OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.57
- software and licence -


去年もやりました「センタンセミナ」。
ご好評につき今年もやることに決定しました。



上の看板が、今年のセミナの概要の
入り口になっております。
どうぞ、のぞいてみてください。

さて、今年はセンタンは何を語りかけるか?

また問題を投げかけます。

「日本はなぜIT革命が起こらないのか?」

もうすでに起こっているじゃないの?
今、真っ最中じゃないの?
と言われる方が大多数だと思います。
では、IT革命とは何なのでしょうか?

今日は、IT革命と呼ばれるものの原点に帰りつつ
ソフトウエア事情について触れてみようかなーと
無謀なことを考えています。

実際、難しいぃー!のです。
こういう基本的な問題って。
ロボットの未来を夢見てる方がずっと
楽しいさー。(沖縄風に上げてください)
それは確かです。

でもロボットから、ブラウザから、PCの使い勝手から
インターネットから、電子商取引から、電子政府から
ITにちょっとでも関係するもの何から何まで、
あるいはしない分野までも
ぜーんぶに関わってくる
日本の科学の根幹に関わる問題でもある!
と、豪語したくなってくる話題なので
避けちゃぁ通れないんですねー。

あら、大変!聞いておかなくちゃ。
今日のおかずも大事だけど、
ソフトウエアの話も同じくらい大事。
そう思って欲しいなと思ったりして、
暑い頭に冷えピタクールをのっけて、
難しいけどチャレンジしてみようと思ってます。

インターネットが自由に使える時代になると
何が重要な技術になると思いますか?
部屋のインテリアに合うデザインのPC?
持ち運び便利なモバイル製品?
目に優しいモニタ画面?
手に心地よいキーボード?

もちろん、全部大事です。
こういうことは大事なのです。
じゃなきゃインターネットを使いたい人が
増えるわけがない!

そうなんですけどね。
今並べたのは、いわゆるハードウエアです。
コンコンと叩いて音がするもの。
さわれるもの。
それは優しくなればなるほど、うれしい。

でもハードウエアだけでは、
インターネットは動きません。

ITの時代に一番大事なのは、
「ソフトウエア」なのです。

ソフトウエアは、手にとるのは難しいから
感触はわからない。
それが優しいのかどうか、
中味が素晴らしいのかどうか判断するのは難しい。
それを判断できる専門家が急速に必要になってくる。

ソフトウエアがなければ、始らない。
PCは黒い画面のままで、ネットワークにも
つながらない。お友達にメールも送れない。
カレシに常時つながってる感覚も味わえない。
絵も描けない、文字も書けない。
ナイナイづくしの毎日になっちゃうのです。
これではインターネットで商売もできません。

ソフトウエア=知識

「IT革命」とは「知識の時代がやってくること」
とタプスコットは『デジタル・エコノミー』
(まーしゃのバイブル)でイヤと言うほど
宣言しています。
アメリカもこれをベースに「デジタル・エコノミー」
というレポートを1998年に発表し、
本格的にIT社会に向けて船出したのでした。

ソフトウエアの、つまり「知識」の重要性を
日本は心底感じているのだろうか?
つまり「ソフトウエア研究」に効率的な予算を
組むことに、価値を感じているのだろうか?
これがセンタンがこの夏、改めて問いかける問題です。

「決まってるじゃないか。そんなこと。百も承知さ!」
そうおっしゃる方を100人でも200人でも増やしたい。
そんな意気込みです。
この基本を確かめたら、ではどうやったら
その大事なソフトウエア技術を育てることができるの
だろうか?を考えたい。
というより、育てないと何が危ないのか?
ということです。

コンピュータに慣れ親しむ人口も、めっきり
増えてきたこのごろは、「使いこなす」という
オペレーションの段階をワンステップ登った感じです。
糸井さんも『インターネット的』の中で
「オペレーション」が出来ることと
「クリエイティブ」であることは違うのだ、
と書いていらっしゃいますね。

なぜインターネットが大事なのか?
インターネットで何を創造するのか?
そのコンテンツをしっかり支えるためにも
ソフトウエアの重要性は言うまでもない、
ということなんです。

IT革命は来たのか?

