KANA
カナ式ラテン生活。
スペインは江戸時代の長屋みたいさ、きっと。

 
【スペイン発よいこアメ、の話】


今から半世紀ほども前のこと、
エルビス・プレスリーやチャック・ベリーが
腰をフリフリ踊っていた1958年、
スペインはバルセロナに、あるものが誕生したとげな。

そいつはとってもスウィートでな、
スウィートなだけじゃなくてプリティでな、
しかもプリティなうえにとってもハッピィなものでな、
国を問わず年齢を問わずに
みんながトリコになったもんさ。

生ハムよりもオリーブよりも
闘牛よりもフラメンコよりも愛されている、
スペインが世界に誇るNo.1の輸出品。
そいつが、これ。

<画像:latin36.jpeg>


そう、チュッパ・チャップスなのさ!
ちびっこ憧れの、よいこアメ。


生誕地スペインではこの“よいこアメ”、
すべてのキオスコ(道ばたにあるキヨスク)の店頭にあり
ちびっこからおねえちゃんからおじいちゃんまで
マヌケでフヌケな顔に変えつづけている。

たとえばバイクの好きな野郎たちが集まる
世界ロードレース選手権大会でも、
よくよく見ると風を切るメットが
チュッパ・チャップスそのもののデザインだったり、
優勝のインタビューを受けている選手の口元から
チュッパ・チャップスの白い棒が出てたりするのだ。

闘う男に、チューパ・チュー(スペイン語読み)。


ちなみに"chupar"(チュパール)は、
“吸う”とか“なめる”とかいう意味。
なんだか、日本語とそつくりではない?


それにしても、なぜにチュッパ・チャップスが
スペインで生まれたのか。
キオスクのおやじに、訊いてみる。

「そりゃもう、スペイン人が
 palo(パロ、“棒”の意味)を大好きだからさ。
 だからモップでもアメ玉でも、
 なんにでも棒をさしちゃうんだ。
 お嬢ちゃんも、棒、好きだろう?
 ヒャーッヒャッヒャ!」


結局、下ネタかい。
……ウソ、かもね。

2001-09-18-TUE

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