女子の時代、しろうとの時代。その6
JRさん、メイクルーム車両つくって!
ノリスケ ぐっさんを初めて深夜番組で見たときの衝撃って
すごかったよねえ。
ギター1本で、あらゆる歌、あらゆるものまねを
一気にしてて。
つねさん すごかったよね。
ノリスケ すごかった。ものすごい、あの人は。
ジョージ じゃ、ぐっさんてものまね芸人さんなのかっていうと
そうじゃないわけでしょ。
ノリスケ うん。
ジョージ ものまねはどっちかっていうと特技であって
芸じゃないわけよね。
だけどそれがものすごく素敵。
ノリスケ ものまね芸人にならないようにしてるんだと思うよ。
ものまね番組出ても、わざと外すもん。
衣装面白くして、メイク面白くして、
芸人がやってるものまねですよっていうとこに
絶対寄せるから。
絶対もっと上手くできるところを
面白い方に寄せて笑わせて終わらせるね。
吉本の人ってみんな、セルフプロデュースらしいけど、
ほんと頭いいと思うよ、あの人。
ジョージ うん、似てる、似てるということで
ほめられるんじゃなくて、
おかしいということでほめられたい
ものまねだよね。
素人の時代なのねえ。
素人のおかまとプロのおかまと
どこが違うんだ?
ノリスケ プロのホモ、それはほんとに
セクシュアリティの問題だけ、
じゃないですか、あとは。
ジョージ そうだよね。
つねさん それ、やったことがあるか
ないかっていうことで?
ノリスケ いや、ことがあるかないかじゃなくて、
心からそう思ってるかどうかじゃないの。
やったことがある人はいると思うよ、
それだけじゃノンケかどうかは、ねえ、
案外分かんないっていう。
つねさん まあ、それはね。
ジョージ あれだね、たとえばアバクロの服着て、
鏡の前に立ったときに、
オカマって多分、いちばん最初にこう思うの。
「自分て素敵」って。
つねさん うん。
ノリスケ (笑)。
ジョージ 全ては自分のためにあるからね。
ノンケのおじさんはどうなんだろう。
これでモテるぞ、にいくのかしら。
それとも、あ、俺ってイケてる。
ノリスケ いや、何も考えてないと思う。
ほめられると、ああ、そう? で、終わり。
せいぜい、ほめられちゃったよとか言って喜んでる。
それで終わり。
ジョージ 女の人がお化粧してるときって、
自分に惚れてるんだろうか?
ノリスケ だとしたら電車の中でお化粧はしないよね。
ジョージ そうなんだよね、僕ね、
電車の中でお化粧してる人を見たら、
この子、売りに行くんだって思うことにしてる。
もし自分のことが大好きで
自分を本当にきれいにして
自分を好きにする行為だったらば、
絶対に人前ではしないと思うな。
つねさん しないよね。
ノリスケ お化粧自体は全然いい。
いいし、お化粧してる自分があなただったら
それが本当のあなただと思うし。
素顔のあなたが、あなたなら、それでいい。
ただ、途中はどうかと。
ジョージ 昔、ちっちゃーい頃に、
うちの親父とお袋って、
ダブルベッド2つ並べたところに寝てたのね。
で、日曜の朝になると、
8時までは絶対両親のベッドルームは
入っちゃいけなかったの。
8時までにお手伝いさんが作ってくれた朝ご飯を
子どもたちが食べて、お顔を洗って歯を磨いたら、
8時にトントントントンとドアを叩くのよ。
そうすると、いいよ、入っていらっしゃーいって
ばーっとドアを開けて、
みんなが、親が寝てたベッドの上にバーンと。
つねさん 乗っかって。
ジョージ おはようございまーすって
チュウチュウチュウチュウするのよ。
ノリスケ あんた、どこの国の人?
