近況報告でございます。その9
アジアは今。
ジョージ 清潔なエロティシズムっていうのが
日本にいちばん欠落してるかもしんないね。
ノリスケ 湿り気があるものね。
ジョージ 濡れてるの。
つねさん 濡れてんだ。
ノリスケ だからアバクロと相性悪いのか。
ハワイはオッケーなのに。
ジョージ そうなんだよ。だって、
アメリカでも長い間アバクロは
ニューヨークにはろくなお店がなかった。
西海岸か、東海岸でもどっちかっていうと、
ビーチリゾートのショッピングセンターに
ものすごくおっきいお店があったりとかした。
つねさん 今はあれでしょ、
ニューヨークは、前行った、
自由の女神の近くにあるやつが。
ジョージ いちばんおっきい店なんだよね。
東京でいうと築地市場の横みたいなとこ。
トリトンスクエアに
お店があると思えばいいかもしんない。
ノリスケ ああ、なるほどね。
ジョージ だから、買いたい人はわざわざ行かないと
買えない場所に作って成功したんだけど、
銀座はねぇ‥‥
何でこんなとこで買うのみたいな
おばさんがいっぱいいるもんね。
オカマのおばさんじゃなくて、
ほんとのおばさんがいるんだよ。
オカマのおばさんもいっぱいいるけど。
ノリスケ アジアには他にないの?
ジョージ アジアは初めて。
ノリスケ 初めてなんだ。
つねさん 多分ね、今度出すとしたら、
北京、上海、香港、シンガポール、
そのあたりを狙ってるんじゃないでしょうか。
ジョージ 香港とかシンガポールは合うと思う。
つねさん うん、合うと思う。
ジョージ 北京とか上海とかっていうの、
合う、合わないの問題じゃなくて
嫌いだからどうでもいいんだけど。
ノリスケ (笑)。
つねさん でも、ほら、今、お金持ちが来るから。
ジョージ そうだよね。
ノリスケ 東京に来ていただいて買ってくださった方が。
つねさん 東京に来て買ってくださる
中国の方もいらっしゃるみたいよ、たくさん。
ノリスケ 全てのブランド、順番に買ってくみたい。
ジョージ それって昔、ニューヨーク行くと
日本人がそういうことしてた時代があったからね。
つねさん あなたがやってたの?
ジョージ ‥‥ボクは‥‥。
つねさん やってたんじゃん(笑)。
ジョージ 個人的な問題であって、目立たないように。
つねさん だったらリムジン回しちゃダメよ。
ジョージ ショッピングバッグ持って歩くと目立つから、
買ったらリムジンの中に入れるわけじゃない。
つねさん 目立ってんじゃん。
ジョージ 目だってなーい。
ノリスケ 目立つっていうのは、
ここよ、ここよーっつって
がーっと入ってくことを
言ってるんでしょうね。
ジョージ そういえば有名なネットワーク販売の会社が、
セントラル・パーク・サウスから
44丁目までの間を、
五番街、パークアベニュー、
アベニュー・オブ・ザ・アメリカズ、
全部の角々に、社員立たせて、
その社員がマップ持って、
この角のあそこに行くと何が買えるっていうのを、
案内するツアーをやったのよ。
ノリスケ お得意様に?
ジョージ 優秀な販売員のおばさまたちのために。
そのおばさんたちを呼んで買い物をさせるの。
もーうすーごかったもんね。
ノリスケ ご褒美旅行ね。
ジョージ あと、泡のお風呂の倒産した会社。
あそこも、優秀販売員十何人かを連れてって、
いちばん最初にルイ・ヴィトンに行くの。
で、スーツケースを買ってやるわけよね。
つねさん うん。
ジョージ 成績に応じて大きさの異なる。
ノリスケ つづらをね。
ジョージ その新しいスーツケースに。
つねさん 入るだけの。
ジョージ 買い物をして帰りましょう、
というのをやってたのよ。
ノリスケ げ・ひーん!
ジョージ 下品でしょー?
下品なんだけど、
そのグループとたまたま同じ飛行機に乗って、
ボク、帰ってきて、
ボクもルイ・ヴィトンのスーツケースで
旅行してた時期、あるじゃない?
つねさん うん、うん。
ジョージ そうすると、成田のターンテーブルが
ルイ・ヴィトンのケースだらけになるわけよ。
つねさん (笑)。
ノリスケ うわー、感じ悪。
しかも最初に出てくる方でしょ。
ジョージ で、何で日本でポーター雇うの、
みたいな感じでポーターがいて、
ルイ・ヴィトンというと
全部引き抜いていくわけ。
で、ボクのも抜かれちゃって、
それを取りに行くときの情けなさ!
すいません、それ、違うんですぅ、って。
あれ、悲しかった、すごい。嫌っ。
ノリスケ そうやってね、
かつて自分たちがやってきたことを、
今、日本で(笑)。
ジョージ そう、そうなの。
ほんとにそうだと思う。
だけどね、中国の人たちもほんとに、
関心が高まってきたんだなって
いちばん思うのが、
昔、中国の人が泊まるホテルの
チェックアウトのときのフロント周り見ると、
もうべこべこのスーツケース、
下手するとヨドバシカメラで買った、
段ボールのまんま、
紐がけで持ってたのね。
電気釜だとかそういうのを。
そういうのが減ったもんね。
ノリスケ そうね。
ジョージ で、今ね、中国の人たちにとって
最大のブームはリモアのスーツケースです。
ノリスケ やだー。大好きー。
つねさん あらー。ボクもー。
ジョージ ボクもなのー。
嫌なんだけど、仕方がないのっ!
多分フランスの人たちも
ブランドを漁る日本人を
そういうふうに思っていたのよ。
ノリスケ リモワだと、ドイツの人とか?
ジョージ 思ったんだと思うのよ。
つねさん 日本のオカマが生意気に!
ジョージ 彼らはすでに
ものを入れるだけのスーツケースにも
こだわりを持ち始めたっていうことは。
ノリスケ 早いね。
ジョージ 早いよ。
つねさん 早いね。
ノリスケ 日本が随分ゆっくりやってきたことを。
つねさん 今は逆に日本の人たちは
もの入れるだけのもんだから
別に何でもいいじゃん、の方になり始めてるでしょ。
ノリスケ あのねえ、そうなんです。
ちょっとそれ、悲しくない?
つねさん 町中が小型のトランク、
ガラガラいっぱい!
ジョージ そうそうそう、町歩いてると、
キャリーバッグをガラガラガラガラ!
ノリスケ あれはかっこ悪い!
つねさん あー。
ジョージ しかもいい年したおばさんがですよ、
キティちゃんのキャリーバッグとか
持ってたりとかするんだよね。
ノリスケ 自分の力で持ち上げられない
荷物は持っちゃだめ!
旅行にでも行かない限りは。
ジョージ ほんとそう。ね。
(そうそう、賛成。つづきます!)

2010-04-05-MON


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