OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.54
- Pong → QB Project -


ロボットのPong(ポン)の話の2回目です。

プロジェクト参加への呼びかけもあるし、
早く原稿を書きたかったのですが、
私の父の突然の旅立ちを見送っているうちに、
時間が無くなってしまいました。
それをみなさんと長尾さんにお詫びします。
それでも参加を呼びかけてみよう!と
長尾さんも言って下さっているので、
やっぱりここで、
QBプロジェクト参加者を募集しますよー。

そういうわけで、
今日の記事は、いつも「ほぼ日」を
楽しみにしていた父にデディケートさせて下さい。

  * * * * *

さて、Pongちゃんの育ての親の長尾さんは、
どうも今のPongに不満らしいという
ところから今日の話は始るのです。

一体Pongの何が気に入らないのか。
飽くなきPongの改良は続くのです。

Pongのマブタとマバタキに情熱を傾けつつも、
長尾さんの次なる挑戦は、
Pongの発展形ロボットの秘密兵器
QBプロジェクト
ついにこの「ほぼ日」誌上でベールを脱ぐ…。

でも、ここで明かしちゃっていいのかなー?
QBのこと。
秘密兵器なのにさ…。

それでも、
「ロボフェスタ関西」出展決定(7/25から)してるし、
「うつくしま未来博」(7/19の予定)も
待ちかまえているとか。
長尾さん、めちゃくちゃ忙しい。
それで、このQBプロジェクトの
お手伝いをしてくれる学生さんを
探しているらしいのです。

なにはともあれ善は急げ!(でも遅れちゃってごめんなさい!)

「これを読んでくれている学生のみなさん!
ロボット開発に参加してみませんか?」


おもしろいと思うなー。
私が学生だったら、絶対参加したいっ!

興味のある学生の方は、ココを見て
長尾さんにぜひメールしてください。

それでは、Pongちゃんのマブタの話から聞いてみましょう。


Pongにマブタを付けたい。

ナガオ ともかく、いろいろと複雑な部分もありますけど
基本的にはシンプルで、
機能を追加しようと思ったら 
いろいろできるんですよ。
僕らはできるだけソフトウェアで
がんばろうと思ってて。
ハードウェアのところは極力単純にしようと。
マーシャ このシンプルさが逆にかわいい気がしますけど。
スケルトンだしね。
ナガオ iMacみたいにね。
マーシャ コレ、このままイケませんか?
ナガオ 線がね、ダメ。
このあたりの(頭の裏の配線類)線がダメ。
線をきれいにしないとね。
このままだと触れないじゃないですか。
頭とか…。だいたい頭、無いし。
マーシャ くっくっくっく。
ナガオ どうしてもこれに頭つけたいと。
頭とマブタを付けたい。
マーシャ マブタ?
ナガオ そう。いつもギロって睨んでるのイヤだから。
マーシャ あー。
ナガオ 動いていないときも
目がちゃんと向いてるの、イヤでしょ。
動いていないときは、こう、寝てて欲しい。
マーシャ そうすると、不気味な感じにならない?
ナガオ いや、わかんないですよ。作ってみないと。
作ってみたら、不気味かもしれないけど。
でも、Pongは不気味だという人はいます。
コレは。 顔が。
マーシャ いると思います。
味はあるけど…(すいません)。
ナガオ 冗談のような部分もあるけど。
けっこうよく見ると、
アメリカ人のセンスだから。
だから我々はそれをデザインし直そうと。
でも基本的に目とか口とか…、
マユゲとかいう要素は
必要だから、それはやりますよ。
マーシャ マユゲ、いいね。ほのぼのしてて。
(Pongがテレビに出たとき、
 いとうせいこうさんにも
 マユゲを褒められたらしい。)
ナガオ マユゲ。これはちょっとねー。
ひどすぎますよ。
マーシャ ポイントはマユゲでしょう?
髪の毛をつけるってのはどうかな。
ウイッグみたいに。
ナガオ 帽子をかぶせたことはありますよ。
マーシャ ベレー帽?
ベレー帽タイプの人ですね、
Pongちゃんは。
ナガオ まあ、いいですけどね(笑)。
帽子の中に
クッション入れちゃうっていうのも
一つの手だけど。
シカクくてクロいQB。

ナガオ QBはですね。デザインはですねー。
マーシャ あっ!
それは噂の新プロジェクトのQBですね。
ナガオ はい。
QBはね、キューブブラックのこと。
マーシャ キューブブラック?
ああっ!そうかー。
ナガオ そうそう。シカクくてクロい。
シカクくてクロいモノは多いですよ、IBMは。
マーシャ 多い、多い!
ナガオ 見た瞬間にIBMだって分かる。
ThinkPadって、すごい有名なんですよ。
他のノートパソコン…、
いろんなメーカのノートパソコン全部並べても、
これがThinkPadだって
多くの人が分かるんだって。
マーシャ 黒。
ナガオ そう、それだけ
アイデンティファイできるんですよ。
マーシャ 黒って少ないですよね、確かに。
ナガオ 結構いいと思いません?
僕はね、最初は、
ダサイなと思ったんですけど、
今はもうThinkPad以外のノートPCは
考えられないんです。
マーシャ わー、そこまで言います?
ナガオ 昔はお弁当箱とか言って、
バカにしてたんですけど(笑)。
僕はもう気に入ってますから、コレで。
毎日の生活には欠かせないと。
マーシャ キーボードもオッケーですか?
ナガオ オッケーですね。
ただこのサイズより
小さくなったらいやだけど。
B5になったらいやだけど。
マーシャ 持ち運びするにしても?
ナガオ 持ち運びするにしても。
もっと薄いほうがいいけど…。
だから、キューブブラックというのは、
IBMの象徴みたいなものですから、
それをロボットとして
デザインしたいっていう気持ちがあって。
で、シカクくてクロいんです。
マーシャ なるほど。目はああいう感じですかねー。
これはPongちゃんを継承して行く感じ?
ナガオ そうですね。ピンポン玉を使うかどうかは
まだ議論が分かれるところですけど。
黒くて四角で、目と口とマユゲがある。
で、マブタもある。マブタ、開閉式で。
マバタキするのがいいんじゃないですかねー。

昔、CGで人間の顔の対話システムを作ったときに
マバタキしなかったんです。
そしたらなーんか怖いっていうことがわかって。
なんでだろう、と思っていたら、
マバタキしないからだ。
で、ランダムにマバタキするようにしたら、
結構もっともらしくなったんです。
もっとも、
CG部分を作ったのは僕ではないんだけどね。
マーシャ マバタキは、かなりポイントなんですね。
ナガオ ええ。
マバタキは意図的に表情として使う場合も
あるかもしれないけど
無意識的なの。マバタキしてる。
ずっと見つめられてるわけじゃない。
つづく。

* * * * * *
次回は、マバタキの話から進んで、
ロボットはどうあるべきか。
長尾さんのロボット論はおもしろいほど
転がっていきます。

プロジェクト参加へのご応募お待ちしています。
ロボットの発表も迫っているので、どうぞお早目に。
marsha/This article is dedicated to Akira.
illustration by 片桐由希子さん(慶応義塾大学)

2001-07-02-MON

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