vol.39
- lunch with Ken -
こんにちは〜。
いささか興奮気味です。
突然ですが、会っちゃったんですよ〜!!
Ken Kennedyさんに。
あの、米国 IT 政策の立役者である
「大統領直属情報テクノロジ諮問委員会」
(PITAC:
President's Information Technology
Advisory Committee
ピータックですよ〜、みなさん、覚えてますか〜?
詳しくはvol.18を見てください)
の共同議長(co-chair)のKen Kennedyさんです。
PITACというのは、クリントン大統領に
ITのことについて直接アドバイスする
ITの専門家集団(委員会)のことで、
現在活躍中のITの主要企業のトップや大学教授が
その頭脳を結集し、アメリカのIT政策を微細に分析。
「今、うちの国に足らんもんは、これやでー」と
いう大切な役目です。(なぜ、大阪弁?)
PITACが1999年に大統領に提出したPITACレポート
「未来への投資」はもう有名中の有名ですが
それは、絶大な効力を発揮し、
IT予算の増額要求は議会を通過。
そんでもって
アメリカのIT 政策にガガッーとまたチカラが
入ったというわけです。
要するに日本は、大きく水をあけられたわけです。
そんなわけで、その中間レポートが1998年に
インターネットにリリースされたとき、
センタンは震撼しました。
「こりゃエライことになるで〜」と
みんなが思いました。
夢が現実になるシナリオ、というのかな。
「デジタル・エコノミー」というタプスコット
の本に書かれていた世界がとうとう具体的に
実現されるのかと、私はゾクゾクしました。
でもそれは単なる序章だったのだけれど…。
この本はぜひにお読みください。
今、どんなレベルに私たちが向かっているのか
知る必要は絶対あると思うのです。
そしてセンタンは、
そのPITACレポートを日本語に翻訳して
もっと震撼する人を増やそう!!
と翻訳許可をもらうことにしたのでした。
でも私は、PITACの誰にメールしたらいいのか
わからなくて、
「えーい、この際だ、トップの人に頼んじゃえっ!」って
Co-ChairのKen Kennedy氏とBill Joy氏に
「お願いしまーす」とメールしちゃったんです。
そしたら、
「メールありがとう、今担当者に回すからね」と
即答をメールで返してくれた、凄い方!
これが Ken Kennedy博士だったんですねー。
Bill Joy 氏はどうしたんだ、
っていう話もありますが(笑)
どうもKennedyさん、
メールの早さは毎度のことらしいです。
「あのときはありがとう。でもすごい早さでしたねー」
と私が言うと、
「いつも僕は "I will write e-mail right away!"
(すぐにメールするからね)ってメールするんだよ」
と笑っておられました。
おちゃめだ〜。私もそういう傾向があるので
勝手にうれしくなったりなんかして…。
きっと学生にも市民にも政府の要人にもへだてなく、
重要だと思えばダイレクトに接する用意の
ある方なのだと思います。
ま、そういうわけで
ちょっとボケてますが写真です。
(左:Dr. Ken Kennedy 右:Dr. Uchida@中国飯店)
しっかりデジカメをカバンにしのばせてきた
内田さんも負けずにおちゃめでした〜。
実は今回、アメリカのある調査機関が主催する
セミナーのお知らせが届いて
そこでKennedyさんが講演するというので、
お話が聞きたい!という思いで
2人で飛んで行ったのです。
朝早くから準備が整えられたセミナ会場は
コーヒーの匂い立ち込めるフレンドリーな
アトモスフィア。
うん、アメリカのセミナ!!って感じで、
わりに小さいけどキレイなコンファレンスルームで
1日だけのセミナは始まったのでした。
さて、Dr. Ken Kennedy は
アメリカはテキサス州ヒューストンにある
ライス大学でコンピュータサイエンスを教える、
おひげがお似合いのダンディな教授。
おひげでなんとか渋さを演出してますが
実は若いです。
そしてとてもマイルドな感じで、
前日日本に到着したという疲れも見せずに
終始にこやかな笑顔をたたえていました。
主催者のDr.カハーナも朝から笑顔、笑顔。
「ようこそ!みなさん。
初めての方もいらっしゃるので、
今日の講演の前にこの機関のことを説明しますけど、
長いのはきっと退屈だと思うから
短いスライドで済ませましょう。
少しだけ我慢してくださいね」
というナイスなすべりだし…。
そして、スライドが始まるときに
部屋の照明を調節しなきゃいけなかったのですが
ちょうどライトコントロールボタンの近くに
ゲストスピーカであるKen Kennedyさんが
座っていたものだから、Kennedyさんは
なんの疑いもためらいもなく、
照明係をやったりして…。
もう、なんというか、微笑ましい。
一気にポイントアップなんだなー(笑)。
かなりドエライポジションにあたる方なんですが
全然威圧感なんて漂わせない
ごく普通のものごし…。
しかし知性溢れる、質問者への応対。
または、日本のスピーカへの鋭いつっこみ。
こんなスマートな頭脳を抱える
アメリカ政府が強いのは当然かもしれない、
なんて、あたし、洗脳されすぎでしょうか。
流れるような美しい英語(あったりまえか)で
ユーモアたっぷり、時間きっちりの
明快で詳細なレクチャを堪能しました。
ライス大学の学生がうらやましい〜。
きっと大人気の教授だろうな〜。
アメリカでもサイエンスを政策に反映させる
ために、多大な努力と年月を費やしてきたし
PITACの提言を議会に理解してもらい
予算の増額を通すためには何通ものレターを
議員に書き、苦労したというお話もありました。
やはり、どの国も大変なのは同じなのね。
でも、がんばりが報われるのはいいですねー。
セミナでKennedyさんが使った資料は
センタンのページにリンクを張ってありますので、
ピータック研究にどうぞ、お役立てください。
これに相当する日本の機関といえば
森総理が打ち上げてる「IT戦略会議」
というものらしいのですが、
じゃ、一緒に中華料理食べてくれるような
気軽さとスマートな会話力
持ち合わせてる人いるかな〜、誰か。
(僭越過ぎました、すみません)
内田さんは主催者とは顔なじみというわけで、
セミナの後のランチまでご一緒させて
いただくことになっちゃって…。ひゃ〜。
私は汗をかきながら、チャイニーズの丸テープルで
Kenさんのお隣にちゃっかり座りました。
成り行きとはいえ、いやはや、すごいシチュエーション。
しかし、英語が早いのなんのって
耳を10倍くらい大きくして懸命に聴くばかり…。
ニコニコした日本人になってしまった、とほほ…。
翌日、写真を送るとまた即返事。
「ありがとう!僕もとても楽しい時間だったよ」
うーーーん、イケてる!
その後の滞在中は、激しいスケジュールを
こなしているようです。
日本でどんな情報を仕入れているのでしょうか…。
というか、目はアジア(特に中国)を向いている
ように思えました。
ちょっと興奮しながら、お伝えしました。
marsha
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