女子の時代、しろうとの時代。その4
女の子が女の子にチュウ、の感覚。
ジョージ 日本てね、多分ね、世界でいちばん
素人に対しての憧れと
特別感ていうのを大切にする国民だと思う。
宝塚がそうじゃない。
宝塚って、あれ、芸人さんじゃないんだよね。
ノリスケ あれはだって、学校ですもの。
ジョージ を、その専科という名前の
研修をしている人たちが、
自分たちの勉強の成果を発表しているのが
宝塚劇場で行われてることであって、
だから、みんな、卒業するんだもんね。
ノリスケ そうそうそうそう。
ジョージ 話がとんじゃった。
で、ガールズバーやってる人が知り合いにいるの。
で、彼いわく、ガールズバーで
人気の出る子っていうのは
絶対プロにならない子なんだって。
つねさん ああ。そういう素人臭さが、
ジョージ バーテンダーにはお酒の話を聞きに行くけど、
ガールズバーの女の子たちに聞きに行くのは
女の子の生活なのね。
ノリスケ そうそうそうそう。
つねさん あ、そうなの。
ジョージ だから絶対ね、プロになっちゃだめなんだって。
ノリスケ あけすけなのよ。
つねさん あけすけにプライベートの話をする?
ノリスケ もうばんばんするんです。友達感覚なの。
つねさん ああ、なるほど。
ジョージ たとえば職業に対する語りは
蘊蓄になって暑苦しいけど、
生活における語りは蘊蓄じゃなくって
情熱なんだって。よくわかんないけど。
ノリスケ うん、情熱、だからモチベーションが
ちゃんとあるしゃべりなんですよ。
あ、聞いてくれるのー? みたいな。
ジョージ あと、カウンターの上に
あたかもガラスの壁があるかのような感じ?
どんなに親密になっても、
ノリスケ 銀行の受付みたいに。
ジョージ うん。お店を1歩出てまでの
お付き合いは絶対ないだろうなと思わせる
冷ややかなことも必要なんだって。
つねさん うーん。
ジョージ アメリカのストリップって
踊り子さんも観客も
渾然一体となって躍ったりするでしょ。
ノリスケ 知らないけど。
ジョージ うん。もし、そのあたりのところを
勉強なさりたければ
デミ・ムーアさんのあの最低の映画の、
ストリッパーをおやりになった映画がございますんで、
ご覧いただければいいですね。
ノリスケ 「素顔のままで」ね。
ジョージ 日本のストリップって基本的に
踊り子さんに手を触れないでくださいの世界。
ノリスケ 知らないけどさ。
ジョージ 多分、日本はステージの上と客席、
観客席がきれいに分かれてるんだと思う。
演劇の世界もそんな感じでしょ?
だから、どうなんだろう、
カウンターの中に自分と同じ素人がいるんだけど、
カウンターの中にいる素人を特別に見るみたいな
感覚があるかもしれない。
ガールズ・バー。
ノリスケ でもさ、男にはない感覚だなあと思ったの。
一般男性にはね。
女子の女子好き、チュウしてもいい、
っていうのは成立しても
男子の男子好きは特殊でしょう。
いないと思うのよ。
つねさん まあね。
ノリスケ ね?
ジョージ たしかに、今、想像したけど
ちょっと特別だなあと思った。
ノリスケ ね、ないんだよ。で、てことは、
少女漫画が100年先をいってるっていう
言い方があるんだけど、
女子のありかたの方が早いのかなって思うの。
考えがまとまってないんだけど、
どんどん平気でやってるでしょう、
女子はそのことについては。
つねさん でも女の子同士がさ、たとえば、
この子、かわいいとかって言うのって、
何かセックスの方に向かっていかないんだけど。
チュウするとかって、
ノリスケ ところが、チュウするでしょ。
で、手を握ると、男の手を握るより
ちっちゃくてかわいいっていうの。
それはやっぱ皮膚感覚。
あきらかにエロスはあるのよ。
ジョージ 女の人ってね、絶対、絶対男よりは
2人いるよね。1人の中に。
ノリスケ うん、いる、いる。そう思う。
つねさん うーん。
ジョージ あ、僕ね、最近、すーごい感じたことがあって、
オカマ独特の仕草ってあるでしょ。
つねさん うん?
ノリスケ たとえば?
ジョージ ちょっと腰を突き出して歩く。
つねさん おネエさん。
ジョージ そうそうそう、おネエさん歩きをしようとすると、
肩を固定させて、
すーっとモデル歩きのように歩いてる。
でも腰は振らない。
ノリスケ あー、はい、はい。
ジョージ それで、仕草が若干緩慢。
美川憲一、あの人って、
「何よ」って言わないで、
「なぁーによぉー」って言うでしょ。
で、仕草が緩慢、
呼び止められたときに振り返るときに
ゆっくり振り返るか、
なんかどっかに体を労ってるみたいな仕草が
オカマ独特というか。
で、そのね、体の動かし方が
妊婦さんにそっくりなの!
ノリスケ はっ(笑)。
つねさん そうきたか。
ノリスケ ピンとこないんだけど。
ジョージ ほんとに妊婦に似てる。
なぜかって考えたの。
妊婦さんはお腹の中にもう1人、
子どもがいて、多分ずっと対話をしてるの。
ノリスケ なるほど、オカマはお腹の中の別人格?
ジョージ 女性は多分,そういうことが平気なの。
自分の体の中に別のものがいるという感覚。
でも男ってないもんね。
オカマは多分もう1人の自分が、
いつもは男の自分の中に女の自分がいて、
で、それがあんまりにも重たくなりすぎると
妊婦みたいになっちゃうんじゃないかしら。
ノリスケ あー。そういう仮説。
ジョージ うん。あの、美輪先生なんて妊婦だもん。
多分、あの人、100年ずっと
妊娠し続けるんだと思う、
そして産んだときには‥‥!
ノリスケ こわいんですけどー。
  (美輪先生‥‥。
 次回はキャバクラ居酒屋のお話。
 べんきょうになります。)

2010-12-27-MON


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