vol.21
- virtual ≠ supposed No.1 -
こんにちは。
最近のみなさんのバーチャル度はいかがでしょうか?
バーチャルリアリティ、
バーチャルマネー、
バーチャルメモリ、
バーチャルラボラトリィ(センタンがめざしてる)、
バーチャル表彰式、
バーチャル家族(貸し出してるとこがあるとか…)、
バーチャル恋愛(あるのかなぁ)、
バーチャル結婚なんてね(ますますあやしい使い方)。
いろんな「バーチャル」がはびこり出してきた世の中ですが
では、一体バーチャルってなんだろう?
それは、存在するのかしないのか?
「バーチャルの意味はなんですか?」
と聞かれたたら、どう答えますか?
まーしゃは少し調べてみました。
(事実、もやもやとした認識しかなかったのです、はい。)
そして、じゃーーん!
『バーチャルリアリティ』について、
わかりやすく教えてくださる先生と遭遇。
おお、Internetの光よ〜!
NHK人間講座(1999年10月〜12月期)(NHK教育、23:00-23:30)
水曜日「ロボットから人間を読み解く」
の
:東京大学教授)先生。
番組見ていた方いらっしゃいますか?
わかりやすくて、おもしろかったです、この時間。
この度、先生にメールで、
テキストを活用させていただいてよいものか
ワタクシ、トートツに(面識ないです)尋ねてみました。
すると、舘先生
>例えばバーチャルリアリティについて正しい認識をもって
>いる人が日本に一人でも多くなることが重要であると考えて
>いますので,今回の企画は大賛成です.なお,日本バーチャル
>リアリティ学会という学会もありますので,それについても
>可能であれば言及しておいて下さい.
との暖かいお返事を下さいました。
きゃっほー。先生、ありがとうございますー。
ということで、『日本バーチャルリアリティ学会』の活動も
要チェックです。
それでは
第5回「バーチャルリアリティとは何か」
のテキストブックからちょこっと引用(太字部分)
させていただきます。
バーチャルリアリティの「バーチャル」は、
しばしば「仮想」とか「虚構」
あるいは「擬似」と訳されています。
しかしそれらは明らかに誤りです。
バーチャル(virtual)とは、
The American Heritage Dictionaryによれば、
「existing in essence or effect
though not in actual fact or form」と定義されています。
つまり、
「みかけや形は原物そのものではないが、
本質的あるいは効果としては現実であり原物であること」
であり、これはそのまま
バーチャルリアリティの定義を与えています。
あえて簡単に一言でいえば
「現実のエッセンス」
がバーチャルリアリティであって、
虚や仮想とは似ても似つかない、
むしろ正反対と言える概念なのです。
ふむ…。
そう言われてもまだ理解、想像はむつかしい。
舘先生は、さらにこう続けます。
バーチャルとは、
表面上はそうではないが実際上はそうである、
みかけは違うが効果としては実物であるという意味です。
バーチャルイメージには触れられないではないかと
言う方もいるでしょうが、
触れられないのはイメージの本質であって、
バーチャルの性質ではありません。
リアルイメージだって触れられないのです。
「擬似」は pseudo であり、
外見は似ていても本質的には異なる偽物です。
「仮想」はあくまでも supposed で、
「仮に想定した」という意味を表していて
これもバーチャルとはまったく異なる概念です。
さらに、バーチャルは「シャドウ」や「影」とも
違います。
バーチャルは、「仮想」じゃない。
バーチャルリアリティ=仮想現実
と訳されるのをよく聞くことがあるし、
なんとなくその言葉が定着した感がしてしまいますが
どうやら、実態は全然違うんですねー。
もう古くなっちゃいましたが
しつこくマトリックスの話をもちだすと
Matrix というバーチャルリアリティの中で
人間は生活していましたよね。
彼らは仮の生活をしているわけではなくて
視点を変えると、本質的な生活をしている
とみていいということになりますね。
でも物理的には、(映画で)
人間は羊水の中で栽培されているのですけれど
だからといって、
Matrix の生活は「ウソ」とか「仮想」ではないわけです。
それを「生活」と思わせる「軸」を提示されている…。
(その軸はTMSと呼ばれる…、これはまた違う回で話しますね)
舘先生は、身近かな例として
「バーチャルマネー」が
仮想のお金とか擬似的なお金=偽金
だったら、誰も使いはしません。
そりゃ、そうね。
バーチャルマネーとは、
電子決済などの電子マネーやクレジットカードなどの
プラスティックマネーと呼ばれているものなどのことで、
貨幣の形はしていませんが、
貨幣と同じ役割をはたすもののことを言うのです。
ああ、それは本質的にお金です。たしかに。
もっと決定的なのは
逆に日本語から英語への誤訳例ですが、
仮想敵国をうっかり「バーチャルエニミー」と訳すと、
これは大きな外交的な問題になりかねません。
「仮想敵国」とは「サポーズドエニミー」であって、
「バーチャルエニミー」と言うと
「友好国のように振る舞っているがほんとうは敵」
という意味になるからです。
おお、恐い。
間違えちゃ大変だ。
なんだよ、ニッポンよ〜、と言われちゃう。
んじゃぁ、どう訳したらいいのか?
って思っちゃいますけど。先生は
従って、バーチャルリアリティは、
そのままカタカナ表記するのがよいと思います。
もしどうしても日本語に訳したければ、
「人工現実感」という言葉のほうが、
誤訳するよりはよいと思います。
とおっしゃっています。
ほかのバーチャル〜という言葉も、
バーチャル物体、バーチャル環境あるいは
VR物体、VR環境など、
バーチャルを無理に訳さず表現する方法を推奨します。
ということです。
無理に訳すと誤解の元、なんですね。
「人工現実”感”」というところが”くせもの”なんだ、きっと。
それはそうと、さっき先生のお話に出てきた
「現実のエッセンス」
ということ、どういうことなんでしょう?
今ひとつしっくりこなかったのですが、
先生の説明に耳を傾けると、
バーチャルはバーチュー(virtue)の形容詞で、
バーチューは、その物をその物として在らしめる
本来的な力という意味からきています。
つまり、それぞれの物には本質的な部分があって、
その本質を備えているものがバーチャルな物なのです。
本質です。ホンシツ、ホンシツ。
今、ペットボトルが目の前にあるんだけど、
ペットボトルであることの本来の力とは
液体をキープできる、
注ぎ口から出すことができる。
ふたが閉まる、軽い。
材質はプラスティックである、
形はこんなん(隣の写真参照)だとか、
そういうことだろうか。
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現実世界を近似しつくして、
すべての要素を持てば現実そのものになりますが、
一般には全てを持つわけではありません。
すべての要素のうちの重要な要素、
すなわちエッセンスだけをもったものが
バーチャルリアリティとなります。
うーん、どうなんでしょう?
”いわゆるひとつの輪郭”ができてきたでしょうか?
もう少しつづきます。
福嶋(まーしゃ)真砂代
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