明日に向かって捨てろ!!
〜ボーズの脱アーカイブ宣言〜

第7回『役目を終えたCD-R』

ボーズ ちょっと変わったものとしては、
こういうものも捨てて行こう、と。
── これは、いいのかなあ、捨てちゃって。
ボーズ いいんだよ、いらないんだから。

── ちょっと説明してください。
ボーズ ええと、CD-Rなんだけどね。
要するに、レコーディングしてて、
その途中の段階のものを、
仮にCDに焼いて、チェックするためのもの。
── ええと、別バージョンとか、
ミックス違いとか、
そういう意味合いのものではなく?
ボーズ うん、そういうのとはぜんぜん違う。
ほんとに途中のもの。本チャンは別にあって。
えー、たとえば歌を仮で録って、
まだ歌が本チャンじゃなくて、
ミックスとかも適当にパッパッてやったやつ。
で、ウチで何回も聴いて、その、つぎやる、
本チャンやるときにどうしようか、ってときに
目安にするだけのためのもの。
── じゃあ、つぎの録音日までは意味があるけども。
ボーズ うん。だから、ほんとに意味あるのは、
1日だったりとかするものもけっこうあって。
明日までに車で聴いて帰って。
で、その日行って録ったらもう必要ないみたいな。
── じゃあ、いまはもう‥‥。
ボーズ まったく必要ない。
でも、どんどん溜まっていくんだよね。
ごく最近のだけで、こんなになるから。
── いや、でもさあ、これはこれで貴重でしょ?
ボーズ いやー、でもね、いらないんですよ。
ものすごくいらないの、これ。
もう、ややこしくなるだけっていうか。
たんなる途中の状態だから。
持っていると、ほんとに混乱するっていうかね。
── うーん、でも、捨てちゃっていいのかなぁ?
ボーズ いいんでないかな。
── いや、本人的にはそう言うかもしれないけど。
ボーズ いや、こういうのはね、ほんと、
決意を持って捨てていかないと、
つぎにうつれないんだよね。
── でも、こういうのがあるからこそ、あの、ほら、
ビートルズレコーディングセッションとかいう本が
後々にまとめられたりするわけじゃないですか。
ボーズ いや、でもね、それに対して思うのはね、
そういう記録やテープって、
ジョン・レノンが持ってたわけじゃないんだよ。
── あはははははは。
ボーズ 本人が持ってる必要はないんだよ。
誰かが持ってるんだから、どうせ。
そういう気持ち。
── なるほど、なるほど(笑)。
ボーズ そういう意味でさ、昔は、
自分が連載してた雑誌とか、
そういうのもけっこう持ってたんだけど、
「俺が持ってなくても」っていうので
あるときに捨てられたんだよね。
だから、これも、いいんだよ。
── あー。じゃ、いいのか(笑)。
ボーズ うん、いいと思う。
── 今後捨てていくんだという決意も、
ちょっと表れるし。
ボーズ そうそうそう。
── でも、ファンの人とかは
「とんでもない!」って思うよ?
ボーズ でもね、ミュージシャンやってる人たちは、
絶対、部屋にグシャって置いてあるだけだよ。
それはもう、確実に。
── そうかあ。でも、
これはポイって捨てるわけにいかないね。
捨てるにあたっては、聴けないようにして。
ボーズ うん。これ、いま割っちゃったほうがいいかな。
バキンとね。簡単に割れるのかな? CDって。
(メリメリメリ‥‥)
── うわっ、ちょっとイヤだなー。
ボーズ んんん、割れない。
(メリメリメリ‥‥)
── いやっ、いやっ、いやっ、やめよう!
なんかイヤだ!
ボーズ はははははは!
そんなこと言ってたら、終わんないよ。
── ひー、やっぱ担当として不適格かも。
(がんばって、もいっちょ捨てますよー)

2003-10-13-MON

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