ノリスケ |
じゃあ、東のおかまは?
例えばニューヨークとか
フィラデルフィアとかは、
結構ゲイが多いですけど。 |
ジョージ |
ゲイ多いねー。皆ね、
隠れてるというわけではないんだけど、
ゲイであるということを意識しない生活を
心がけてる人がいる。 |
ノリスケ |
ゲイはあくまでも僕の一部であって? |
つねさん |
アイデンティティ。 |
ジョージ |
そそそそ。 |
つねさん |
別に外見で表すもんじゃないと。 |
ジョージ |
ん。自分のアイデンティティの一部が
ゲイであって、で、ゲイである以外の
自分の個性はないかしらと思って
探していくのが東の人たちなんで、
そういう意味では、
ゲイとして魅力的な人というよりも、
人間として魅力的な人が増えてくる。 |
ノリスケ |
じゃあジョージさんは、東の人ね。 |
ジョージ |
‥‥が割りと好きだった。 |
ノリスケ |
なるほどね。 |
ジョージ |
でも東海岸にはステレオタイプに
満ちた人がいないかというと、いて。
いるよ。いるけど、
それも個性の一つであって。
だから、例えばロスアンジェルス、
特にウエストハリウッドの辺りで、
ゲイのように見えないっていうことは、
価値のないことなんだよね。 |
ノリスケ |
ゲイなのにゲイに見えないあんたはって? |
ジョージ |
なんであんたはゲイをやってるの? って。 |
ノリスケ |
(笑)。 |
つねさん |
街角でチューしてるしね。 |
ノリスケ |
ニューヨークでもしてるわよ? |
ジョージ |
そいで、あなたみたいにゲイに見えない
ゲイは、ウエストハリウッドに
来ちゃだめなの! って。
あんたサンフランシスコに一回、
逃げて帰りなさいよって思うわけよ。
それをすごく感じるの。 |
ノリスケ |
ふーん。 |
ジョージ |
フレンドリーなように見えるんだけど、
それは、同じような人たちで
お互い認め合った間の中で
フレンドリーであって。 |
ノリスケ |
うんうんうんうん。 |
ジョージ |
で、そうじゃないと
ものすごい疎外感を感じるのねー。 |
ノリスケ |
なるほどねえ。知らないことが多いな。
ていうか、二丁目も同じかもしれないけどね。
ヨーロッパのゲイは?
ニューヨークのゲイに似てる? |
ジョージ |
似てるね。ヨーロッパはもう、
もともと、どういうのかな。
異質であるということは、
素晴らしいことだからね。 |
ノリスケ |
うんうんうん。
そだよね。‥‥ところで、
今回はおもしろい人見ましたか? |
ジョージ |
いたの! これはねえ、んとねえ、
ラスベガスでね、ま、色々堪能して、
じゃあ帰りましょうっていうんで、
飛行機乗りました。最近のJALってねー、
3クラス制じゃなくって、
2クラス制の飛行機多いの。 |
ノリスケ |
あ、そうなの? |
ジョージ |
うん。ファーストクラスのついてない
飛行機が結構あって。
ラスベガス=ロスアンジェルス=成田、
っていうフライトが、
CクラスYクラスだったのね。
で、一応1のHをもらったの。 |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
Cクラスの一番前。
で、乗った時に、今日は満席に近い
お客様を乗せているので、
荷物はなるべく上か下に
確保してくださいとかって言われて、
一番前だから下には置けないのよね。
で、上に置こうと思ったんだけど、
今回トートバック持ってってたんで、
上に置くと荷物が
ひっ散らかっちゃうかなあって思って。 |
ノリスケ |
そうねえ。 |
ジョージ |
で、どうしようかなって思ってたら、
隣がなかなか来ないのよ。
で、もう間もなくドアクローズですっていう
頃にも来なくって。 |
ノリスケ |
しめしめ。 |
ジョージ |
キャビンアテンダントの人が、
「もしかしたら隣、空いてらっしゃるかも
しれないんで、よろしければ荷物、
横に置いておきましょうね」
って置いてくれたんだよ。
しめしめ! と思ってたら、
ドアクローズ直前にバタバタバタバタ
女が入って来たの。それでイヤでしょう? |
ノリスケ |
もうイヤ! |
ジョージ |
あれね、絶対ね、飛行機乗る時に、
ほら、わたくしたちのお友だちに一人、
飛行機のドアクローズの直前でないと
チェックインしないっていうおなごが
一人いるけれど。 |
つねさん |
はい。 |
ジョージ |
そういうのは絶対駄目だと思うな。
なんでかって言うと、隣の人に
妙な期待をさせるものっ! |
ノリスケ |
そうだね。空いてたらいいな、ってね(笑)。 |
ジョージ |
あれ、映画館でもね。 |
ノリスケ |
そうね。 |
ジョージ |
指定席で、前がずっと空いてて、
あ、今日ラッキーって思ってたら、
予告編が終わる直前くらいに
バタバタっと入って来て、
しかもアフロヘアの男が来たら。 |
つねさん |
泣くよ? |
ジョージ |
最初からそれが座ってればね、
あきらめもついてるけど。
もう、自分は得したつもりになって、
前は誰もいないんだと思ってそれが来たら、
やじゃない?! |
つねさん |
やだ。 |
ジョージ |
で、飛行機よ。
横の女、ババアよ、はっきり言って。
僕より年下だと思うけどね。
(大声で)もう嫌い!
もう大嫌い! 大嫌いなのに! |
つねさん |
向こうは、話しかけてくんの? |
ジョージ |
話しかけてはこない。
もう嫌いオーラが出てるから、
話しかけてこないよ。
でも座るなり、いきなり鞄を開けて
中から色んなものを出してくんのね。
それがね‥‥。
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