ジョージ |
社会、人生の中で勝った人は、
ラスベガスに負けに来るのよね。
だって、勝ち続ける人生には
どこかに落とし穴があって、
自分の知らない落とし穴にはまるよりは‥‥。 |
ノリスケ |
自分でギャンブルで負けたほうがいい?
厄落としみたいなものね。 |
ジョージ |
そそそそそ。
自分で自ら落とし穴にはまった方が
楽しいわけよね。
成功の実感を得ることができるし、
より成功しないといけないと思うから、
負けに来るのよ。 |
つねさん |
で、勝っちゃって、
逆に変なところでツキを
落としたくないみたいな。
パパも同じなわけねー。 |
ジョージ |
で、人生の勝者ではない人が、
たまにどっきりカメラのように、
勝者になれる街。
で、一時期、勝者の気分を味わって、
ラスベガスの飛行場から飛び立って、
自分のホームタウンに着いた時には、
もう一度普通の人生に戻るという。 |
ノリスケ |
アメリカ的な幻だなあ。 |
ジョージ |
幻だよね。 |
つねさん |
蜃気楼の街だよね。 |
ジョージ |
それが、ほんとに砂漠の真ん中の
幻のような街にあるってのがすごいよね。 |
ノリスケ |
象徴的だよね。 |
つねさん |
ああ、おもしろいね。 |
ノリスケ |
で、今回も、
ギャンブルはなさらなかったの? |
ジョージ |
しなかったよ。 |
つねさん |
ウソ! ちょっとやったでしょ? |
ジョージ |
ちょっとだけ、ちょっとだけ!
全然負けなかったよ。
僕はね、ギャンブルは嫌いじゃないよ。 |
つねさん |
ほーら。僕も好き。ルーレットがあんなに
楽しいもんだとは思わなかったもん。 |
ジョージ |
あのね、壊れない自分に自信があれば、
あれほどおもしろい街はない。 |
つねさん |
確かに。自分の中にちゃんと限度を
作ってやれるんであれば、すごい楽しい。
ほんとに。 |
ノリスケ |
ふうん。 |
ジョージ |
あの、どういうのかな。英語も必要なければ、
自分が日本人であることも忘れてしまえるし、
隣にいる人がどこの国の人かは一切関係なく、
たまたま同じテーブル囲んでる時には
仲間になれたりするんだよね。 |
つねさん |
そうだよね。にこにこ挨拶したりなんかする。 |
ジョージ |
結構楽しい街。 |
ノリスケ |
なんかさあ、話聞いてると、
‥‥ゲイっぽくないんだけど(笑)。 |
つねさん |
わはははは。おっさん!
すげーおっさんだよね(笑)。 |
ジョージ |
確かにねっ、ラスベガス行くとねっ。 |
つねさん |
ノンケになる? |
ノリスケ |
男じゃん(笑)! |
ジョージ |
て言うかね、ゲイセンサーが
働かなくなるんだよ! |
ノリスケ |
だからね、今聞いても、
いい男がいたとかいう話、
皆無じゃないですか! |
つねさん |
でもさあ、いたじゃん? |
ジョージ |
そりゃ、いることはいるよ?
イケメンはいるし、当然そういう
エンタテインメント産業が活発ってことは、
絶対にゲイはたくさんいるんだよ。 |
つねさん |
まあ、そりゃそうだけどね。 |
ジョージ |
で、観光客を相手にしていない
ショッピングモールとかもあるんだよね。
で、そういうとこ行くと結構ごろごろいる。 |
ノリスケ |
へえええ。 |
ジョージ |
で、センサーがピッピッピッピって
なり始めるんだけど、
もう一回ラスベガスの中心街とかに
入って行くと、すとーんって(笑)、
その、人間のね、性的な部分でない本能が
ふつふつーって湧き始めるの。 |
ノリスケ |
闘争心みたいなものかなあ。 |
つねさん |
生存本能? そっちの方いっちゃうんだね。 |
ジョージ |
そうそう。 |
ノリスケ |
性は関係なくなっちゃうんだ。 |
つねさん |
確かにそうだ。 |
ジョージ |
だって、あのー、ルーレットの台とか
ブラック&ジャックの台に張り付いてる
女を見て、女感じないもん。
ま、女感じないの当たり前なんだけど‥‥。 |
ノリスケ |
何言ってんのって感じなんだけど(笑)。 |
ジョージ |
女が女らしくないんだもの! |
つねさん |
うりゃあっ!みたいな感じだよね。 |
ジョージ |
だからこそ、普通の男は、
なんかストリップ見ないと
気がすまないんじゃないかなって
思うくらいに。 |
ノリスケ |
無理やりその感覚を
取り戻さなきゃ、みたいな。 |
ジョージ |
街を歩いてる人がね、
男でもなく女でもない存在になってるの。 |
ノリスケ |
ふーーーん。 |
ジョージ |
ほんとになんか、あらあたしゲイじゃないわ、
みたいな感じ。 |
ノリスケ |
ねえ。 |
ジョージ |
だって、おしゃれしても仕方ないんだよ?
誰もおしゃれしてる僕なんか
見てくれないんだから。 |
ノリスケ |
悲しい(笑)。 |
ジョージ |
僕なんかよりも、それこそチップの枚数が
大切な町なんですもの。
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