女子の時代、しろうとの時代。その8 高層階、もういいわ。 |
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ジョージ | 何でキャピトル東急は あんなかたちにしちゃったのかしら。 裏っ側にいっぱい敷地あったんだから、 そこにもっと高いの建てて、 ホテルだけはそのまんまにすればよかったのに。 |
ノリスケ | 高層ホテル、はやりじゃなくなるかもよ。 なんか逆に。 |
ジョージ | そうね、だめだと思う、僕も。 |
ノリスケ | ね、別に高層階であることが 贅沢じゃないんだよね。 |
ジョージ | だって今、ここしばらくでできた、 超高層ビルの上の方だけのホテルってみんな、 苦労してるもん。 |
つねさん | ああ。 |
ノリスケ | 一瞬さ、みんなさ、わっと思ったんだけどさ、 高いとこ、そんな好きじゃないって ちゃんと分かったんじゃないの? やだよって。 |
ジョージ | うん、それのきっかけが多分、 マンダリンオリエンタル。 で、決定的になったのが、 もう今や、果たしてまだあるのかどうかも 誰も覚えていない、東京駅の裏っ側にある シャングリラ。 オープンして1年以上経っても オープニングキャンペーンやってたからね。 |
つねさん | そうなの。 |
ジョージ | いつまでオープニングキャンペーンやるんですか? って聞いたらば、当初目標にしていた稼働率を 達成するまでオープニングでございます、って。 |
つねさん | 面白いね。 |
ジョージ | だからまだ開業してないの、あそこ。 |
ノリスケ | 香港の成功事例が東京で同じとは限らないね。 香港て非日常すぎるし なんでもかんでも高層ビルだから、 せめてちょっとは空の見える 高層階に泊まろうかなって気がするでしょう。 |
つねさん | ああ、まあ。 |
ジョージ | ただ、香港のホテルでもやっぱり、 いちばん評価の高いのって マンダリンオリエンタルだけど、 ちっちゃいもん、“超”高層じゃないもん。 |
ノリスケ | そっか。 |
ジョージ | で、彼ら、新しいところに新しい マンダリンオリエンタル作ってるけど、 そっちの方は評価高くないもんね。 |
ノリスケ | うーん。 |
ジョージ | 基本的に、人は見下(お)ろすのが、 好きだとは思うんだよ。 |
ノリスケ | 見下(くだ)すじゃなくてね? |
ジョージ | うん。 |
ノリスケ | 神の視点だからね。 |
ジョージ | ちょっとぐらい高いところにいて下を見ると。 たとえば10階建てぐらいのホテルだったらば 2階の部屋に泊まった景色と 10階に泊まった景色は違うわけ。 そうすると自分は最上階に泊まったんだって 優越感を味わうこともできるし、 町を見たときに、ああ、何て人間が 小さく見えるんだろう、ラピュタ、みたいな(笑)。 そんな感じを得るけども、 たとえば50階建てのビルの 40階から50階の部屋って40階から見ようが、 50階から見ようが同じだからね。 |
ノリスケ | 変わんない。 |
つねさん | うん。あと、下見ないよね。 |
ジョージ | 下見ても、人がちっちゃいじゃなくって、 あ、下も見えない、になっちゃうから。 |
つねさん | うん、だから向こうを見るしかない。 |
ジョージ | そう。だから、 |
つねさん | 東京タワーの展望台登った感じ。 |
ジョージ | ほどよい位置から周りを確認できるぐらいの 優越感がいちばんだと思うな。 僕ら、ビル・ゲイツの人生はわかんないし、 あの人、羨ましいともなんとも思わないもん。 |
ノリスケ | ビル・ゲイツって、 その、頂点という意味での? |
ジョージ | あんなにお金いっぱいあって。 あの、ドバイの王子様が バカみたいなビル建てて破産しかけたときに 幾らお金が足りなかったって、 一兆円足りなかったって話も まあどうでもいいかなって思うもん。 ヨウジヤマモトがだめになった いちばんのきっかけは オイルマネーが入んなくなったからって聞いた。 |
ノリスケ | あ、そうなんだ。 |
ジョージ | ヨウジヤマモト、 |
ノリスケ | あのゆったり感は、そういう意味が(笑)! |
つねさん | へえ。 |
ノリスケ | 確かにアラブの人、似合いそうだもんね。 ずっとだぶだぶしたの作ってたもんね。 |
ジョージ | で、あの人、スカートみたいなパンツ、 大好きだったでしょ。 |
つねさん | うん。 |
ジョージ | あれってみんな、 |
つねさん | アラブの? |
ジョージ | そう。中近東よりだった。 |
つねさん | なるほど。 |
