OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.47
- double mouse -


マウス2つで操作するインターフェース

ダブルマウス

バーチャルワールド"デモ"見ようツアー
第1セクションはダブルマウス編です。
よ・う・こ・そ!

さて、たった今、あなたの左手は何をしていますか?

右利きの方は多分、右手にマウスをつつみこみ
いつなんどきでもクリックにスクロール、
ドラッグ&ドロップ、どんと来いの
体勢を取っていらっしゃることでしょう。
そうそう、右手は毎日、忙しいんです。

片や左手。
毎日、毎日、だらーっとしてからに
右手に悪いき、おもっちょらんのか?

あらら、坂本龍馬様が取り憑いたみたいに
なっちゃいました。へへへ。

いや左手の方と致しましても、
キーボードにばっちりへばりついて
いつ右手が戻ってきてもいいように
右手のお帰りを今か今かとホームキーで
お待ちしております。
待つのもなかなか大変なんです、ほんとに。
わかってくださいましよ。しくしく。

なにも泣かなくてもいいんですけど。
要するにヒマしてるんですね。
左手は。
そんな左手に朗報です!
あなたにも魅力的な仕事が…!

そう、それがダブルマウス
これを紹介してくれたのは
大阪大学大学院工学研究科情報システム工学専攻
ドクターコースの中村くん。

ダブルマウス操作
(ウェアラブル用のダブルトラックボールを操作中。
ヘッドマウントディスプレイで画面を見ています。)


デモでは、デスク上で
両手にマウスを持って
なんとも器用に、日本語入力や
複雑なCADシステムの操作、
などなどをスイスイスイと見せてくれました。

右手のマウスでウインドウを開ける、
左手のマウスでファイルを選択する、
右手でコピーする、
左手で別ウインドウを開ける、
右、移動する、左、回転する、右、色をつける、等々。
(どっちでどっちをやったかは記憶が曖昧ですが)
右と左が見事に役割分担をこなし
非常にスムーズな流線型な流れの感じで
片手マウスよりでやるよりも
スピードアップした作業が進んでいくのです。

それもそのはず、両手同時操作もやってのけます。
実際に見てみないとそのスムーズさとスピード感を
うまくお伝えできないのが残念です。

片手マウスのときみたいに、
1つ1つの作業がア・ラ・カルトになってて
1個終わるのを待って次、という流れじゃなくて
料理でたとえるならコースなんですよ、コース。

選ぶ→開ける→選ぶ→仕事→が
右→左→右→左→、あるいは左右同時に
止まることなく進んでいきます。

それから、コンピュータ入門のときに
「なんか、かなわんなー」と
尻込みする理由のひとつに
キーボード文字入力があると思うのですが。

デスクトップコンピュータを買い揃えたものの
それまではずっとザウルスペン入力をしていたために
「わ!キーボード入力、やったことなーい」と
あわてていた人がいましたっけ(笑)。
毎日の「特打!」特訓の末、なんとか
すらすら打てるようになったというドラマーの
微笑ましいエピソードも思い出しつつ…。

もし、このダブルマウスがあったら
文字入力もキーボードを使わず
マウスだけでできてしまいます。

例えば「ふく」と入れた場合の入力画面はこんな感じ。

入力画�ハハハ

ご覧のように、
「ふく」で始まる言葉の候補が出てきて
欲しい文字のあるエリアをマウスで指定すると
意図する文字列を入力することができる
という仕組みです。
左右の円は互いに連動して変化します。

ダブルマウスは、モバイルコンピューティングには
なくてはならない入力インターフェースとして
近い将来きっと登場するでしょう。

というのは、モバイルであることの重要な点は
いつでもどこでも簡単に操作できなくてはならない
ということがあります。

つまり、キーボードを街中で「よっこらしょ」と
広げて打つのは、あまりにも機動性に欠けるわけです。
かといって、i-modeのような親指入力は
相当慣れないとキツイし、指の大きい人は
閉口しちゃいますよね。
現在は、音声入力や、手書き入力など
いろいろな入力インターフェースが
開発されている真っ最中です。

ダブルマウスの場合は、
デスクのパッドの上で動かさないといけないため、
モバイル用としては、手の中で動かせる
「ダブルトラックボール入力」の研究も
進めているそうです。

では「ダブルトラックボール」を操作しながら
お散歩してみましょう。

外のダブルマウス

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)で見ると
こんなふうに見えます。
外の入力画http://www-nishio.ise.eng.osaka-u.ac.jp/tresearch/ハ

最近読んだ「五体不満足・完全版」の中で
乙武さんは、コンピュータによって
できることが拡大したこと、
ネットワークでつながることの重要性を
ひしひし感じているんだということを
書いていました。

ならばなおさら、どんな状況下でも
使えるコンピュータをめざして、
このダブルマウス入力のような
機能的に優れたインターフェースの研究開発は
これからもますます重要になってくると思います。

今回ちょっと残念だったのは、
デモを見せてもらったとき、
ダブルマウスを実際に手にとらなかったこと。
私ったら異常に緊張しちゃってたんだ、実は。
今度はぜひチャレンジしますね>中村くん。

では、ダブルマウスの仕組みや実装など、
技術的な詳細はぜひ 塚本研究グループのHP
へ移動してご覧ください。

次回はバーチャルワールド"デモ"見ようツアー
第2セクションリモートディスプレイ編に行きましょう。


marsha

2001-04-23-MON

BACK
戻る