ノリスケ |
で、最近はわりと、ふたりのリゾートは
アジアが多いのね。バリ? |
ジョージ |
バリが多いね。
バリは、ビーチリゾートといいながら、
ビーチリゾートじゃないんだけどね。
でも‥‥ビーチリゾートって何かしら?
ビーチリゾートに求めるものって、なぁに? |
ノリスケ |
ボクは何よりも、魚のいっぱいいる、
きれいな海! 珊瑚礁! |
つねさん |
スキューバとかするの? |
ノリスケ |
ううん、素潜りでじゅうぶん!
スキューバは地上で重いし(笑)。
ジョージさんにとっての
ビーチリゾートの条件は、なに? |
ジョージ |
んー、ボクは、ビーチというか、
海が近所にある気配があるのが、
いちばん好き。
で、どうだろう、あとはやっぱり、
快適で居心地のいいホテル? |
ノリスケ |
お部屋ね。 |
ジョージ |
うん。 |
ノリスケ |
じゃ、あと、美味しいご飯。
リゾートのご飯は、美味しくないと
つらいよ。グレートバリアリーフの
島のリゾート、ホテルの中で
食べるしかないんで、そこがまずかったら、
もうアウトなわけ。ところが‥‥。 |
つねさん |
ところが? |
ノリスケ |
手をかければかけるほど
不味くなっていくという、不思議な料理で!
朝食はシンプルでとてもおいしいの。
昼食は、ちょっと手がかかってるけど、
そこそこおいしい。でも、夕食は、
なに、あれ?
オーストラリアン・キュイジーヌ?
っていうの? 手をかけすぎるあまり、
素材を殺すの! せっかくの新鮮なお魚が、
へんな甘いソースでぐっちゃぐちゃなの!
残念だったなあ。
ワインはおいしかったけどね。 |
ジョージ |
なるほどなるほど。そういうの、あるよね。 |
ノリスケ |
あとは、お日さまが気持ちいいこと。
だから雨季、それも長く続く雨の時期は
ぜったいに避けるようにしてる。
バリの雨季なんかは、スコールだし、
風情があっていいけれど。
ねえ、陽に焼く? |
ジョージ |
昔はもう、激焼けだった! |
つねさん |
黒豚だったよね〜。 |
ノリスケ |
もう焼かないの? |
ジョージ |
だって‥‥。 |
つねさん |
ほら(シャツをめくろうとする)。 |
ジョージ |
だめっ! シミがあるんだから、
見ちゃだめっ! |
つねさん |
背中とか、いっぱいあるよ。 |
ノリスケ |
いっしょうけんめい稼いで、
リゾートに来たのだから、
シミになろうがしわになろうが肌を焼く、
それが勲章でしょ、
っていう話をしたじゃない、前(笑)。 |
ジョージ |
ああ、したけど、それは、
フランス人やイタリア人の、
かっこいいおばさまの話よ!
恥ずかしい、背中のしみなんて、
男の前で見せるもんじゃない(笑)。 |
ノリスケ |
人は歳をとればシミもできるし
しわも出るもん。
それが、リゾートの思い出と
一緒になるなら、いいじゃない? |
ジョージ |
そういう時期もあったけどね。
完璧なパフォーマンスを得るために、
焼きに行く前に下焼きまでして
行ってたから。 |
ノリスケ |
そんなの、当然じゃない。 |
ジョージ |
ま、失礼しちゃう。
当然って言われちゃった。 |
ノリスケ |
ちゃんと下焼きしなきゃだめですっ。
ローションやオイルも、
SPF値によって3段階くらいに分けて、
やけど防止用のローションも
いいものを使わないと。
リゾート行く前、その準備が
楽しいじゃない? |
つねさん |
へぇ〜、すごいよね。 |
ジョージ |
でもね、あのね、まあ、
そういうのを止めた理由がいくつかあって。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
ひとつは、ほら、もうこの歳になって
あまり焼くと、シミやシワ。
できるでしょう?
だからね、だからそれはちょっと
控えようかなと思ったのが、ひとつ。
で、もうひとつは、やっぱりね、なんかね、
浅ましいほど必死になって
焼きまくってる人を、客観的に見るとね、
ちょっとみっともないかもって思ったの。 |
ノリスケ |
ものすごくなるまで焼いてらっしゃる方、
いるものね。 |
ジョージ |
そう、この前、バリ島に行ったときにね、
たまたまプールサイドで、
マッチョ系の日本人がいたの。
40代なかばくらいかな、
普通のおじさんよ?
だけど、腹筋、ぼこぼこに割れてるの。 |
ノリスケ |
すごぉーい。普通の人じゃ、
あり得ない状態。よほど、鍛えないと、
腹筋は割れないわ。 |
ジョージ |
でね、もう黒いの。すんごいの。 |
つねさん |
どす黒かったよね。 |
ジョージ |
プールサイドのベッドに横になってると、
ホテルの人が、日除けの傘を
持ってくるじゃない?
その人、いらない、って言うの。
必死になって焼いてるの。
だけど、その奥さんは、逆で。
長そでのシャツを着‥‥。 |
つねさん |
白い手袋をして。 |
ジョージ |
長いスカートをはき。 |
つねさん |
帽子を被り。 |
ジョージ |
首の回りにタオルを巻いて。 |
つねさん |
日傘をし。 |
ノリスケ |
‥‥病人みたい(笑)。 |
ジョージ |
そう。で、そういうのを見てね、
あ、こーれはだめだわ、と。 |
つねさん |
すごかったよね、あのアンバランスさはね。 |
ジョージ |
その極端さを見て、いかがなものかなぁ、
と思ったの。ビーチリゾートに限らず、
リゾートでいちばん
似付かわしくない行動っていうのは、
「必死になること」だもの。 |
ノリスケ |
そうね。どっちでもいいけど、
必死だったらだめよね。
つまり、日焼けだって
したければすればいいし、
日焼け予防だってきちんとすれば
いいんだけど、
「必死に」それをやってる姿は
かっこわるいね。 |
つねさん |
のんびりしてない。 |
ジョージ |
そう。たとえばプールでもって、
バタフライで泳ぐ人。 |
つねさん |
クロールで泳ぐ人。 |
ノリスケ |
クロールはいいでしょ?!
あんたがクロールで優雅に泳げないだけよ。 |
ジョージ |
猛烈に10何往復も一生懸命する人とかね。
これってやっぱり、変じゃない? |
ノリスケ |
難しいところよね。
運動したい人もいるからね。
要は、優雅にそれができるかどうか、
だと思うな。
昔ね、先輩がね、結婚して
新婚旅行に行ったの。
レゲエが好きでジャマイカ行ったのね。
モンテゴベイだったかな、
ラウンド・ヒルかどこか、
とにかくいいホテルに泊まったって。
そしたら当時、
ま、20年ぐらい前の話なんだけど、
日本から同じ飛行機に乗って、
ゲイのグループが
いっしょだったんですって。
楽しい人たちで仲良くなったんだけど、
彼ら、水平線ぐらいのところを
バタフライでずっと泳いでるんですって。 |
つねさん |
わっはっはっはっはっはっは! |
ノリスケ |
そのまんま、ドゥアーッて戻ってきて、
「いやーん、髪が濡れちゃったぁ」(笑)。
ま、それは御愛嬌かもしれないけど。
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