近況報告でございます。その2 つねさんの幽霊騒動。 |
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ジョージ | で、車に乗っけてもらって、 つねさんの新居候補の お部屋選びに出かけたの。 1軒目はね、まあ。 |
つねさん | ちょっと狭かったけど。 |
ジョージ | そこそこいい感じではあったのね。 |
ノリスケ | うん。 |
つねさん | で、2軒目(笑)。 |
ジョージ | あの、どういうのかな、香港映画の。 |
つねさん | 主人公が追われて隠れ住むような、何もなーい、 |
ノリスケ | 九龍城みたいな? |
ジョージ | そう、レスリー・チャンが住んでそうな感じの、 何かパイプ剥き出しの、 |
ノリスケ | ポタッ、ポタッ、ポタッ。 |
つねさん | そうそうそう(笑)。 まあ、そこまではないんだけど。 |
ジョージ | でね、車は、不動産屋の車なのよ。 2週間前に車検が終わって ピッカピカになって 戻って来たんですよと言いつつ、 2軒目のマンションに行きました。 |
つねさん | 駐車場あったんで、停めて。 |
ジョージ | 上がって、お部屋に入ったらー、 ‥‥いるの。 |
つねさん | (笑)。 |
ノリスケ | えー。いたのー? |
つねさん | 押し入れにいたんだって! ボクはわかんないけど。 |
ジョージ | あのねえ、少々のことには 目をつぶるんだけど、 明らかに、いらっしゃるのよ。 |
ノリスケ | 明らかに。 |
つねさん | 明らかに。 |
ジョージ | 明らかにいらっしゃるの。 それでね、その、いらっしゃるときに、 それをお奨めいただいてる不動産屋さんの手前、 あまり急にまる子になれないわけじゃん、 ドヨーンて。 |
つねさん | ドヨーーンて。 |
ノリスケ | ああ、顔に縦線ね。 |
ジョージ | それで、ちょっとニコっとして、 うん、まあ、いい感じだけど 早く出ましょ、次のところへって。 |
ノリスケ | (笑)。 |
つねさん | で、僕は、もしかして、いた? って聞いたら、小声で、耳元で。 |
ジョージ | 「‥‥すごいのがいる」 |
つねさん | とか言って(笑)。 じゃ、ここはやめましょうって言って 駐車場降りました。 ものの5分もいなかったの。 次の物件行きましょうかって 車に乗ったら、 前にいた人が血相変えて車に近づいてくるの。 ねえ、ビックリしたよね? ほんとに通行人の人ががーって走ってきたんだもん。 |
ジョージ | で、言うの。 「タイヤ、パンクしてますよ」 |
ノリスケ | えっ。 |
つねさん | 見たら、タイヤがパンクしてました! |
ノリスケ | よくも見つけたねっていう、仕返しだね。 |
ジョージ | ほんっとに、ほーんとよ。 |
ノリスケ | 「このデブに憑いてやろうと思ったのに」 |
つねさん | やめてよー(笑)。 |
ジョージ | それで、そこで車を捨て、 電車に乗って向かって行った 3軒目にめでたく決まったわけ。 |
つねさん | そうそうそう(笑)。 |
ノリスケ | あー、よかった。 じゃジョージさんには 従兄弟でも兄弟でも恋人でもなく 本職の霊能者みたいにして来てもらったと。 |
ジョージ | もうねえ、もう、あー、 今でもちょっと恐いかも! |
ノリスケ | ちなみにそれがなければ 2軒目はよかったの? |
つねさん | 2軒目、悪くはなかったよ。 |
ジョージ | そこそこだったよ。そこそこだった。 ただね、すごかったよね。 3階建ての3階のいちばん上で、 玄関が、吹きさらし。 |
ノリスケ | え? |
つねさん | 屋根がかかってないの、玄関に。 |
ジョージ | 通路に屋根がかかってないの。 |
ノリスケ | つまり、あの、雨の日は、 鍵開けるまで傘ささなきゃいけない? |
つねさん | そうそう。 |
ジョージ | そんな感じ。 |
ノリスケ | 安藤忠雄設計、みたいな。 |
つねさん | そんな感じー。 |
ジョージ | でもあれだよ。 人の気持ちが弱るとやってくるね。 |
つねさん | そういうのがね。 |
ジョージ | やってくる。 ボクが昔住んでたところも 気持ちが弱ると、出たもの。 四番町。 |
ノリスケ | 四番町? あんないいとこで? |
ジョージ | 気持ちが呼ぶの、 弱い気持ちがいけないものを呼ぶね。 |
つねさん | だって、僕、霊感ないのに 夜中になんかトイレ使ったりとかしたら 背筋、ぞぞぞーってくるときあったもん。 |
ノリスケ | 寒い夜におしっこしたからじゃないの。 |
ジョージ | ちがうかんじで ぞわーっとするのよー。 どんなところにもある。 |
ノリスケ | どんなところにもある? |
ジョージ | どんなところにもあるけども、 まあ、そういう人たちと ほがらかに仲良くお付き合いが できれば幸せなわけで、 弱みを見せるとやってくるだけでね。 |
つねさん | なるほど、風邪のウィルスみたいなもん。 |
ジョージ | かといって、ディズニーランドの ホーンテッドマンションみたいに、 みんなでもって輪になって 踊る必要はないんだと思うんだけど。 |
ノリスケ | まあ、めでたく、引っ越しもなさって。 |
ジョージ | 今迄住んでたとこより ちょっとちっちゃくはなったけど、 ものすごく安くなったもんね。 ただね、ゴミが多いの。 しかもね、捨てられるゴミならいいんだけど、 捨てられないゴミばっかりなの。 |
つねさん | あ、うち? |
ジョージ | あんたんちに決まってるじゃないの。 |
つねさん | ゴミじゃないもん。 |
ジョージ | ものに対する執着っていうの? |
ノリスケ | それはそうと、あなたたちは 相変わらず一緒には住もうという 決意はないのね? 話にものぼらない。 |
ジョージ | うーん、まだもうちょっとかなあ。 |
ノリスケ | まだもうちょっとって、 もう何年経ってんの。10年? |
つねさん | 10年経つ。 |
ノリスケ | もうそろそろ老後よ、老後。 |
ジョージ | うーーん、うーーーん! お互い、どういうのかな、 本当の意味で隠し立てすることが 全くなくなったら 一緒に住めるかもしれない。 |
ノリスケ | あ、あるんだ? |
つねさん | あ、まあ、そうかもね。 |
ジョージ | ね。 |
つねさん | ね。 いいじゃん、隠し事、1個や2個ぐらい。 |
ジョージ | あのね、10年、この人と続いた いちばんの理由は、 お互い、あんまり詮索しないよね? |
つねさん | うん。しない。 友達にも言われた。 よく、詮索しないねって。 でも、するつもりないし。 |
ジョージ | 1週間のうち、完全に一緒にいるのが 50時間、60時間ぐらいかな? 金曜日の夜から日曜日でしょ。 一緒にいない時間の方が多いんだけど、 一緒にいない時間に何してるかは 一切関心を持たないようにしてるし。 |
ノリスケ | それは取り決めてるの? それともたまたま そういうふたりが出会ったの? |
ジョージ | 大人よ、大人。 ふたりとも大人なのっ。 |
つねさん | そうでーす。 |
ノリスケ | うーん(笑)。 |
(長く続く秘訣ねぇ‥‥つづきます!) |
2010-03-25-THU