つねさん 日本じゃねえな(笑)。
ジョージ これって、すんごいうちの親父が
アメリカ人に憧れてたからなのよね。
おはよう、って言ったらば、
お袋がまず、ベッドから出て、
ベッドの向かい側のドレッサーで
お化粧を始めるのよ。
ノリスケ うーん。
ジョージ で、それ、僕の目の前で、
僕のお母さんがどんどんどんどん
きれいになっていくのを見るのが
すーっごい好きだったの。
つねさん へえ。
ジョージ で、化粧が終わったときに、
ニコーってするんだよね。
つねさん よし、準備完了みたいな。
ジョージ これで、私が出来上がりーみたいな、
あの表情はやっぱり
第三者に見せるべきではないよね。
ノリスケ 身内だけだよね。
ジョージ うん! たとえば電車の中でもって化粧をして、
化粧をし終わったあとに鏡にむかって
ニコって笑う女っているんだよ。
あれって、してやったり、
さあ、売るぞ、みたいな。
今日はルイ・ヴィトンのバッグを
買ってもらいましょうかみたいにしか
見えない私って屈折してるのかしらねえー。
ノリスケ とにかく不愉快、あれは。
ジョージ 電車の中でものを食べる女と化粧する女、
どっちが嫌い?
ノリスケ 化粧の方が嫌いかな。
つねさん ものは何か仕方がないときあるから。
ノリスケ ものはいろんなシチュエーションがあってね、
それはやめろって、
もう、いきなりコンビニのおにぎり出して
無表情でぐわーっと食われると、
あ、ちょっとちょっとと思うけど、
何か、あ、忙しいんだねってわかるのはいい。
ジョージ この前、音も気配もなくただただ黙々と
自分が握ってきたであろうおむすびを、
2個、おっきーいおむすびを2個、
代々木から原宿の間に食った女がいてね。
ノリスケ 代々木から原宿ってひと駅じゃない(笑)。
ジョージ そう、しかもいちばん短いひと駅。
もうね、追いかけていって
サイン貰おうかと思ったぐらいに
凛々しかったね。
ノリスケ 何か切羽詰まってたんでしょうね、多分。
頑張れと思うよね、それは。
つねさん あと、飯屋でやる人たちっているじゃん。
ご飯食べるとこでお化粧。
ノリスケ あ、やめてほしい!
何のために化粧室って名前が付いてるの。
つねさん そう、そうなんだよ。
なんで行かないのって思うよ。
ジョージ たとえばね、電車の中とかでもね、
気になることってあるんだと思うんだよ。
その、アイラッシュがしっかりしてるのかしらとか、
電車に乗る前にちょっとコーヒー飲んだんだけど
口紅がずれてないかしらとかっていうの、
気になることあると思うんだけど、
そんなときに、たとえば夜だったらさりげなく、
扉のところの窓ガラスに映った
自分の顔を確認するとかね。
それで直すとか。今だったら
iPhoneで確認するとかね。
ノリスケ iPhoneにミラーっていうアプリもあるよね。
ジョージ うん、それでちらっと見るぶんにはいいけれど、
サマンサ・タバサのばかでかい鞄の中からですよ、
折り紙大の折りたたみの鏡、出してきて、
アイブラッシュセットかなんか、
いきなりべろーんと出して、
本格的にメイクをするの、いるでしょ。
つねさん いる、いる。あれ、よくできるなって思う。
ノリスケ あのさ、二重にする、
こういう刺又みたいなやつあるじゃない?
ジョージ この前、この前はそれこそ、
アイライナーの後ろ側の尖ったところをね、
まぶたと目の間にぎゅりんて置いて、
ぎぎぎーって溝を作ってた女たいたー。
山手線の中だよ。
つねさん すげえ(笑)
ノリスケ 何で家でやんないの、時間がないの?
つねさん 欠落してんじゃないの、
もう、そういうのが。恥ずかしいとか。
ノリスケ あの、ほら、学生がご飯、
1人で食べられないっていうニュースがあって、
友達がいないと思われるより、
1人で食べるんだけど、
1人で食べるの見られたくないから
トイレの中でっていうのがあって、
で、その中にはかつて自分が
思春期に感じた何かが混じってるので、
そういう時期があんのかなあぐらいには見てたの。
ジョージ わからなくはないってことね。
ノリスケ でも、公衆の面前での化粧には、
それがね、うーん‥‥。
ジョージ わかった。あのね、
JRさんと東京メトロさんにお願いをして、
朝晩の女性専用車両作るのであれば、
ひと車両、もう解放して
メイクルーム車両っていうのを
作っていただきたい。
ノリスケ 汚れるよー。地獄のように汚れるよ。
  (ほんとにできたりして‥‥。
 次回は、熟成の話です。)

2010-12-29-WED



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