近況報告でございます。その1 つねさんの引っ越し騒動。 |
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ノリスケ | お久しぶりでございます。 |
ジョージ | お久しぶりでーす。 |
つねさん | (大声で)お久しぶりですう。 |
ノリスケ | しーっ!! |
ジョージ | もうっ、声がおっきいし! |
ノリスケ | ここ、ホテルの喫茶ロビーよ? テープおこしのお姉さん、 ノリスケですっ。 |
つねさん | ニャアー。 |
ノリスケ | 今、ニャアーって言ったのが つねさんです。 |
つねさん | つねでーす。 |
ジョージ | ジョージでーす。 |
ノリスケ | せんだって、文庫本が出ましたという お知らせはいたしまして。 そこでちょっと触れましたが、 恩田陸さんにお会いして 座談会めいたものを やらせていただいたりとかしたんですが、 今回は、まあ、なんだかんだ お久しぶりということで、 近況報告をする会を設けたいと、 かように存じます。 |
つねさん | なるほど(笑)。 |
ノリスケ | で、部屋を追い出されたんですって、 つねさんは? |
つねさん | ワッハッハッハッハッハ。 |
ジョージ | 波瀾万丈。 |
ノリスケ | 豪放磊落。 何があったの? |
つねさん | ぷんちょちーたいのオーナーが。 |
ノリスケ | 今、ちょっと中国の人みたいだった、 プンチョチータイって。 |
つねさん | 分譲賃貸! それがね、オーナーが 担保に入れてた物件で、 資金繰りがうまくいかなくなったので 競売(けいばい)に出すから出て行ってくれと。 そう、不動産屋から言ってきまして。 |
ノリスケ | 競売にかけるのって 人が住んでたらできないのかしら。 ゴミをどかしたいと。 |
つねさん | あたし、ゴミなんだ(笑)。 |
ジョージ | だいたい借金のかたに 部屋を売ろうという人がですよ、 オカマのデブが付いてる部屋なんてねえ。 |
ノリスケ | ちょっと待ってちょっと待って、 分かんないんでしょ。 契約書に「オカマ デブ」って 書いてないでしょ! |
ジョージ | あ、そっか。えーっとね、 独り身の小汚いマンガ好きのデブがね。 |
ノリスケ | それも契約書に書いてないわよ。 漫画好きも書いてない。 |
ジョージ | あ、そうか。 |
つねさん | 独り身も書いてないよーっ。 |
ノリスケ | しーっ!! |
つねさん | デカい、俺、声? |
ノリスケ | 体も声もボリュームありすぎよ。 |
ジョージ | まぁ、契約したときは入居人数1人の契約だし、 周りに聞けば独りもんて分かるわよね。 |
つねさん | なるほど。 |
ジョージ | 中年、独身、フリーランス。 で、そういうのが憑いてる部屋ってさあ。 |
つねさん | いま「憑」の字でしゃべったやろ。 |
ジョージ | あらっ。ばれた? 憑依よ。 そういうのが憑いてる部屋は お化けが憑いてる部屋よりも売りづらい。 だからー、まずは、 そのゴミを出しましょうと。 |
つねさん | なるほど。 |
ノリスケ | 結局ゴミ扱い? |
ジョージ | そうよ、粗大ゴミみたいなもんよ。 |
ノリスケ | で、清掃業者としての不動産屋が来たと。 |
ジョージ | そうそうそう、来たの。 来て、やっぱり今ねえ、 粗大ゴミって処理するのに お金がかかるからね。 |
ノリスケ | 知り合いの、身内が亡くなられてね。 独居老人の方だったんですって。 |
つねさん | うん、うん。 |
ノリスケ | で、家具やらなにやらを片付けるのにね、 業者の見積もりが90万円だったんですって。 |
つねさん | えー、そうなの? |
ジョージ | あらあらあらあらあらあらあらあらららー。 |
つねさん | すごいね。 |
ジョージ | そう、それで、不動産屋が言うには、 出ていってくださいと。 引っ越し代も出しましょうと。 |
つねさん | その金額、ちょうど90万円よ。 |
ノリスケ | ‥‥え? 相場なんだ。 |
ジョージ | 相場なんだねえ。 |
つねさん | それだけ出すからひと月かふた月の間で 出てってくださいって言われた、最初。 |
ノリスケ | その不動産屋は新しい物件は見つけてくれなかったの? |
つねさん | いや、見つけますって言ってくれたけど、 結局、一切してくれなかった。 荷詰めもやりますー、って言ってはくれたけど、 一向に動く気配なし! |
ジョージ | そんなだと、まあね、 ほっとけないじゃない? |
ノリスケ | ちょっと、ねえ、パートナーとしては。 |
ジョージ | で、一応物件も探すからって言うんで、 それで、何軒か見に行ったわけ。 |
ノリスケ | 一緒に???? あんたたち二人が?? |
つねさん | ウン、一緒に。 |
ジョージ | そう、行ったの。 |
つねさん | 行ってもらったの。 |
ノリスケ | 向こうも困らない? 一緒に見に来られて。 |
つねさん | そうそうそう、誰ですかみたいな。 |
ジョージ | あのね、ボクとしてもね、 あんまりそいうとこには行きたくなかったのね。 |
つねさん | あ、そうなの、ごめんね。 |
ジョージ | で、不動産屋さんに直接行って 物件を探すまではこの人がやったのよ。 |
ノリスケ | はい、はい、はい。 |
ジョージ | で、幾つか物件があるんで、 よかったら見に来てくれない? って言うんで、 変な物件、掴まされちゃ困るじゃない。 で、不動産屋に行くわけよ。 |
ノリスケ | うん。 |
ジョージ | 行くんだけどー、なんかねえ、 あの、髭の小デブのひとり暮らしがねえ。 |
つねさん | 似たような感じのが付いて(笑)。 |
ジョージ | 行くわけよ、もう。 |
ノリスケ | 向こうも困るなあ。 |
ジョージ | どうー見たって、お父さんじゃないわけでしょ。 |
ノリスケ | ちょっと年齢ね、近すぎますねえ。 |
つねさん | 従兄弟でいいじゃーない、別に。 |
ノリスケ | 40代の独身男の部屋探しに なんだって50間近の従兄弟のお兄さんが来るのよ。 |
ジョージ | じゃ、兄弟かなあって。 でも兄弟にしたって、 なんで付いてくるのみたいな感じなわけでしょ。 |
ノリスケ | うーん、ねえ。 |
ジョージ | ねえ。そりゃあ、 |
つねさん | だから「友達です」って言ったんだ、俺。 |
ジョージ | そりゃ友達って言うしかないでしょ。 友達じゃない人がどうやって付いてくんのよ。 |
ノリスケ | この友達、霊感がありまして、 この物件が大丈夫かどうか 見に来てくれたんですってのはどう? |
つねさん | なんでわかったの! |
ノリスケ | えっ、ホントなの(笑)? |
つねさん | マジマジマジ! |
ノリスケ | マジーッ? |
つねさん | 真島さんじゃないよ。 |
(えーっ! つづきます。) |
2010-03-24-WED