OECDの科学技術局2001年4月発表資料に(*注1)
「へぇーそうなの?」って手を打っちゃうような
おもしろい数値が発表されてて(資料提供:兼子さん)

1996年、つまり、
世界でIT革命が本格的になってきた年を境に
通信投資額が道路建設投資額を上回っている国々、
例えば、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア
は、GNPがぐんと伸びてるのです。

1996年を過ぎても、ずっとずっと、
道路建設投資額が通信投資額を上回っている国々、
例えば、日本、ドイツ、フランス、イタリア
を見るとね。
GNP伸び率が減少するばかり。
つまり、不景気が続いてしまってるという状態。

うわー、こんな相関関係があったのかーと
感心なんかしたりして…る場合じゃないんだけど。

GNP伸び率が減少した国々では、
いまだに道路工事の方にITよりもお金をかけている。
IT投資が大事だという認識が不足していて、
よく政策に反映されていない。
つまり、「IT革命」がまだ起きていない?
と言えるのではないでしょうか。

で、一体、いつ来るんでしょ?

ライセンス

さて、アメリカ合衆国という国は、
IT政策の戦略性にかけてはずっと先輩の国です。
そのIT政策をのぞいてみると、
ライセンスという文字がくっきりと
浮かび上がってきます。

これまでは「モノ」が「商品」であったけれど、
これからは無形の「知識」が「商品」になる。
つまり、知的財産権、特許、ノウハウ、
そういう様々な「知識」を売買する社会。
そういう社会が現れることが
「IT革命」によって起こる強烈な変化です。

そして、そこには「ライセンス」というものが
重要な「商売道具」になります。

それを世界で展開しようとしている、
いや、もうやっているアメリカ。

「知識」を商品としている世界で
「勝利」するためにアメリカの取ってきた政策は
びっくりするほど、
合理的かつ効率的な、
IT社会で勝つための「ライセンス重視」の
仕組みと制度作りだったのです。

これは、言われてみれば当然の話なんですが
国単位でやられたんじゃーやっぱり手強いとしか
いいようがありません。

モノではなく「知識」が「商品」となる社会では、
もう「ライセンス」無しには、製品が作れないという
恐ろしい「仕組み」が刻々と、この20年くらいの間に
しっかりと形作られています。
しかも、それを侵害すると「裁判」、そして、敗訴への
険しいシナリオが…。
そういう事件は、ニュースでもみなさんも
よくご存知の通りです。

それほど、「ソフトウエア」が大事になる社会とは
今までの社会の仕組みとは全く違う考え方のもとに
作っていかなければならないものだと
思い知らされます。

それを無視してどんな政策や、構造改革を進めても
「IT革命」なんてまだまだやってこない、
ただただ暑い夏で終わってしまうはめになります。
そして恐い夏バテが…。
それはそれでかなり涼しい話かも。

涼しい〜のはいいんだけどねー。
異常な暑さだもんね、今年は。
でもでも、とにかく8月30日と31日のセミナに向かって
鳥肌をたてながら突っ走っている毎日なんです。

総立ちのライブじゃないんだけど(笑)
一緒に鳥肌たてたい方は、
こちらにぜひお立ち寄りください。
セミナは、各日100名様先着で、無料です。
では会場でお会いしましょう。

会場に来られない方は、センタンの
平成12年度版のレポートをぜひ読んでみてくださいね。
ここら辺の詳しい話もあります。

次回はQBくんの続報か…。
QB
えっ!?む、む、む。

*注1:OECD東京センター(http://www.oecdtokyo.org/)


marsha

2001-08-01-WED

BACK
戻る