近況報告でございます。その5 恩田陸さんと何話してたの? |
|
ノリスケ | つねさんと恩田先生、 何かオタクな話してなかった? |
ジョージ | してた。 |
つねさん | してたっけ? |
ジョージ | してたじゃん。 なんかすっごいちっちゃい世界の ちっちゃい話をしてたわよ。 |
ノリスケ | そう。 |
ジョージ | 席順がね、ボクがいて、 恩田さんの編集担当のかたがいて、 恩田さんがいて、つねさん。 何でこの2人が並んだんだろうと思いつつ、 心配しながらいたの。 そしたらやっぱりつねさんが へんてこりんなことを言い出したのよ。 「こういうの、知ってます?」 って、なんだかオタクっぽいことを。 そしたら‥‥食いつく、食いつく! |
ノリスケ | その話題が何だか分かんないの、こっちには。 何の話してたの? |
つねさん | 覚えてなぁーい。 |
ノリスケ | 覚えてないんだ(笑)。 |
ジョージ | ほんとちっちゃい、ちっちゃい世界だったよ。 |
つねさん | 何だっけ、漫画か何かの話。 |
ジョージ | そう、漫画。 漫画だったと思う。 |
ノリスケ | なんかものすごく見つめ合って 喋ってたよ。 |
つねさん | あ、してたね。 |
ノリスケ | この人、通じてるー! みたいな顔してたよ、2人で。 |
つねさん | 同年代だから。 |
ジョージ | 同年代の人は 世の中にゴマンといるけども。 |
つねさん | いえいえ、それは何か、 小さい頃見てたりとかしたものが 同じなのかなとかって話で 盛り上がってたような気がする。 |
ノリスケ | え、つまり、 同じ卵が、ある世界ではつねさんになり、 ある世界では恩田陸さんになっちゃうわけ? 抱いた親が違ったのか、食べた餌が違ったのか。 |
つねさん | アッハッハ。 |
ノリスケ | そんな不条理な世界(笑)! でもま、そういうものかもね、世界は。 |
つねさん | 不条理、すいません。 一緒に並んでるつもりはないんです(笑)。 |
ジョージ | ね、ビックリした、ほんとに。 だって、飲み終わってお店出たときに、 「ボク、今日、すごいいっぱい喋った」 って(笑)、言ってたもん。 |
ノリスケ | そうね、普段、あんまり喋んないからね。 |
つねさん | でも全然覚えてない、詳しい中身。 |
ノリスケ | でもそれ、とても楽しい 会話だったってことじゃない、 覚えてないぐらい。 |
ジョージ | ボクら、入れなかったもん。 |
ノリスケ | 何喋ってんだろうねえって言いながら 別の話してた。 ジョージさんと話してたのはね、 オペラの同時中継上映の話。 |
ジョージ | そうそうそう、 METライブビューイングの話。 |
ノリスケ | 日本の映画館で、 NYのメトロポリタン歌劇場からの 公演そのままを中継上映する催しね。 結構みんな見てるって話を。 |
ジョージ | いいのよーっていうところで、 そっち側で話がいくのかなあと思ったら、 途端にね、違うギアが入ったの。 |
ノリスケ | 『ガタカ』はいいねっていうのは覚えてる。 |
ジョージ | そう、ジュドローの話から。 |
ノリスケ | 十道郎? |
ジョージ | ジュード・ロウよ! |
ノリスケ | 「じゅどろう」って発音しないでよ。 辻村寿三郎じゃないんだから。 |
ジョージ | ジュドローといえば『ガタカ』よねって。 |
つねさん | それから、今度来る、 『渇き』を観たいって話をしてた。 |
ジョージ | そーだ。韓国映画だ。 |
つねさん | そのあたりからちょっと盛り上がったの。 その監督の前作の 「オールド・ボーイ」っていう映画が、 原作は日本の漫画だっていうんで。 |
ジョージ | 忘れっぽいつねさんが、思い出した! |
つねさん | やった! 覚えてっじゃん、オレ! |
ノリスケ | それ、けっこう、まともな話じゃない? 文化的な。 |
つねさん | はい。 その漫画が、 日本ではあまりウケなかったの。 |
ノリスケ | サブカル? |
つねさん | サブカル。 |
ジョージ | さぶカル。 アドンカルではないわけよね。 いやだこれ、分っかんない! |
ノリスケ | 分かんないでしょ、それ‥‥。 古いし‥‥。 |
つねさん | 薔薇カルでもないみたいな。 |
ノリスケ | あの、笑えない中年おかまギャグは やめてくださらない? |
ジョージ | そういえば、レインボーカラーのバラが! |
ノリスケ | できた、できた。 レインボーローズっていうの。 |
ジョージ | 気持ち悪いの。 |
ノリスケ | ウルトラQみたいなの。 古い? |
ふたり | 古い! |
ジョージ | 気持ち悪いのー。 私たちってこんな? って思うとすごい気持ち悪くなる。 |
つねさん | どろどろだね。 |
ノリスケ | あのさ、話を戻すわよ? サブカル的なるものとは なんか分かんないけど縁があって、 単行本の1冊目がリリー・フランキーさん、 2冊目が祖父江慎さん、 そしてこの文庫版はしりあがり寿さん。 |
つねさん | 装丁や装画がね。すごいよね。 |
ジョージ | もちろん単行本も素敵だったけど、 今回のしりさん、大好き! この脱力な具合が すごくいまのボクらっていう感じがする。 |
ノリスケ | 脱力してるよねー、これ。 |
ジョージ | 脱力してると思う。 だってー、だってね、 気合い入れても仕方がないもんね。 |
ノリスケ | これね、原画は鉛筆よきっと。 |
つねさん | うん、いや、どう見ても鉛筆(笑)。 素敵ですっ。 |
ジョージ | 中身も結構アップデートして、 読み応えございましたっ。 |
ノリスケ | 手も入れましたね。 |
ジョージ | 結構、ボク、読んでて、 あ、すっげえいいこと言ってんじゃん! みたいな感じで感動しましたもの。 |
ノリスケ | 若いのよ。これ。 40歳ぐらいのジョージさんなの。 |
ジョージ | そう、40歳ぐらい。 |
ノリスケ | 10年近く前の。 |
ジョージ | そうっ。いいこと言ってるわぁ。 |
(そうですか。そうですよね。つづきます!) |
2010-03-30-TUE