ジョージ |
ただね、ガイドブックを
持って歩いてる人、いるでしょ。
それは駄目。ボク、ガイドブック
いっぱい買う理由のひとつが、
おんなじホテルでも、
ぜんぜん違う表現の仕方
してたりとかして、それが面白いの。
もうひとつは、破る用に買うの。
今日、たとえばどこそこで
昼ご飯食べに行こう、と思ったら、
レストランとかホテルとかのページを
とりあえず破るんだよ。
で、小っちゃくしてポケットの中
入れとくの。そうすると、
そのレストランで何食べればいいのかって
いうのも、千切った1ページを
ちょっと広げながら見ればいいでしょう?
で、オリジナルは別のガイドブックが
あるわけだから、ひとつはもう
ほんとにボロボロにして、
ひとつ旅行が終わると、
ホテルの部屋に捨ててくるの。 |
ノリスケ |
ほぉ〜。そのほうがかっこいいね。 |
ジョージ |
ところが、ガイドブック、
びろ〜んと開いて、
「これ、下さい」って指差した瞬間に、
その人はいいかもしんないけど、
周りの人がね、観光客が来た、
って目で見るの。
自分らも観光客なんだけど、
自分たちはリゾートゲストの
つもりでいるのに、
あからさまな観光客が目に入っちゃうのよ。
リゾートゲストっていうのは、
受け売りの情報でなくって、
自分たちの時間を
自分たちで楽しもうとしてる人たちだから、
その中にガイドブックを持ち込んで
開いた人がいると、もう‥‥。 |
つねさん |
おじゃんになるんだ。 |
ジョージ |
と思う。で、破った1ページを
ちょっと開いて、これなんです、
って言うぶんにはね、
アンチョコを持ってるだけであって、
ガイドブック持ってるわけじゃないから。
だから、けっこうボク、
地図なんかも絶対破るもんね。便利よ。
ほんとね、ガイドブックに
色とりどりの付箋を、
いろーんなページに挟んでる女がいるのよ。
あんた、そんなにいっぱい付箋挟んで、
ほとんどのページに付箋があるよ? って。 |
つねさん |
あるある(笑)。 |
ノリスケ |
意味ない(笑)。 |
ジョージ |
赤、黄色、緑みたいに。
たぶん赤色は食べるもので、
黄色はショッピングで。 |
ノリスケ |
情報整理好き(笑)。 |
ジョージ |
それを、ハンドバッグ、
フタ開けっぱなしで、
そっから本が覗いてて? |
つねさん |
分厚かったりするのね。 |
ジョージ |
そう。それって、なんか、強盗さん、
わたしよっ! て。わたしを襲ってっ!
て言ってるような感じだもん。 |
つねさん |
わたしが観光客よ!
盗ってもいいわよっ! |
ノリスケ |
読み物としてね、
アメリカとかヨーロッパとかで
出版されてるガイドブックって
面白いよ。
すっごく面白い。 |
ジョージ |
面白い。面白いよ。 |
つねさん |
そうなんだ。 |
ノリスケ |
あのね、トラベルライターっていう
職業がちゃんとしてるんで、
個人名で書いてるの。
主観がすごく入っててね、面白いんだよ、
もう紀行文に近い面白さがある。 |
ジョージ |
で、お気に入りのライターだけ見て行けば
良かったりとかもするんだよ。 |
つねさん |
へぇ。 |
ノリスケ |
そう。ボクね、バーンバウムさんっていう
人のシリーズが、すごく好きだった。
けっこう偏ってるんだけど面白いんだよ。
いまはもう書いてないかもしれないけど。
外国のガイドブックって
写真があんましないんだよね。 |
ジョージ |
ないね。 |
ノリスケ |
写真だけの本みたいのもあるけど、
情報中心のガイドブックは、
ビシーッと文字が流し組になってる。
地図はちょっとあるけど。
イメージを出さないのは、
読者が目的地についたときの
ごほうびって感じなの。 |
ジョージ |
そうね、日本のガイドブックって、
たとえばホテルだと、
そのホテルのいちばんいい部屋の
写真が載るのよね。 |
ノリスケ |
そうなの。いちばん光のきれいな時間に
撮ったりしてねぇ。 |
ジョージ |
で、レストランだと、
そのレストランでいちっばんいい
テーブルの、いちばんいい料理とか
載ってるでしょう?
ギャップが激しかったりとかするのよね〜。 |
ノリスケ |
そういう意味で、ガイドブックは、
全面的に信用しちゃいけない(笑)。
写真と違うじゃないですかっ!
って言ってもしょうがないからね。 |
ジョージ |
イマジネーションの問題だよ。 |
つねさん |
うん、だから、決めつけないことだよね。 |
ジョージ |
最近の雑誌の傾向で、たとえばホテルは
客室のことをすごくいっぱい書くでしょう?
だけど、客室ってやっぱり、
タイプによってぜんぜん違うじゃない? |
つねさん |
ランクあるもんね、いっぱいね。 |
ジョージ |
だけど、どんな宿泊客でも、
そのホテルで必ず等しく使えるものって、
レストランとかロビーとか
プールとかあるでしょ?
んで、そういうところを一生懸命見ながら
イマジネーション膨らましていけばね、
絶対大丈夫だと思うんだ。 |
つねさん |
うん。 |
ジョージ |
たとえば、バリ島のホテルって、
ほとんど大っきいプールって
持ってないけど、リッツカールトン、
ものすごく大っきいプールがあるんだよね。
世界でも、有数かなんかにきれいらしいよ。
バリのリッツカールトンのプールって。 |
つねさん |
ふーん。 |
ジョージ |
で、なんでだろう? っていうと、
ファミリーに泊まって欲しいから。
そしたら、わー、すごい立派なプール、
すごい、すべり台があって、すてきぃ〜、
泊まりに行きたい〜、って若い女の子が
泊まりに行くと、ひょっとして、
子どもがギャーギャーギャーギャー
いう横を泳がないといけなく
なっちゃうんだよね。 |
つねさん |
ははははははは。 |
ジョージ |
で、逆に、小っちゃめのプールで、
プールの上にヤシの木かなんかあって、
隠れ家っぽーくなってるプール。
あ、粗末、小っちゃい、
とかって思うんじゃなくって、
あ、ここに、わたしみたいな人が、
チャポーン、チャポーンって泳いでると、
オトナに見えるかもしれなぁい、とかって。 |
ノリスケ |
チャポーン、チャポーンって、
露天風呂の音だけどな(笑)。 |
ジョージ |
やっぱり。最近、
つねさんがプライベートプールに入ってる
音しか聞いてないから! |
ノリスケ |
はははははははは! |
つねさん |
うるせぇ!(笑) |
ノリスケ |
チャポーン、チャポーン、
カポーン!(笑) |
つねさん |
カポーンって、桶の音(笑)! |
ジョージ |
ははははははは! ‥‥そんな感じ!
|