわけじゃ
ないっていうか。 |
ジョージ |
たとえば‥‥(笑)、
今、実名が出そうになった! |
つねさん |
三島先生とか? |
ジョージ |
三島先生はいい。お亡くなりになったし。
●●さんとかね。 |
ノリスケ |
書けないじゃなーい! |
ジョージ |
でしょ? 男が惚れる男が。 |
つねさん |
●●●●●●ね。 |
ジョージ |
‥‥あああ。 |
ノリスケ |
書けないじゃなーい。
時代劇のあのかたとか? |
ジョージ |
あのかたとかね! そそそ。
ほんとに多様化してるからね。
ロバさんみたいな顔した歌手とかね。
ノンケとオカマの溝よりも、ていうか、
ノンケとオカマで
世界が分かれるのではなくて、
ノンケにもABCDEFGHIJK、
色んな種類があるのと同じように、
オカマのほうにもAからZくらいまで
色んな種類があるんだよっていうのが、
もし分かっていただいてるのであれば、
ちょっとはね、プリティでハッピーかな、
と思うのよね。ここに3人いるのだって、
AとBとC、みたいなもんだもん、ね? |
ノリスケ |
ジョージさんは基本的に
カミングアウトをしてるわけだけど、
ノンケの友だちっていうのは
ジョージさんのことを
“ゲイの友達の”ジョージさんとして、
扱うわけ? 関係ない? |
つねさん |
両方いるんじゃない? |
ジョージ |
半分くらいはね。知らない人もいるよ。 |
ノリスケ |
知らない人だけど、
きっちり友だち付き合いしてる人も
いるわけでしょ? |
ジョージ |
いる。 |
ノリスケ |
そういう人は、一体どういう風に
思ってんのかなあって思わない? |
ジョージ |
変な人、と思ってると思うよ。 |
ノリスケ |
面白いなあみたいな。 |
ジョージ |
例えば高校とか大学から
ずーっとつきあってる子たちにしてみたら、
どういうのかな、
昔からものすごく変わってて。
何だっけなー、僕の友だちに言われたのがね、
すごい久しぶりにこの前会ったのね。
この前会って、第一声がね、
「おまえ、昔言いたかったけど
言えなかったことがあるんだよ。
おまえ、おまえのこと、大好きだろ?」
って聞かれたの。 |
ノリスケ |
うははは。 |
ジョージ |
そう? そう思った? って言ったら、
「そう思ってた!」って。 |
ノリスケ |
10代の頃から(笑)? |
ジョージ |
そう、で、色々おまえは
ああいうこともして変な奴だな、
こういうこともして変な奴だなと
思ってたけど、そういう変なおまえという
枠組みの中から考えれば、
結婚しないということは
とっても自然だよね。って言われた。 |
ノリスケ |
がはははは!!! |
ジョージ |
うん、こいつはすごく本質が分かってる!
と思ったもの。 |
ノリスケ |
いいね。 |
つねさん |
ふーん。 |
ジョージ |
その子とは10年ぶりかなんかに
やっと連絡がつくようになって、
メールとかでやりとりが始まったんだけど、
連絡がついた時の2回目の内容が、
「おまえ、まさか
結婚してるわけじゃないだろう?」
って書いてあったところがね、
あ、そうなんだーって思っちゃったの。
で、独身でーすとかって言ったら、
「安心したー」って。 |
ノリスケ |
でなきゃな、ってね。 |
つねさん |
もちろんその人は、結婚してるんでしょ。 |
ジョージ |
結婚してね、子供が一人いてね、
普通にサラリーマンだよ?
頭半分禿げてるし。でもなんか面白い。
普通にサラリーマンなんだけど、
話してると、普通な話聞くでしょ?
すごい面白いんだよね。 |
ノリスケ |
普通な話? |
ジョージ |
そう。 |
ノリスケ |
普通な生活の話? |
ジョージ |
そう。埼玉県に家を買って、
そこからこう電車で通ってて、
こうこうこうでああいうできごとがあって、
どうこうって、すっごい面白いの!
「あ、面白いねえ!」って言うとね、
「変だろ、俺の人生って」
って言ってくれるの(笑)! |
ノリスケ |
あああ。 |
つねさん |
へええ。 |
ノリスケ |
分かってる人だねえ。 |
ジョージ |
そ! そういうのはね、すごくありがたいよ。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
でもね、僕、そいつのことはね、
学生の頃にね、こいつ結構そっちのことも
好きよねえとかって思ってたの。 |
ノリスケ |
積極的には来ないかもしれないけど。 |
ジョージ |
そそそ。ジェンダーの境目が限りなく
希薄のような感じがして。
だからつきあいやすかったのかもしんない。
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