ボーズ |
ちょっと変わったものとしては、
こういうものも捨てて行こう、と。 |
── |
これは、いいのかなあ、捨てちゃって。 |
ボーズ |
いいんだよ、いらないんだから。
|
── |
ちょっと説明してください。 |
ボーズ |
ええと、CD-Rなんだけどね。
要するに、レコーディングしてて、
その途中の段階のものを、
仮にCDに焼いて、チェックするためのもの。 |
── |
ええと、別バージョンとか、
ミックス違いとか、
そういう意味合いのものではなく? |
ボーズ |
うん、そういうのとはぜんぜん違う。
ほんとに途中のもの。本チャンは別にあって。
えー、たとえば歌を仮で録って、
まだ歌が本チャンじゃなくて、
ミックスとかも適当にパッパッてやったやつ。
で、ウチで何回も聴いて、その、つぎやる、
本チャンやるときにどうしようか、ってときに
目安にするだけのためのもの。 |
── |
じゃあ、つぎの録音日までは意味があるけども。 |
ボーズ |
うん。だから、ほんとに意味あるのは、
1日だったりとかするものもけっこうあって。
明日までに車で聴いて帰って。
で、その日行って録ったらもう必要ないみたいな。 |
── |
じゃあ、いまはもう‥‥。 |
ボーズ |
まったく必要ない。
でも、どんどん溜まっていくんだよね。
ごく最近のだけで、こんなになるから。 |
── |
いや、でもさあ、これはこれで貴重でしょ? |
ボーズ |
いやー、でもね、いらないんですよ。
ものすごくいらないの、これ。
もう、ややこしくなるだけっていうか。
たんなる途中の状態だから。
持っていると、ほんとに混乱するっていうかね。 |
── |
うーん、でも、捨てちゃっていいのかなぁ? |
ボーズ |
いいんでないかな。 |
── |
いや、本人的にはそう言うかもしれないけど。 |
ボーズ |
いや、こういうのはね、ほんと、
決意を持って捨てていかないと、
つぎにうつれないんだよね。 |
── |
でも、こういうのがあるからこそ、あの、ほら、
ビートルズレコーディングセッションとかいう本が
後々にまとめられたりするわけじゃないですか。 |
ボーズ |
いや、でもね、それに対して思うのはね、
そういう記録やテープって、
ジョン・レノンが持ってたわけじゃないんだよ。 |
── |
あはははははは。 |
ボーズ |
本人が持ってる必要はないんだよ。
誰かが持ってるんだから、どうせ。
そういう気持ち。 |
── |
なるほど、なるほど(笑)。 |
ボーズ |
そういう意味でさ、昔は、
自分が連載してた雑誌とか、
そういうのもけっこう持ってたんだけど、
「俺が持ってなくても」っていうので
あるときに捨てられたんだよね。
だから、これも、いいんだよ。 |
── |
あー。じゃ、いいのか(笑)。 |
ボーズ |
うん、いいと思う。 |
── |
今後捨てていくんだという決意も、
ちょっと表れるし。 |
ボーズ |
そうそうそう。 |
── |
でも、ファンの人とかは
「とんでもない!」って思うよ? |
ボーズ |
でもね、ミュージシャンやってる人たちは、
絶対、部屋にグシャって置いてあるだけだよ。
それはもう、確実に。 |
── |
そうかあ。でも、
これはポイって捨てるわけにいかないね。
捨てるにあたっては、聴けないようにして。 |
ボーズ |
うん。これ、いま割っちゃったほうがいいかな。
バキンとね。簡単に割れるのかな? CDって。
(メリメリメリ‥‥) |
── |
うわっ、ちょっとイヤだなー。 |
ボーズ |
んんん、割れない。
(メリメリメリ‥‥) |
── |
いやっ、いやっ、いやっ、やめよう!
なんかイヤだ! |
ボーズ |
はははははは!
そんなこと言ってたら、終わんないよ。 |
── |
ひー、やっぱ担当として不適格かも。
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(がんばって、もいっちょ捨てますよー)