ジョージ | でもねえ、これからどうなりますことやらね。 私も‥‥、50よ! 50なんて、永遠にこないと思ってたのに、 あっという間に50がきたもの! |
ノリスケ | 永遠に来ないってのは 40代で死ぬつもりだったの? |
ジョージ | うーん、49がもうずーっと 繰り返されるような感じがしてた。 |
ノリスケ | ちゃんとくるのよ、時間が。 つねさんの体調は? |
つねさん | 体調はあんまり大丈夫。 |
ジョージ | あんまり、大丈夫? |
ノリスケ | 副詞の使い方、間違ってない? |
つねさん | いやいや、あんまりどうかなと一瞬思ったけど、 まあ、大丈夫です。 |
ノリスケ | なによりです。 |
つねさん | 忙しいときに、久しぶりにこの年になって 徹夜をガツンガツンやっちゃったんで。 |
ノリスケ | 徹夜できるんだ、すごいね。 |
つねさん | あの、エスタロンモカのおかげで、 |
ジョージ | その代わり、徹夜1回したらすごいよ。 ずーっとあと、寝てるから。 |
ノリスケ | 結果的にさ、ならすとさ、 ふつうに寝起きして仕事してるより 効率悪いでしょう? |
つねさん | 締め切りの前と後だけだから。 |
ノリスケ | ああ、そこに向けて徹夜するわけ。 |
つねさん | そうそうそう。 取りあえず締め切り終わったら、 1日ぐらいは休もうと思ってるんで、 さすがにもたないから。 |
ジョージ | リビングルームの床に 形が付くんじゃないかっていうぐらいに寝てるもん。 |
ノリスケ | 白墨でこう、 |
ジョージ | そう。 |
つねさん | いや、ほんとにもう、そんな感じでね(笑)。 |
ジョージ | で、その横でうちの小動物がね、 同じように寝てる、腹出して。 |
つねさん | 大動物と小動物で。 |
ノリスケ | ま、平和でようございました。 ベッドで寝ればいいじゃない。 |
つねさん | 目の届くとこにいたいのよ、取りあえず。 |
ノリスケ | 動物っぽいね。 |
ジョージ | うちの小動物がかなりの年で、今年の春先ぐらいか、 黄疸にかかって、 ちょっと生死の堺目を彷徨ったんですよ。 |
つねさん | 危なかった。 |
ジョージ | で、それからね、 大動物のほうも、 ベッドで昼間寝始めたら下りてこないのが心配で。 |
ノリスケ | 死んだかと。 |
ジョージ | いびきもかかないし、 寝息、かいてんのかなあと思って、 ほんと首筋触って、 暖かいのと冷たいのか確かめたもん。 |
ノリスケ | そんな、代謝落としてまで 寝るのってすごいね。 |
つねさん | 代謝(笑)、 冬眠できるのか、ひょっとしたら。 |
ノリスケ | ねえ、冬眠なみだね。 |
ジョージ | 涼しーいところで、 布団も何も被らずにそのまんま寝て、 で、起きたら喉が渇いたって キンキンに冷たい水をごくごく飲んで、 で、また寝に行くの。 |
ノリスケ | 丈夫だねえ。 |
ジョージ | どこまでして体を冷やせば 気が済むんだろうみたいな。 |
ノリスケ | 普通の人はそれ、なんか体悪くなるね。 |
つねさん | 悪くなるね、ほんとにね。 |
ジョージ | で、晩ご飯の準備できたよって起こすでしょ。 |
ノリスケ | 晩ご飯の準備! |
ジョージ | そうすると氷をたっぷり入れた ハイボールをごくごく飲んで、ね。 |
つねさん | 飲むねー。 |
ジョージ | 飲む。 |
ノリスケ | で、また寝ちゃうの(笑)。 |
ジョージ | また寝る。食べたら寝るの。 |
つねさん | 素敵。休日の1日って感じじゃない? |
ジョージ | ビデオ見るときって 隣に座ってるじゃない? |
つねさん | うん。 |
ジョージ | 座って、で、テレビとか見てると すーごい静かなのよ。 だから見てるんだろうなと思って話しかけるでしょ。 答えないから見たら寝てるの。 そのまんまの形で寝てるの。 ね。ほんとに。愛だもん。 |
つねさん | ありがとうございます。 |
ジョージ | 憎しみなき無関心かも。 |
ノリスケ | 話がちゃんと戻った。 |
つねさん | すっごい(笑)。 無関心なの(笑)。 |
ノリスケ | 最初、愛のある無関心っつってたけど、 今、憎しみなきっていう、ちょっと。 |
つねさん | そう、ちょっと何か言い方が変わった(笑)。 |
ノリスケ | 言い方が否定的になったような、ねえ。 おあとはよろしいようで。 |
つねさん | よろしいようで(笑)。 |
ノリスケ | はい、またお会いしましょうー。 |
ジョージ | はーい、近々。 |
つねさん | では、では。 |
(おわりまーす。 また、3人が集まったら おとどけしますね!) |
2010-12-31-FRI