vol.48
- remote display -
●i-modeを使って、ウェブ画面をブラウズするアプリ
バーチャルワールド"デモ"見ようツアー
第2セクションはリモートディスプレイ編です。
イラッシャイマセ。
ところで、たまにね、
部屋でゴロゴロしているときに
TVをつけようとして
思わず手につかんだものが
携帯電話だったりして
「おいおい!」って一人つっこみした、
なーんてこと、ないですか?あるでしょう?
そんなやつは私だけか…。
でも、近い将来、それでOKになる
かもしれません。
いろんなことが凄いスピードで
変わっていくこの世の中。
なにがあっても不思議はない。
あ、ここでの「携帯電話」は、
i-modeのような、インターネットに
つながる機能をもつものを指す、という
ことにしますね。
●モバイルコンピューティング
さて、「携帯電話=リモートコントローラ」の例は
すでに開発されている技術に、
携帯電話がお財布の代わりになっちゃう
というのがありますね。
たとえば自動販売機のジュースを携帯電話で買う
ことができる技術が、北欧で始まって
今は日本でも開発が進んでいるみたい。
インターネットにつながることによって、
携帯電話でできることが、こんなふうに
随分広がってきたし、
小型・軽量化すればするほど
持ち歩くコンピュータとしては
横綱級の力があります。
インターネットにつながる携帯電話は
今まさにモバイルコンピューティング
の最前線と言えますねー。
●ユビキタスコンピューティング
それに対して、街のあちらこちらに
設置されているコンピュータ端末の数々。
駅の案内のタッチパネルの端末とか
コンビニに置いてあるようなチケットが買えたり
銀行口座から預金を引き出したりできる端末とか。
こういうふうに「どこにでも」コンピュータがある環境
がさらにさらに進んで、もう「なにもかも」が
コンピュータであるという生活。
たとえば、にんじんひとつにも情報シールが貼ってあり
「誰がどこの畑でいつ作ったものでどこで売られ
賞味期限はいつか、誰に買われたのか」みたいな情報が
入力されていて、家庭の冷蔵庫の野菜庫に入ると
冷蔵庫のコンピュータに情報が流れ、
賞味期限が近づくと
「早く食べてよ〜」とお知らせしたり、
空っぽになると、ネットワークでスーパーマーケットに
「にんじん3本、お願いしまっす」と
にんじんの発注が自動的にされて、
(3本か10本かなんて設定によりけりだろうけど)
にんじんが家に届く…みたいな生活。
そういう生活を現実化するコンピュータ環境を
ユビキタスコンピューティング
(至るところにあるコンピュータ環境)
と呼んでいるようです。
●モバイル + ユビキタス
「動く」コンピューティングと
あっちこっちに「在る」コンピューティング。
つまりモバイルコンピューティングと
ユビキタスコンピューティングの
機能を融合することによって
さらに「モビリティ(移動性)」の高い
真のモバイルコンピューティング環境の構築、
をめざしているのが、
大阪大学工学部情報システム工学教室の
塚本研究グループのみなさんです。
塚本氏の著書の
「モバイルコンピューティング」(岩波科学ライブラリー)
の中でその内容を詳しく知ることができますので
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
そして、このモバイル + ユビキタス
の考え方のもとに研究されているのが
(前置きが長くなっちゃったけど)
今日のテーマのリモートディスプレイシステムなんです。
これを紹介してくれたのは、
大阪大学大学院工学研究科情報システム工学専攻の
ドクターコースの上向くんです。
例えば、今も街のあっちこっちに設置されている
モニタ画面。小さいのから
新宿東口のアルタビルの大画面のようなものまで。
そういう画面を自分の携帯電話の
リモート画面と仮定したらどうか?
携帯電話で操作したウェブ画面を
リモート画面に映し出すというのです。
携帯電話はどこででも情報検索ができて
確かに便利だけれど、いかんせん
画面が小さくて、通常のPC画面を見るように
一度に沢山の情報を見ることができないのが
確かにいまいち不便な感じです。
これを解消するには、ほら、近くにある
コンビニでも駅にでも設置されている
その画面!それを使っちゃいましょう、
というわけです。
街の中ですから、あるのはモニタ画面だけで
キーボードやマウスは、邪魔なので
「無い」という状況だと仮定してくださいね。
そして、こういうモニタ画面の設置は、
今後ますます増えていくと思われます。
モバイルコンピューティングの
センタンを担うであろう
ウェアラブルコンピューティングが
今後主流になるにしても、現在の段階では
まだまだ身につけて歩くには
重かったり、前が見えなかったり、
いろいろハードルは高く、ツライ。
だったら、今持っている環境と
在る環境を使ってできる新しい環境を
作りましょうという考え方が
リモートディスプレイなのですね。
もし、携帯電話を操作する人同士が離れたところで
オセロ対戦をするとすると、(するのよ)
それぞれの近くのディスプレイにその画面を映し出し、
あたかも相手が目の前で戦っているように、
携帯電話の操作によってお互いのコマが進んでいく。
こんなゲームアプリも開発してるそうです。
リモートディスプレイを使ったネットワークゲーム
なわけですね。
ディスプレイを使う人は、IDによって制御されるので
自分の画面なのか他の人の画面なのかは、
ちゃんと区別がつきます。
じゃないと、町中混乱しちゃうかも…。
WWWブラウジングシステムの概要はこの図のとおり。
こんな流れです。上の絵を見ながら読んでくださいね。
- まず、携帯電話で、リモートディスプレイの
URLを入力。
「私、このディスプレイ使います!」と宣言。
- 続いて、携帯電話で見たいウェブページのURLを入力。
- そのURLがページ変換サーバに送られる。
- ページ変換サーバからWWWサーバにアクセス。
- WWWサーバが、携帯電話から受け取った
URLに対応するウェブページを取得。
- ページ変換サーバ→リモートディスプレイに
そのページを表示。
- 同時にページ変換サーバ→ウェブページ操作用ページを
自動作成 → 携帯電話に表示。
|
つまり、人間がやることは、1番と2番だけです。
しかも、携帯電話のBookmarkに登録しておけば
いちいち入力も要らないし、自動的に近くの
リモートディスプレイのURLを送ってくれる
(例えばJ-Phoneのステーションサービス)
システムを使えば、それをクリックするだけで
済むという、簡単操作!!!
うーん、いいですねー、カンタン、カンタン。
携帯電話の画面は下のようにリンクだけが出ていて、
リモートディスプレイの画面には、
普通にウェブページが表示されています。
携帯電話画面のリンクをクリックすると
ウェブ画面が連動して変わります。
(この画面上では変わりません、あしからず)
そうなると
「おいしいジェラートが食べたいわ!」
とデート中に突然ガールフレンドが
だだをこねたとき、携帯電話で検索をして
携帯電話の画面を目を細めながら2人で覗き込んで
頭ごっつんとぶつけてしまうより
(それはそれでいいっか…)
その画面をすぐ近くのディスプレイに送り
それを見ながら、
「どこ行こっかー?」
「こっちのほうがおいしそー、写真もあるしねー」
なーんて、甘い甘い会話も
はずむ…かな?
とにかく見やすいことは歴然としています。
では、リモートディスプレイをもっと
詳しく知りたい方、ぜひ商品化を!とお考えの方は
塚本研究グループのHPへ移動して下さいね。
今日は「動く」技術と「在る」技術の融合の
お話でした。
次回はバーチャルワールドデモ"見ようツアー
第3セクションIBNR編へ移動しまーす。
marsha |